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【特集】高橋春樹氏【最悪期は過ぎたのか? 見え始めた“良化の種”】(2) <相場観特集>

高橋春樹氏(三木証券 執行役員 商品本部長)

―“Xデー”通過で大幅反発、これは“Wボトム”の確認待ちなのか―

 週明け11日の日経平均株価は急反発となった。有事リスクが懸念された9日の北朝鮮の建国記念日だったが、ミサイルは発射されず足もとの投資家心理が改善、空売り筋の買い戻しを絡め全般は戻り相場の色を強めている。しかし、北朝鮮を巡る地政学リスクはくすぶり続けている。実需買いが継続するような地合いともいえず、戻り一巡後の全体相場の動向が気になるところ。投資家はここでどう対応すべきか。相場の先読みに長けるベテラン市場関係者2人に今後の東京市場の見通しを聞いた。

●「日経500種指数の年初来高値肉薄に注目」

高橋春樹氏(三木証券 執行役員 商品本部長)

 北朝鮮を巡る地政学リスクが持続しているあいだは、警戒感が全体相場の頭を抑えるような地合いを覚悟しなければならない。ただ。そうしたなかにあっても、相場上昇への転換を示唆するような兆しが複数観測されている。

 例えば、(1)信用取引の評価損率が高水準となってきている、(2)8月第5週(8月28日~9月1日)の投資部門別売買状況で、海外投資家による日本の現物株と先物合計の売買が928億円と7週間ぶりに買い越し(前週は3309億円の売り越し)に転じてきた、(3)先週末の国際商品市場で、上昇を続けていた銅の価格が下落に転じた、(4)日本の主力輸出関連企業の想定為替レートの平均とされる1ドル=108円30銭水準よりも、やや円安状態での推移となっている――などのシグナルが観測されている。

 さらに、日経500種平均株価の値動きに注目している。日経500種の年初来高値は、取引時間中ベースで8月7日の1950.80、終値ベースでは同日の1946.66となっている。きょう11日には、取引時間中には1950.09まで上昇し、終値も1945.33と、500種指数は年初来高値に肉薄する堅調さをみせている。

 今後の物色対象としては、きょう年初来高値を更新しているような株価が頑強に推移している銘柄に焦点を絞りたい。例えば、FAロボット関連機械セクター化粧品などの内需株、衣料・食品・外食といった専門店チェーンなどに注目したい。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(たかはし・はるき)
1977年岡山大学法文学部卒業・第一証券入社。1999年第一証券エクイティ部長兼投資運用部長、2005年三菱UFJ証券エクイティ部長、2011年三木証券投資情報部長。

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