【特集】「1ドル111円台に円急伸、テクニカル分析で読むドル円の行方」外為どっとコム総研・川畑琢也氏に聞く!<直撃Q&A>
川畑琢也氏(外為どっとコム総合研究所 調査部シニアテクニカルアナリスト)
Q1 足もとの為替相場をどう分析していますか?
川畑 為替相場はテクニカル上の分岐点にあるとみている。足もとで2月7日の111円59銭の安値を抜いており、次の重要なポイントは週足の一目均衡表の雲の上限がある111円27銭となる。ここを割り込めばトレンドは下げ基調とみることもでき、次は心理的な抵抗線である110円。続いて一目均衡表の基準線である109円37銭となり、さらに昨年6月安値から12月高値の半値押しの108円73銭、200日移動平均線のある108円09銭となる。
Q2 逆に、上値を試す状況になった場合のポイントは?
川畑 上値を試す場合、112円回復はもちろん重要だが、20日移動平均線がある113円47銭がポイントとなる。113円半ばには一目均衡表の日足や週足の基準線や転換線があり、重要な価格帯だ。113円47銭を勢いよく抜けば、上値のメドは75日移動平均線がある114円50銭、一目均衡表の日足の雲の上限である115円12銭が焦点となる。113円47銭を抜けなければ、ここが戻り売りのポイントになるかもしれない。その場合、111円半ばから113円前半のレンジ相場を形成する可能性もあるが、このレンジは上値が重くどちらかというと下方圧力が強いものとなりそうだ。
Q3 今後の為替相場をみるうえでの注目点はどう見ていますか
川畑 今回のドル円相場の下落はトランプ政権の政策の先行き不透明感や北朝鮮など色々と言われているが、これといったはっきりしたものはなく、漠然とした不安が背景にある。来月以降は4月のフランス大統領選などへの注目度が高まりそうだが、当面はNYダウや米金利を睨みながらの展開となりそうだ。株価が下げ基調となれば、ドル円も下値不安が強まる可能性がある。
(聞き手・岡里英幸)
<プロフィール>(かわばた・たくや)
外為どっとコム総合研究所、調査部シニアテクニカルアナリスト。2000年東海大学教養学部国際学科卒業。複数の外国為替保証金取引会社にてディーリングや相場分析業務などを経験後、06年8月、外為どっとコム入社。資金為替部(ディーリング部門)、投資情報部(セミナー担当部門)を経て、10年2月同研究所入社。日本テクニカルアナリスト協会認定アナリスト。
出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)