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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 円相場で刻むリズム投資が成果を生む!

株式アドバイザー 北浜流一郎

「円相場で刻むリズム投資が成果を生む!」

●東京市場変調の主犯は?

 伊勢志摩サミットが終わって1週間。東京市場はそれまでの堅調高が一転、波乱の展開に変わってしまった。

 安倍首相が「今の世界経済はリーマン危機前に似ている」と指摘、危機回避のために財政出動を考えるべきところに来ていると主張。各国首脳たちも渋々それに同意したところまでは良かったのだが、消費税引き上げ再延期を決定したところから様子がおかしくなってしまった。

 財政再建が進まなくなるからか? それは違う。来年4月に消費税を引き上げないのなら、日銀は経済の減速懸念をこれまでほど意識せず、追加の金融緩和をしないだろう。市場がこう読んだからだ。

 その結果が円の買い直しであり、実に5月30日につけた111.44円の安値から、2日夜には海外市場で108円台後半の高値があった。その後109円台前半に戻ったものの、111.44円の安値からみると今でもかなりの高水準になる。

 今は何はともあれ、円の水準が下がってくれなくてはならず、3日夜発表の米国の5月雇用統計に期待だが、この原稿を書いている時点では非農業部門の数字がどうなるかは不明だ。

 しかし、4月の16万人増よりは増加している可能性が高い。減少していても米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズ従業員のストライキに伴う3万5000人減がマイナスに働くことが考えられるが、一時的なものであり、特に問題ではない。

●多彩な注目テーマはなお健在!

 このような状況での投資は、円高で下げたところを押し目買いし、円安に転じて上昇したところで利食う。

 こんなシンプルな手法が成果を生む。円安も円高も長く続かないのが東京市場の特徴で、このリズムに合わせて投資した方が投資しやすいし、成功確率も高くなるのだ。

 幸いなことに今期業績予想は好調な企業が多いし、テーマも越境ECデジタル教科書有機EL、FPGA、フィンテック参院選挙、半導体好調など、なお健在だ。

 これらのテーマに関わる銘柄群は、多くは国内消費への依存度が高く、為替変動の影響を受けにくいことも好ましい(半導体関連株は影響を受けやすいが)。

 そこで、具体的には選挙関連株から。ツイッター利用の増加は必至と見てよく、同社の大株主であるデジタルガレージ <4819> がオーソドックスながら堅調高を期待できる。

 半導体関連では5月1日に新値をつけたあと利食い売りで反落中の半導体製造装置に強い東京エレクトロン <8035> 、半導体パッケージやリードフレームに強い新光電気工業 <6967> が狙い目だ。

 有機ELでは、エンジニアリングに強い平田機工 <6258> [JQ]の高値足踏み状態は狙いどころと見る。

 医薬品関連株にも目を向けておくと、泌尿器科系治療薬に強い日本新薬 <4516> が魅力的だ。

2016年6月3日 記


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