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2303 ドーン

東証S
1,930円
前日比
-4
-0.21%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
17.3 2.50 1.04
時価総額 63.7億円
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ドーン Research Memo(7):ストック型ビジネスへの体質改革が基本戦略


■成長戦略

(1)クラウド比率の向上+保守比率の向上

システム開発においては所有から利用への流れの中で「クラウド」へのシフトが進行中である。顧客にとって初期投資が抑えられ、最新のシステムが利用でき、自前で運用・保守をする面倒もない。クラウド化の進展は、ドーン<2303>の収益改善にも大きく貢献してきた。2014年5月期に81百万円、全社売上高の13%だったクラウド利用料は、2年後の2016年5月期には176百万円と倍増し、全社売上高の23%まで上昇した。これと並行して営業利益は、2014年5月期に3百万円だったが、2016年5月期には108百万円と急拡大した。今後もクラウド売上比率を向上させていくことが、同社の基本戦略となる。
また、受託開発セグメントにおいても、運用サポート等を継続的に行う保守契約が増えており、ストック型の事業モデルへの体質改革を今後も推進する方針だ。

(2)クラウド型「緊急通報システムNET119」

同社の代名詞ともなっているのが「緊急通報システムNET119」である。このサービスは 2010年に提供を始めた前身の「緊急通報システムWeb119」をリニューアルしたもので、聴覚や発話に障がいのある方のための緊急通報システムとして、スマートフォン・携帯電話のインターネット接続機能を利用して、簡単に素早く119番通報することができる。急病やケガ、地震災害や火災などの緊急時に、自宅からの通報はもちろん、GPS機能を利用しているため外出先からも通報でき、受信側はすぐに居場所を特定できる。操作性の良さやシステムとしての信頼性の高さが評価され、現在では全国の自治体・消防団体で広く普及している。神戸市や川口市を始め多くの自治体で導入されており、2015年12月には東京消防庁で稼働が開始されている。全国の自治体への横展開を想定すると潜在市場は大きい。クラウド型サービスであり、顧客である自治体にとっては自前で運営する場合と比較してコストが安く運営の手間もかからない。ちなみに料金体系は、消防の管轄人口に応じた月額利用料を支払う方式だ。

(3)クラウド型「災害情報共有システム」

新たな働きとしては、クラウド型「災害情報共有システム」が、災害対策に力を入れる自治体の反響が大きい。このシステムは、大規模災害時に被害情報等を収集・一元管理し、災害対策本部の意思決定や避難所とのコミュニケーションを支援するシステムである。具体的には災害初動期において、職員の参集・被害報告・救援物資在庫入出庫・避難者数集計などの支援をする。メイン画面は地図になっており、すべての情報がこの画面から遷移することなく閲覧・更新でき、非常にシンプルな設計になっている。これらの”迷子にならない”習熟不要な”工夫は、大半の職員が災害時のみに使用するという点に配慮したものである。
先の熊本地震において、支援物資の避難所への分配に問題が発生したことは記憶に新しい。全国の自治体にとって、災害時の初動期の情報管理と意思決定は重要な課題である。既に複数の自治体で、同システムの実証実験が行われ、その有効性は検証されている。同社の主力サービスである「緊急通報システムNET119」に次ぐ全国規模のサービスへの飛躍が期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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