短期投資と長期投資の違いを徹底比較!あなたに合うのはどっち?
株式投資には大きく分けて「短期投資」と「長期投資」の2つの投資スタイルがあります。
この2つは単に投資期間が違うだけでなく、利益の狙い方やリスクの大きさ、必要な知識も大きく異なります。
本記事では、短期投資と長期投資の具体的な定義から、それぞれのメリット・デメリットを徹底比較します。
自分にとってどちらの投資スタイルが向いているのかしっかり確認しておきましょう。
短期投資・長期投資の違い
短期投資と長期投資の最も基本的な違いは、その名の通り「株式を保有する期間」にあります。
どれくらいの期間で利益を出したいかによって、その戦略は大きく異なります。
| 短期投資 | 長期投資 | |
|---|---|---|
| 投資期間 | 数日~1年以内 | 数年~数十年 |
| 主な利益 | 値上がり益 (キャピタルゲイン) |
値上がり益+配当 (キャピタルゲイン+インカムゲイン) |
| リスク | 高い | 比較的低い(時間で分散) |
| 必要な時間 | 多い(市場の監視) | 少ない(定期的な見直し) |
| 主な分析 | テクニカル分析(チャート) | ファンダメンタルズ分析(業績) |
| 精神的負担 | 大きい(日々の値動き) | 小さい |
| 取引コスト | 高くなりがち | 低く抑えられる |
短期投資は、比較的短い期間で売買を完結させ、利益の確定を目指す投資スタイルです。
具体的には、購入したその日のうちに売却する「デイトレード」や、数日から数週間で売買する「スイングトレード」などが代表的でしょう。
編集者
一般的には、長くとも1年以内に売買を終えるケースを指すことが多いです。
一方、長期投資は、数年、場合によっては10年以上の単位で株式などを保有し続ける投資スタイルを指します。
日々の細かな株価変動で利益を狙うのではなく、5年後、10年後といった将来的な企業の成長性に期待し、じっくりと資産の増加を待つスタイルとなります。
短期投資のメリット・デメリット
短期投資は主に株価の値動きを予測し、その差額(キャピタルゲイン)で利益を得ることを目指すスタイルです。
この手法には、魅力的な長所と注意すべき短所が存在します。
まずは短期投資のメリット・デメリットを見ていきましょう。
短期投資のメリット
短期投資の最大の魅力は、短期間で利益を出せる可能性があることです。
投資がうまくいけば、数日、あるいはデイトレードであればその日のうちに利益を確定できます。
また、投資資金が長期間拘束されないため、資金効率が良いこともメリットです。
得られた利益と元手をすぐに次の投資機会に回すことが可能になります。
さらに、「信用取引(空売り)」という手法を使えば、株価が下がる局面でも利益を狙えるのは短期投資ならではの強みです。
短期投資のデメリット
一方で、短期的な価格変動は予測が難しく、リスクが高くなりがちな点は大きなデメリットです。
短期間で大きな利益が狙える反面、大きな損失を被る可能性も常にはらんでいます。
加えて、多くの時間と労力がかかることも覚悟しなければなりません。
常に市場の動向をチェックし、チャートを分析して最適な売買タイミングを判断する必要があるからです。
編集者
売買回数が多くなるため、取引コスト(手数料)がかさみやすい点も、利益を圧迫する要因となるでしょう。
短期投資が向いている人
これらの特徴から、短期投資は以下のような人に向いていると言えます。
投資に十分な時間を割ける人
短期投資、特にデイトレードの場合、市場が開いている平日の日中にリアルタイムで株価やニュースをチェックし、迅速に売買判断を下す必要があります。市場の動向に張り付いていられる、あるいは頻繁に確認できる環境にあることが望ましいです。
チャート分析(テクニカル分析)が苦にならない人
短期的な値動きは、企業の業績よりも市場参加者の心理や需給バランスで決まることが多いため、過去の株価データ(チャート)の分析が非常に重要になります。数字やグラフを見てパターンを読み解く作業が好きな人、あるいは学習意欲が高い人には適性があるでしょう。
リスク許容度が高く、決断力がある人
短期間で大きなリターンを狙える半面、損失も大きくなる可能性があります。含み損を抱えた際に、冷静に「損切り(ロスカット)」のルールを実行できる決断力が不可欠です。感情的にならず、事前に決めたルールを徹底できる人が求められます。
精神的にタフで、切り替えが早い人
日々の値動きで資産が大きく増減するため、精神的なプレッシャーは大きくなりがちです。一度の失敗に引きずられず、「次の取引」へと気持ちを素早く切り替えられるメンタルの強さも重要な要素となります。
長期投資のメリット・デメリット
長期投資は日々の株価変動に左右されず、投資先企業の将来的な成長性や継続的な配当に期待して、じっくりと資産を育てる投資スタイルです。
短期投資とは対照的な特徴を持っており、そのメリットとデメリットを理解することが重要になります。
長期投資のメリット
長期投資における最大のメリットは、「複利効果」を最大限に活かせることでしょう。
受け取った配当金を再び投資に回す(再投資する)ことで、利益が利益を生み、資産が雪だるま式に増えていく効果が期待できます。
また、一度投資先を決めて購入すれば、日々の株価を頻繁にチェックする必要がないため、手間がかからない点も大きな魅力です。
本業や家事で忙しい人でも、精神的な負担が少なく、自分のペースで資産形成を進められます。
投資先企業が事業を拡大し、大きく成長すれば、株価が数倍、時には数十倍になる可能性も秘めており、大きな資産成長が期待できるのも長期投資の醍醐味です。
加えて、売買回数が極端に少ないため、取引コスト(手数料)を低く抑えられることも、最終的なリターンを高める要因となります。
長期投資のデメリット
当然ながら、長期投資は利益が出るまでに時間がかかります。
数年、数十年単位で資産を保有し続けるため、すぐに現金化したい人には向いていません。
これは投資した資金が長期間拘束されることも意味します。
生活に必要な資金(生活防衛資金)は別に確保した上で、余裕資金で行うことが鉄則です。
さらに、どれほど優良な企業であっても、時代の変化とともに経営が悪化したり、最悪の場合は倒産したりするリスクはゼロではありません。
長期で保有するということは、それだけ不確実な未来の変動要因にさらされる可能性もあることを理解しておく必要があります。
長期投資が向いている人
これらの特徴から、長期投資は特に以下のようなタイプの人に適しています。
日中は本業や家事で忙しい人
長期投資は、一度投資先を選定すれば、日々の市場動向に張り付く必要がありません。頻繁に株価をチェックする時間がない人でも、自分の生活リズムを崩さずに資産形成に取り組むことができます。
明確な長期目標(期間・金額)がある人
「10年後の教育資金」「20年後の老後資金」といった、使う時期が明確に決まっている遠い将来の目標には長期投資が最適です。時間的な余裕があるため、途中で価格が下落する局面があっても慌てずに済みますし、複利効果を最大限に活かすことが可能になります。
企業の「価値」を分析するのが好きな人
短期的な値動きの予測(テクニカル分析)よりも、その企業がどのような事業を行い、どれだけ利益を上げていて、将来性はあるのかといった「ファンダメンタルズ分析」を好む人。長期投資は企業の成長そのものに投資するため、その本質的な価値を見極めるプロセスを楽しめる人に向いています。
精神的にどっしりと構えられる人
投資期間が長ければ、市場の暴落を経験することも必ずあります。そうした際、恐怖心から慌てて売却(狼狽売り)してしまうと、長期投資のメリットは得られません。目先の損失に一喜一憂せず、「企業の成長を信じて待つ」という忍耐強さ、どっしりとしたメンタリティが求められます。
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