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9468 KADOKAWA

東証P
2,839.0円
前日比
+29.5
+1.05%
PTS
2,835円
23:55 04/26
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
51.5 2.04 1.06 2.69
時価総額 4,025億円
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カドカワ Research Memo(5):電子書籍に加え紙書籍の好調による出版事業好調で大幅増益を記録


■業績動向

(1) 2017年3月第2四半期累計連結業績の概要

カドカワ<9468>の2017年3月期第2四半期累計(4月?9月)の連結業績は、売上高が前年同期比6.2%増の99,795百万円、営業利益は同26.1%増の4,419百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同57.8%増の3,020百万円と増収、2ケタ増益となった。

前年同期比で増収となったのは電子書籍・電子雑誌の成長継続やメディアミックス作品の好調などにより出版事業が順調に推移したことと、欧米地域における「DARK SOULS III」の販売好調によるライセンス収入などから映画・ゲーム事業が順調となったことが要因。売上総利益が売上高の拡大により、同4.6%増の29,203百万円となった。販管費は出版事業におけるワンカンパニー制導入による合理化効果が顕在化したことなどによって同1.5%増の24,783百万円に抑えることに成功。販管費比率は前年同期の26.0%から24.8%へ低下した。これらの結果、営業利益は前年同期比で26.1%増益を確保し、営業利益率は前年同期に比べ0.7ポイント改善し4.4%へ上昇した。経常利益は寄付金749百万円や円高による為替差損の発生399百万円等がマイナス要因として働いたために、4,011百万円と前年同期に比べ4.6%減益となった。過年度に発生した税務上の繰越欠損金を充当したことにより税金費用が抑制され、親会社株主に帰属する四半期純利益は同57.8%増の3,020百万円となった。

(2)セグメント別の動向

a) Webサービス事業
Webサービス事業の売上高は前年同期比5.1%減の16,088百万円、営業利益は同39.0%減の1,744百万円と、減収、減益となった。売上高はモバイル事業における会員数減少が減収の主要因となったが、おおむね計画どおりでの進捗となっている。一方、営業利益はモバイル事業が売上高の減少に伴い減益となったほか、niconicoのリニューアル投資※1やアプリ開発のコスト負担によりポータル事業が減益となったこと、ライブ事業での「ニコニコ超会議2016」の赤字が拡大したことなどが減益の要因となった。一方、「Animelo Summer Live 2016 刻-TOKI-」※2の貢献で第2四半期(7-9月)のライブ事業は黒字化した。

※1 8月18日から「ニコニコ動画」に投稿可能な動画ファイルの容量を従来の100MB(プレミアム会員)から最大1.5GBへ拡大。11月1日よりニコニコ生放送を1Mbpsで高画質配信/視聴できる「新配信(β)」を提供開始。加えて、ニコニコ生放送配信専用アプリ(10月~)やニコニコチャンネルアプリ(11月~)をリリース。
※2 8月26日から28日の3日間、さいたまスーパーアリーナで開催された。3日間合計8万1,000人が来場した。

b)出版事業
出版事業の売上高は前年同期比11.0%増の53,744百万円、営業利益は同304.2%増の3,884百万円と増収増益となった。電子書籍・雑誌が市場規模の拡大に見合ったサービス提供により計画どおり好調を維持し、売上高、営業利益両面で出版事業の業績拡大のドライバーとなった。

市場が緩やかに縮小を続けている紙書籍ではライトノベル、コミックスが好調に推移。「Re:ゼロから始める異世界生活」、「文豪ストレイドッグス」、「この素晴らしい世界に祝福を」などのメディアミックス作品が好調を維持したほか、映画「君の名は。」関連書籍の売上が想定を上回ったことが、出版事業の売上高・利益の上振れ要因として働いた。一方、紙雑誌はこれまで雑誌事業で培ったリソース、ノウハウを活用したインキュベーション事業の展開を進め、事業構造の転換を図っている途中にある。

c)映像・ゲーム事業
映像・ゲーム事業の売上高は前年同期比12.6%増の21,555百万円と増収となったものの、営業利益は同9.6%減の1,311百万円と減益となった。売上高が増収となったのは、1)ゲームでは欧米地域における「DARK SOULSIII」の販売好調によるライセンス収入が続いた、2)アニメの動画配信など海外でのライセンスビジネスが拡大した、3)番組制作売上が増加した??などが要因として挙げられる。セグメント利益は前期に比べ映像パッケージのヒットタイトルの規模が小さかったことなどが減益要因として働いたもようだ。

d)その他事業
その他事業の売上高は同8.6%減の9,925百万円、営業損失587百万円(前年同期は営業利益71百万円)と減収、営業損失へ転落となった。トレーティングカードの販売が不振となったことなどに加えて、インバウンド事業や教育事業などの新規事業投資コスト負担が圧迫要因となったようだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )

《HN》

 提供:フィスコ

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