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【市況】今週の【早わかり株式市況】 4週ぶりに反落、円高と経済政策期待の後退を嫌気

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

今週の株式市場は、膠着相場レンジを一時突破も押し戻され、4週ぶりに反落。円高と経済政策期待の後退で売りが膨らんだ。

 週初の5月30日は前週末のイエレンFRB議長の発言を受けてドル円相場で円安が進んだうえ、消費増税の延期観測や財政出動期待から買い優勢となり、日経平均は続伸し1ヵ月ぶりに1万7000円台を回復。5月初めからの膠着相場レンジの上限を超えた。

 翌31日は朝方発表された4月の鉱工業生産指数が予想に反して上昇したことに加え、円安も追い風に6ヵ月ぶりに5日続伸となった。6月1日は円高基調に転じていたドル円相場が後場から急速に進み、それに歩調を合わせる形で日経平均は下げ幅を拡大、6日ぶりに反落した。2日はさらなる円高進行に加え、安倍首相が消費増税の延期を表明した際に、経済政策に言及しなかったことから失望売りが膨らみ、大幅に続落。再び膠着相場レンジに跳ね返された格好だ。

 週末は前日の原油価格の上昇や米株高を受け、薄商いながらも買い戻しが入り、日経平均は3日ぶりに反発した。

 日経平均株価は、前週比192円(1.14%)安の1万6642円と4週ぶりに反落して取引を終えた。週間の振れ幅は725円と、前週の539円から拡大した。


 来週は、昨夜発表された5月の米雇用が急減速したことで急激な円高となっており、週初から相場は荒れそうだ。重要イベントとしては、国内では7日公表される4月景気動向指数、8日朝発表の1-3月期GDP改定値、10日のメジャーSQに注視が必要だろう。海外では6日のイエレンFRB議長の講演や8日に発表される中国の5月貿易収支に注目したい。

◆マーケット・トレンド(5月30日~6月3日)

【↑】 5月30日(月)―― 1万7000円回復、円安や増税延期・財政出動期待が押し上げた
 日経平均 17068.02( +233.18)  売買高15億9773万株 売買代金 1兆5604億円

【↑】 5月31日(火)―― 6ヵ月に5日続伸、円安と中国株高で上値追い
 日経平均 17234.98( +166.96)  売買高25億2840万株 売買代金 2兆8740億円

【↓】 6月 1日(水)―― 6日ぶりに急反落・1万7000円割れ、急速な円高で下げ幅拡大
 日経平均 16955.73( -279.25)  売買高19億9528万株 売買代金 2兆1154億円

【↓】 6月 2日(木)―― 393円安と大幅続落、円高と経済政策言及なく売り膨らむ
 日経平均 16562.55( -393.18)  売買高20億7508万株 売買代金 2兆0930億円

【↑】 6月 3日(金)―― 3日ぶりに反発、原油堅調と米株高で買い優勢
 日経平均 16642.23( +79.68)  売買高16億0704万株 売買代金 1兆7695億円

◆セクター・トレンド(5月30日~6月3日)

(1)JAL <9201> 、ANAHD <9202> など空運株は大幅反落
(2)野村 <8604> など証券、東京海上 <8766> など保険といった金融株が売られた
(3)新日鉄住金 <5401> など鉄鋼、富士フイルム <4901> など化学といった素材株も軟調
(4)国際石開帝石 <1605> など鉱業、JX <5020> など石油といった資源関連株もさえない
(5)マルハニチロ <1333> など水産、ファストリ <9983> など小売りといった消費関連株は堅調

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