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【特集】【今週読まれた記事】LINE関連と割安「最高益」銘柄紹介が人気

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 株探でその週によく読まれた記事を紹介する【今週読まれた記事】のコーナー、今週は5月28日から6月3日までの株探へのアクセス状況を元に人気の記事をご紹介します。

 伊勢志摩サミットを終えた週初に為替が1ドル=111円台と4月28日以来約1ヵ月ぶりの円安水準をつけ、日経平均株価はこれまた4月28日以来の1万7000円台復帰。しかし為替が週央から再びドル安円高に振れると、日経平均もあわせて下落。日経平均とドル円の連動性の高さが改めて浮き彫りとなった週でした。4月以降の両者の日足チャートは、まるで合わせ鏡のような相似形となり、通常以上に連動性が高まっている様子が見て取れます。言い方を変えれば、日本株独自の要因で上昇(下落)に向かうエネルギーがなくなり、為替の値動きに力なく振り回されている状態です。

 こうした中、市場では何度目かのLINE上場観測が話題になり、株探でもそれに関連した記事が多くのアクセスを集めました。LINEは2014年から繰り返し上場観測が流れ、そのたびにLINE関連株の一斉買いが行われてきました。今回は7月に東京証券取引所とニューヨーク証券取引所に同時上場するとの観測報道がきっかけ。1社の報道ではなく、複数メディアによる報道であったことから、信ぴょう性は高いとみられています。株探ではこれを受け、特集記事として「3年越し『LINE』上場観測、勢いは続くか」を配信しています。

 もっとも、マザーズ市場が失速し、新興市場人気が沈静化の傾向にあったためか、関連株の上昇はこれまでに比べ勢いは鈍く、翌日には「LINE関連は利食い売り優勢、一部関連株に選別買いの動き継続」という記事を配信しています。また、人気コラムの「中村潤一の相場スクランブル」では「『LINE狂想曲』と『既望』」で、関連銘柄の直近の値動きは「サプライズを先食いしているような上昇波動を形成しているものが多い」と指摘。LINEの成長性には鈍化の兆しがあり、それが関連株買いの勢いの鈍さに表れていると分析しています。

 LINEの上場はあくまで観測で正式決定したことではありませんが、「コメダ珈琲店」を展開するコメダホールディングス <3543> の上場は正式に決定したもの。同社を含め、6月だけで12社が株式公開を行うことを受け、IPOの見通しを特集した「迫る6月【IPO】、『コメダ』『LINE』の前評判は?」は新規上場企業の傾向を分析しアクセスを集めました。

 IPO絡みの記事が人気となった一方、恒例の成長株特集、なかでも「最高益」にスポットライトを当てた記事は今週も多くの方に読まれました。「17年3月期【連続最高益】更新リスト 34社選出 [東証1部編]」「17年3月期【連続最高益】更新リスト 29社選出 [新興&2部編]」は、過去数年にわたって経常最高益を更新し続け、さらに今期も会社予想が最高益見通しの企業をリストアップしたもの。個別株投資の手法は様々ですが、業績こそが株価を形成する基本であることは永遠に変わりません。アベノミクス相場の熱狂的な上昇が終わり、参加者が減った市場ではPERも低下傾向。逆に言えば、毎期着実に利益成長を続けてくれる優良株を、手頃な価格で手に入れるチャンスでもあります。

 最高益かつ割安という尺度では、「17年3月期 最高益見込む、低PER『お宝候補』 39社選出【東証1部編】」「17年3月期 最高益見込む、低PER『お宝候補』 41社選出【新興&2部編】」も人気でした。最高益かつPER9倍以下という虫のいい条件でなんと80社もの企業がヒット。閑散相場で、評価不足の銘柄がいかに多いか分かろうというもの。最高益の記事ではほかに、「利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】 46社選出」が5月18日の記事ながら、今週も多くのページビューを集めています。

 最高益から目を離せば増益率の大きさやPBR、ROEが銘柄選択の目安となるでしょうか。それぞれ「1万7000円“回復”で注目の増益率『オーバー50%』リスト」、「17年3月期増益見込む、低PBR『お宝候補』 43社選出【東証1部編】」、「17年3月期増益見込む、低PBR『お宝候補』 45社選出【新興&2部編】」、「海外投資家が注視する【高ROE】ベスト 50」が人気でした。

 さて、連載陣からは前週末、気になる発言が相次ぎアクセスを集めました。植木靖男氏は今回、<相場観特集>で登場。「流れ変わるか、政策期待の6月相場(3)」で、「米国株の頭打ち感」を指摘。逆金融相場の色が見え始めるとし、それが日本株への下方圧力として作用、為替についても「既に円安の限界ラインは近づいている」と述べました。富田隆弥氏もドル円について、「110円台にタッチしたが、チャートは節目110~111円をまだ抜けず、アヤ戻りの正念場」とし、「日経平均の下値抵抗線注視のスタンスを続けておく」と、やはりドル高・円安の継続性に疑問を表明。日経平均の先行きにも手放しの楽観はできないと書いていました。極めつけは杉村富生氏で、「為替はイベント・ドリブンなど投機筋の介入があって、1ドル=105円のカベを突破、超円高進行の可能性がある」と指摘。「イベント・リスクは避けよ」「臆病さが身を守る」と警鐘を鳴らしていました。

 いずれの記事もドル円が110円台にあった5月30日までの公開。ご存知の通り為替は6月に入り再び円高に振れ、週末には1ドル=108円台にあと戻り。つれて日経平均株価も1万7000円台を大きく割り込み、連載陣の慧眼が証明された形です。この土日に公開される識者の連載では、どんな見通しを示してくれるのか、気になるところです。

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