【初心者向け】信用取引とは?現物取引との違いを分かりやすく解説!
信用取引とは、現金や保有株を担保に証券会社から資金や株券を借りて行う株式取引のことです。
最大で手持ち資金の約3倍程度の取引が可能になり、株価下落時にも利益が狙える(=空売り)ことが特徴です。
ただし、リスク管理を誤ると大きな損失を招く可能性もあるため、仕組みを正しく理解することが不可欠です。
この記事では、信用取引の基礎からメリット・デメリット、現物取引との違いについて初心者向けにわかりやすく解説します。
- 信用取引とは?現物取引との違い
- 信用取引の3つのメリット
- レバレッジ効果(資金効率の最大化)
- 「空売り」で下落相場でも利益を狙える
- 1日に何度でも回転売買ができる
- 信用取引を行うにあたって知っておくべきデメリット
- 損失もレバレッジがかかる(借金のリスク)
- 追加証拠金の発生
- 信用取引特有のコスト
- 「制度信用」と「一般信用」の違いとは?
- 信用取引に向いている投資家
- 短期間で利益を狙う方
- きちんとリスク管理ができる方
- 株主優待をリスク少なく手に入れたい方
- 信用取引に関するよくある質問
- 信用取引は「借金」だから危険って本当ですか?
- 信用取引はいくらから始められますか?
- 信用取引でも配当金や株主優待はもらえますか?
- 追証になったらどうすればいいですか?
信用取引とは?現物取引との違い
信用取引とは、手元にある現金や保有している株式を「担保(委託保証金)」として証券会社に預け、資金や株式を借りて行う取引のことです。
通常、株式投資の基本となる現物取引では、自分の持っている資金の範囲内でしか株を買うことができません。
例えば、手元に30万円しかなければ、購入できるのは30万円分の株までです。
一方、信用取引では預けた担保の最大約3.3倍の金額まで売買が可能になります。
つまり、手元資金が30万円でも、約100万円分の取引ができるということです。
これを「レバレッジ(てこの原理)効果」と呼びます。
現物取引と信用取引の主な違いは、以下の3点に集約されます。
取引可能な金額
現物取引は自己資金の範囲内に限られますが、信用取引は自己資金以上の大きな金額を動かせます。これにより、資金効率を飛躍的に高めることが可能です。
利益を狙える局面(売買の方向)
現物取引は「株を買って、値上がりしたら売る」のが基本であり、株価が上昇しなければ利益が出ません。しかし、信用取引には「空売り(からうり)」という仕組みがあります。これは証券会社から株を借りて先に売り、値下がりしたところで買い戻す手法です。この機能により、下落相場でも利益を狙えるようになります。
取引にかかるコスト
現物取引の主なコストは売買手数料ですが、信用取引はお金や株を借りるため、特有のコストが発生します。例えば、買い注文の場合は資金を借りるための「金利」、売り注文の場合は株を借りるための「貸株料」などがかかります。
このように、信用取引は現物取引よりも自由度が高く、戦略の幅が広い取引手法と言えるでしょう。
ただし、リターンが大きくなる分、リスク管理もより重要になります。
信用取引の3つのメリット
現物取引にはない機能を持つ信用取引には、大きく分けて以下の3つのメリットがあります。
これらを活用することで、投資戦略の幅は劇的に広がります。
具体的にどのような利点があるのか、一つずつ見ていきましょう。
レバレッジ効果(資金効率の最大化)
信用取引の最大の魅力は、手持ち資金以上の金額を動かせるレバレッジ効果にあります。
日本株の信用取引では、証券会社に預けた委託保証金の約3.3倍までの取引が可能です。
例えば、手元に30万円の資金がある場合を考えてみましょう。
現物取引であれば、当然ながら30万円分の株式しか購入できません。
しかし、信用取引を利用すれば、約100万円分の取引を行うことができるようになります。
このように資金効率を高めることで、少額からでも大きなリターンを狙えるのが特徴です。
編集者
信用取引は資産形成のスピードを加速させたい投資家にとって、非常に強力な武器となるでしょう!
「空売り」で下落相場でも利益を狙える
株は安く買って高く売るものという現物取引の常識を覆すのが、空売り(からうり)という仕組みです。
これは証券会社から株を借りて「売り」から入り、値下がりしたタイミングで買い戻して差益を得る手法を指します。
通常、相場全体が落ち込んでいる時期は現物株の投資家にとっては利益を出しにくい我慢の時間になりがちです。
ところが、信用取引口座を持っていれば、こうした下落トレンドさえも利益獲得のチャンスに変えることができます。
編集者
また、保有している現物株が値下がりしそうな時に、一時的に空売りを入れて損失を相殺する「つなぎ売り」といった、リスク回避の手段として活用できる点も見逃せません!
1日に何度でも回転売買ができる
デイトレードのように短期間で売買を繰り返すスタイルの場合、回転売買の自由度は非常に重要です。
実は現物取引の場合、同じ資金を使って同一銘柄を1日に何度も売買することは差金決済というルールで禁止されています。
一方、信用取引にはこの制限がありません。
ある銘柄を買って利益確定した後、戻ってきた枠を使ってすぐに同じ銘柄を買い直すといった取引が1日に何度でも可能です。
限られた資金を何度も循環させて利益を積み上げることができるため、デイトレーダーにとって信用取引は必須のツールと言われています。
編集者
資金の拘束時間が短い短期売買において、その効率性は最大限に発揮されるはずです!
信用取引を行うにあたって知っておくべきデメリット
信用取引は資金効率を高める強力なツールですが、使い方を誤れば大きな損失を招く「諸刃の剣」でもあります。
メリットだけに目を奪われず、どのようなリスクが潜んでいるのかを事前に把握しておくことが重要です。
主に注意すべき3つのデメリットを見ていきましょう。
損失もレバレッジがかかる(借金のリスク)
レバレッジ効果は、利益だけでなく損失に対しても同様に働きます。
例えば、自己資金30万円で100万円分の買い建てを行った場合を想像してください。
株価が10%上昇すれば10万円の利益(自己資金に対して約33%のプラス)となりますが、逆に10%下落すれば10万円の損失となります。
現物取引であれば、最悪の場合でも株価が0円になるだけで、損失額が投資元本を超えることはありません。
しかし、信用取引ではレバレッジをかけている分、株価の変動幅によっては元本以上の損失が発生する可能性があります。
口座残高がマイナスになれば、その不足分は「借金」として証券会社に支払わなければなりません。
編集者
ハイリターンを狙える反面、こうした大きなリスクが伴うことを常に意識しておく必要があります。
追加証拠金の発生
信用取引には、通称「追証」と呼ばれる特有のルールがあります。
これは保有している建玉の含み損が拡大したり、担保にしている株の値下がりによって「委託保証金維持率」が一定の基準(一般的に20%〜25%程度)を下回った場合に発生するものです。
追証が発生すると、決められた期日までに追加で現金や株式を入金し、維持率を回復させなければなりません。
もし入金が間に合わなければ、保有している建玉は証券会社によって強制的に決済されてしまいます。
相場が急変した際には、意図しないタイミングで損失が確定してしまう恐れがあります。
そのため、資金枠ギリギリまで取引するのではなく、維持率に十分な余裕を持たせて運用することが大切です。
信用取引特有のコスト
現物取引にかかる主なコストは売買手数料ですが、信用取引ではそれ以外にもさまざまな費用が発生します。
お金や株を借りて取引を行う仕組み上、保有期間に応じたレンタル料がかかるためです。
例えば、信用買いの場合は借りた資金に対する「金利」を、信用売りの場合は借りた株に対する「貸株料」を支払うのが一般的です。
さらに、制度信用取引で空売りをする場合、株不足が発生すると「逆日歩」という追加コストを徴収されることもあります。
これらのコストは、建玉を保有している日数分だけ加算されていきます。
長期で保有すればするほど利益を圧迫する要因となるため、コスト負けしないような売買計画が求められるでしょう。
「制度信用」と「一般信用」の違いとは?
信用取引には、証券取引所がルールを決めている「制度信用取引」と、各証券会社が独自にルールを設定できる「一般信用取引」の2種類が存在します。
制度信用取引
証券取引所が選定した、流動性が高く信頼性のある銘柄のみが対象です。金利などのコストが比較的安く設定されているのがメリットですが、返済期限は「最長6ヶ月」と決まっています。また、空売りの売り注文が殺到して株不足になった場合、「逆日歩(ぎゃくひぶ)」という追加コストが発生するリスクがある点には注意が必要です。
一般信用取引
証券会社と投資家の間で契約を結ぶ形式で、取引所が指定していない新興市場の銘柄なども取引できる場合があります。最大の特徴は、返済期限を「無期限」に設定できるものや、デイトレード専用の短期向けプランなど、自由度が高いことです。また、制度信用とは異なり、空売りをしても「逆日歩」が発生しません。ただし、金利や貸株料は制度信用よりも割高になる傾向があります。
これらを比較表にまとめると、以下のようになります。
| 制度信用取引 | 一般信用取引 | |
|---|---|---|
| 対象銘柄 | 取引所の選定銘柄のみ | 証券会社が独自に選定 |
| 返済期限 | 最長6ヶ月 | 無期限、短期などさまざま |
| 金利・貸株料 | 比較的安い | 比較的高め |
| 逆日歩 | 発生するリスクあり | 発生しない |
初心者はどう使い分けるべきでしょうか。
基本的には、コスト(金利)の安さを重視して「制度信用」から入るのが一般的です。
6ヶ月以内に決済する予定で、かつ逆日歩のリスクが低い大型株などを売買する場合は、制度信用の方が利益を残しやすいでしょう。
一方で、株主優待取りのための「クロス取引(つなぎ売り)」を行う際や、逆日歩のリスクを絶対に避けたい場合は、「一般信用」の利用が推奨されます。
編集者
コストとリスクのバランスを見ながら、自分の取引スタイルに合わせて選択してください。
信用取引に向いている投資家
信用取引は以下のような投資家におすすめです。
短期間で利益を狙う方
信用取引は資金効率を重視し、できるだけ短い期間で資産を増やしたい方には最適です。
手元資金が少なくてもレバレッジを効かせることで、大きな利益を狙えるチャンスが広がります。
また、1日に何度でも同じ資金を回転させられるため、デイトレードのような短期売買スタイルの投資家には必須のツールと言えるでしょう。
少ない資金を何度も循環させて利益を積み重ねていく手法は、信用取引ならではの強みです。
きちんとリスク管理ができる方
感情に流されず、ルール通りに損切りができることも重要な資質です。
レバレッジがかかっている分、予想が外れた時の損失拡大スピードは現物取引よりも早くなります。
「ここまで下がったら機械的に決済する」という基準を厳格に守れる人でなければ、大きな痛手を負って市場から退場を余儀なくされるかもしれません。
自分自身の欲望や恐怖をコントロールし、高い自己規律を持てる方こそ、信用取引を安全な武器として使いこなせます。
株主優待をリスク少なく手に入れたい方
信用取引は株価変動のリスクを負わずに、株主優待の特典だけを受け取りたい方にも適しています。
「つなぎ売り(クロス取引)」という手法を使えば、現物の買いと信用の売りを同値で行うことで、株価下落による損失を相殺することが可能です。
手数料などのコストだけで優待品がもらえる、いわゆる「優待タダ取り」とも呼ばれるこのテクニックを活用したい場合、信用取引口座の開設は避けて通れません。
投資の目的が値上がり益だけでなく、優待生活の充実にある方にとってもメリットは大きいでしょう。
株の取引時間に関するよくある質問
-
Q
信用取引は「借金」だから危険って本当ですか?
-
A
仕組みは借金と同じですが、管理すれば過度に恐れる必要はありません。
確かに手元資金以上の取引をするために証券会社からお金を借りるため、借金であることに変わりはありません。
しかし、レバレッジ(倍率)を低く抑えたり、必ず損切りをするルールを決めたりすることで、リスクは十分にコントロール可能です。
危険だからやらないのではなく、リスクを理解して利用することが大切です。
-
Q
信用取引はいくらから始められますか?
-
A
一般的に「30万円」が最低ラインです。
多くの証券会社では、信用取引口座の開設基準として「委託保証金が30万円以上あること」を条件としています。
現金だけでなく、保有している現物株式を時価の80%程度で評価して保証金(代用有価証券)として使うことも可能です。
ただし、ギリギリの資金で始めるとすぐに追証のリスクが高まるため、余裕を持った資金準備をおすすめします。
-
Q
信用取引でも配当金や株主優待はもらえますか?
-
A
「買い」なら配当金相当額は受け取れますが、株主優待はもらえません。
信用取引で株を買っている場合、名義は証券会社のままであるため、正式な株主として登録されません。
そのため、株主優待は受け取れません。
配当金についても「配当落調整金」という形でお金は受け取れますが、税金の取り扱いが通常の配当とは異なる点に注意が必要です。
優待が欲しい場合は、現引(げんびき)をして現物株にする必要があります。
-
Q
追証になったらどうすればいいですか?
-
A
期限までに追加で入金するか、建玉を処分する必要があります。
株価変動により委託保証金維持率が最低ライン(一般的に20%〜25%)を下回ると、追証が発生します。
発生した場合、指定された期日(多くの場合は翌々営業日の正午)までに不足分の現金を入金するか、保有している建玉を決済して維持率を回復させなければなりません。
対応しない場合、証券会社によって強制的に全ての建玉が決済されてしまいます。
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