【市況】【植木靖男の相場展望】 ─ 6月相場を占う岐路に立つ
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「6月相場を占う岐路に立つ」
●株価は何でも知っている
株式市場は風雲急を告げているかのようだ。
サミットが終わり早くも6月相場入り。6月も引き続き主要なスケジュールが並ぶ。OPEC総会に続き、米雇用統計、米国FOMC、日銀の金融政策決定会合、そして英国のEU離脱を巡る国民投票。月を越えると参院選がある。
いずれも株価や為替動向に与える影響は大きい。
もっとも基本的には、こうしたビッグイベントの結果によって相場の流れがそこで大きく変わることはまれである。ビッグイベントになればなるほど早くから予想が飛び交い、むしろ事前に相場に転機が訪れるものだ。
たとえば、14年10月末の日銀のサプライズな追加金融緩和策発表。そこで株価は転機を迎えたとの見方が大半だが、実際株価が安値をつけたのは10月17日である。典型的な例である。
つまり、米国でかつて大流行した、よき米国の時代の象徴のようなロバート・ヤング主演のTVドラマ「パパは何でも知っている」ではないが、“株価は何でも知っている”のだ。
ということを考えると、6月1日、2日と大幅下落で始まった6月相場、株価は一体何を知っているのであろうか。
もちろん、それまで1100円も騰げ続けただけに、その反動安ということもないとはいえないが、それにしても700円近い下げは尋常ではない。
●米利上げでもドル安のシナリオ
今日、株価にとって最大の注目材料は円高懸念である。
上述したスケジュールの中に円高懸念を強める材料があるとすれば、米FOMCでの利上げだろうか。6月のそれはおそらく利上げのチャンスとFOMCは判断しているようだ。景気がそこそこであれば、6月の利上げはこれまでの経緯からみて妥当であろう。
ただし、そのとき為替は予想通り円安トレンドになるのであろうか。
米国の本音はドル安ではないのか。つまり政治的判断から利上げしてもドル安ということも有り得るのではないか。
さて、目先的な株価見通しでいえば6月3日は小幅反発した。筆者は週明けの株価に注目している。
一般論からすれば、週明けも高くなれば当面、高値もみ合いに推移するとみられるし、逆に再び売られるようであれば、もはや高値を望むのは難しいとみている。大事な日柄といえそうだ。
建設、食品、医薬品、小売など内需の材料株に注目したい。
2016年6月3日 記
株探ニュース