株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

2675ダイナック

業績
単位
-株
PER PBR 利回り 信用倍率
時価総額

銘柄ニュース

戻る
 

ダイナック Research Memo(4):直営ビジネスでは、都心部のオフィス街に多業態の店舗を超ドミナント展開が特長


■会社概要

3. 直営ビジネス
ダイナック<2675>の直営ビジネスの特徴はいくつかあるが、多業態・多ブランド展開戦略がまず特徴として挙げられる。同社がこの戦略を採用するのは、消費者にアピールする「ウリ」がある業態・店舗が好調である一方、総合的な業態・店舗は低調であることが背景にあるとみられる。消費者の嗜好の変化や流行にも敏感で、常に新業態・新ブランドの企画・開発・運営に余念がない。既存店舗の新業態への業態転換についても積極的だ。こうしたことが可能であるのは、上場企業として強固な財務基盤を有することと、約160店という多店舗を擁しているためと考えられ、ここに同社の強みがあるということができるだろう。

第2の特徴は立地だ。同社は都心部のオフィス街を中心に展開している点で特徴的だ。東京においては千代田・港・中央・新宿など、大阪においては梅田周辺などにそれぞれ集中的に出店している。郊外型店舗も各地域の中核都市や拠点駅の周辺、大型商業施設などの地域1等地への出店が基本となっている。

店舗にもいくつかの特徴がある。まず、ドリンクの比率が高い店舗・業態が多い。これはサントリーとの関係から言えば当然のことと言える。店舗のコンセプトとして、個人事業主の店舗や大手居酒屋チェーンなどと比較して食事やサービスの質でワンランク上の高付加価値型を追求している。また客層としては、都会のビジネスパーソンに代表される中間層を主たるターゲットにしている。こうした点が、中心価格帯が3,000円~5,000円という結果に如実に表れている。言うまでもないが、多業態型の特徴を生かし、例えば「響」は客単価を7,000円~10,000円と設定し、より高級志向の客や接待需要などの取り込みにも対応している。

同社の直営ビジネスにおいて新業態の開発が積極的に行われていることは前述のとおりだが、近年、その成長が著しい。同社の店舗の中では長らく、「響・燦」、「鳥どり」、「ローズ&クラウン」、「パパミラノ」が「主力4業態」として収益面での中核を形成してきた。しかしながら近年は、好調を続ける「魚盛」がトップ4の一角に食い込むまでに成長したほか、日本酒を前面に出した「虎連坊」やイタリアのマルケ州に特化したイタリアン「VILLA BIANCHI」も戦略的業態として順調な出店が続いている。

前述のように、顧客ターゲットをビジネスパーソンに絞り、都心部のオフィス街に多業態店舗をドミナント出店していることが同社の特長であり、強みだ。この強みは、後述するように「プレミアムフライデー」など社会情勢の変化を始め、顧客の嗜好や流行など様々な変化に対して、柔軟に対応しながら持続的な成長を実現していく大きな力になると弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《TN》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均