ムサシ Research Memo(5):17/3期2Qは増収大幅増益で着地
■業績動向
(1) 2017年3月期第2四半期決算の状況
ムサシ<7521>の2017年3月期第2四半期決算は、売上高18,299百万円(前年同期比7.0%増)、営業利益999百万円(同89.7%増)、経常利益1,058百万円(同79.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益692百万円(同85.0%増)と増収大幅増益となった。同社は10月25日に第2四半期予想及び通期予想を上方修正しており、決算数値はその線での着地となった。
期初予想との比較では、売上高は2.2%の未達となった。これは印刷材料や金融機関向け貨幣処理機の販売が低調だったことが主な要因だ。一方利益面では、営業利益が27.3%上回った。これは高採算の選挙関連機材の売上高が、参院選では予定どおりに推移したほか、予想に織り込んでいなかった東京都知事選からの収益が上乗せされたことが要因だ。
各事業セグメントの動向は以下のとおりだ。
a)情報・印刷・産業システム機材セグメント
このセグメントでは印刷システム機材事業の不振が目立った。同事業では印刷機器よりも消耗品の印刷材料の売上高が収益を左右するが、今第2四半期はここが不振で、セグメント営業損失を計上した。一方、メディアコンバート(文書デジタル化)事業は、採算性を重視した受注活動を行った結果、前年同期比減収となったが、需要自体は民需を中心に好調な状態が続いている。
b)金融汎用・選挙システム機材セグメント
収益源の選挙システム機材は前述のとおり好調に推移したが、金融汎用システム機材では、金融機関の設備投資抑制モードが継続し、貨幣処理機器の更新需要が想定を下回った。
c)紙・紙加工品セグメント
印刷業界全体の不振を受けて印刷用紙の販売は低調だったが、感光材料用の特殊包装紙や医薬品向け紙器用板紙の販売が好調で、前期比増収となった。利益面では選別受注や経費節減により増益を確保した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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提供:フィスコ