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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「重要変化日に高値」

株式評論家 富田隆弥

◆結局、安倍首相の会見にサプライズはなかった。消費税10%引き上げ延期はすでに織り込み済み、新たな景気対策も出ず、マーケットには出尽くし感が漂い、日経平均株価は2日に393円安の1万6562円と続落、ドル円も109円を割り込む円高に進んだ。

◆「宴のあと」として注意は必要だろう。ただ、カギを握る外国人投資家は日本市場にあまり興味なく、2日のECB理事会、OPEC総会、3日の米雇用統計に目が向いており、当面は3日の米国市場がポイントになるだろう。

◆5月のNYダウは1万7700ドル台で高止まり、「セル・イン・メイ(5月に株を売れ!)はなかった」との声も聞かれる。だが、昨年もそういった声が聞かれたあとの7月から下げ足を強めた経緯があり、安心するには早すぎる。4月高値1万8167ドルを更新するまで調整懸念は燻り続ける。

◆そして、日経平均はサミットもあり5月31日に高値1万7251円を付けるなど、5月はジリ高のPKO地合いを続けた。ただ、昨年は5月28日まで上昇してサイコロが6月1日に12勝0敗を記録するなど、5月は月末にかけて買い戻しなど需給で上がりやすい時期だったと言える。問題はそのあと、6月以降の展開だ。

◆チャート的には5月31日にサイコロが9勝(75%)、日足と週足が変化日のタイミングで高値を付け、そこから続落で25日移動平均線を割るなど先安懸念は払拭できず。10日がメジャーSQでジリ高基調から逸脱の可能性もあり、下値注視のスタンスが続く。下値抵抗線は4月8日安値からのラインが1万6500円処に、2月安値からのラインが1万6000円処にある。もし、そのラインを割り込むなら「週足二段下げ突入」として警戒を強めること忘れないでおきたい。

(6月2日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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