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【注目】前週末14日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

TONE <日足> 「株探」多機能チャートより

■TONE <5967>  461円 (+80円、+21.0%) ストップ高

 作業用工具大手のTONE <5967> [東証2] がストップ高、年初来高値を更新した。同社は13日に決算を発表。17年5月期の連結経常利益が前の期比50.3%増の14.1億円に拡大し、従来計画の10.3億円を大幅に上回って着地したことが買い材料視された。東京五輪を控え、今後本格化する鉄骨土木建築の増加に備えて、機器類製品を中心に在庫を積み増したことによる増産効果が製造原価低減につながった。また、滞留在庫の評価減が減少したことも利益上振れの要因となった。併せて発表した18年5月期は前期比16.8%減の11.8億円に減る見通しだが、同社は期初予想を保守的に計画する傾向があり、今期計画よりも前期の業績上振れを好感する買いが向かった。

■ラピーヌ <8143>  1,028円 (+150円、+17.1%) ストップ高

 婦人アパレル中堅のラピーヌ <8143> [東証2] が3日連続でストップ高に買われ、株価は15年12月以来、2年7ヵ月ぶりの高値圏に浮上した。同社は11日に決算を発表。18年2月期第1四半期(3-5月)の連結経常利益が前年同期比3.6倍の2億5600万円に急拡大して着地したことが好感された。不採算取り引きの見直しが奏功し、卸売事業の利益率が急改善したことが寄与。出店拡大などで2ケタ増収を達成した小売事業の黒字化も大幅増益に貢献した。上期計画は9000万円の赤字を見込んでおり、業績上振れを期待する買いが続いた。

■ソケッツ <3634>  2,404円 (+334円、+16.1%)

 ソケッツ <3634> [東証M]が急反発。LINE <3938> が14日、クラウド人工知能(AI)プラットフォーム「Clova」を搭載したスマートスピーカー「WAVE(ウェーブ)」の先行体験版について、14日から予約受付を開始しており、関連銘柄として買われたようだ。「WAVE」の先行体験版は音楽機能に絞ったもので、今秋の正式版の発売にあわせてアップデートを行うことで、通常版と同等の機能が利用できるようになるという。ソケッツでは、LINEの音楽サービス「LINE MUSIC」にソケッツが保有するデータベースを活用した、ユーザー個人ごとに最適化した選曲を行うパーソナライズ、レコメンドサービスを提供しているほか、AIスピーカーへの注力を方針として打ち出しており、注目が集まっている。

■SFP <3198>  1,610円 (+141円、+9.6%)

 SFPホールディングス <3198> [東証2]が急反騰。同社は13日に決算を発表。18年2月期第1四半期(3-5月)の連結経常利益が前年同期非連結比23.1%増の11.5億円に伸びて着地したことが買い材料視された。主力の海鮮居酒屋「磯丸水産」1店舗、手羽先店「鳥良商店」4店舗を新規出店したほか、前期出店した店舗の通期寄与などで、6.5%の増収を達成したことが寄与。上期計画の17.7億円に対する進捗率は65.0%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。併せて、発行済み株式数(自社株を除く)の1.02%にあたる30万株(金額で6億円)を上限に自社株買いを実施すると発表。買い付け期間は7月14日から10月12日まで。なお、今回取得する自社株すべてと現在保有の30株を10月13日付で消却する。これを受け、株主還元を好感する買いも向かった。

■WSCOPE <6619>  2,170円 (+161円、+8.0%)

 東証1部の上昇率4位。ダブル・スコープ <6619> が大幅続伸したほか、戸田工業 <4100> 、田中化学研究所 <4080> [JQ]、昭和電工 <4004> 、関東電化工業 <4047> 、ステラ ケミファ <4109> などリチウムイオン電池関連株が軒並み高。ここにきて「世界的に電気自動車(EV)普及の思惑が高まるなか、リチウムイオン電池関連株に物色の矛先が向いており、東京市場にも波及してきた」(準大手証券ストラテジスト)という。中国では国家戦略としてEVの普及を推進、スウェーデンのボルボは2019年以降に発売する全車をEVもしくはハイブリッド車にする方針を発表したほか、直近、フランス政府はガソリン車の販売禁止を打ち出すなど、世界中でEV車シフトへの動きが加速している。その動力源であるリチウムイオン電池の需要拡大への思惑も一気に高まっており、関連銘柄に集中的に物色資金が集まった。

■S Foods <2292>  4,320円 (+285円、+7.1%)

 東証1部の上昇率5位。S Foods <2292> が3日ぶり急反発。同社は13日取引終了後、18年2月期の第1四半期(3-5月)連結決算を発表。売上高は753億900万円(前年同期比9.9%増)、営業利益は27億5500万円(同14.9%増)、最終利益は21億6300万円(同63.3%増)だった。食肉などの製造・卸売事業は、グループの中核事業であり、特に家畜の生産や一次加工を担う川上部門は競争力の源泉と捉え、効率的な事業運営を継続することを目指している。また、代表ブランドである「こてっちゃん」については、焼肉シーズンの到来に合わせて主要都市を中心にテレビCMを投入し、販売促進を進めた。さらに、首都圏での営業力強化を図るため千葉県船橋市で製造・卸・流通機能を統合した拠点開発を進めている。食肉などの小売事業では、イベント型の提案販売や、レイアウト再構築などの既存店活性化を継続実施したほか、生産性向上のために作業工程の見直し、適正な人員配置のためのシフトコントロールを強化した。また既存店の改装や不採算店の閉鎖、新規ディベロッパーとの取り組みによる新店開発や、新業態での新規出店など、各種施策を推進した。食肉などの外食事業では、ステーキレストランチェーン事業および焼肉・しゃぶしゃぶチェーン事業で、メニューの考案や不採算店対策など、競争力向上のための施策を実施した。なお、業績予想は従来見通しを据え置いた。通期業績は売上高3100億円(前期比10.2%増)、営業利益115億円(同9.0%増)、最終利益70億円(同7.7%増)を見込んでいる。

■オルトP <3672>  1,263円 (+83円、+7.0%)

 東証1部の上昇率6位。オルトプラス <3672> が急反発。同社とKADOKAWA(東京都千代田区)アスキー・メディアワークスおよびscopes(東京都豊島区)が先月8日に配信開始した「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」(略称:ゆゆゆい)が14日、GooglePlayのゲーム売上ランキングで39位から25位に上昇しており、初のトップ30入りを果たしたことが好感された。「ゆゆゆい」は、大ヒットアニメ「結城友奈は勇者である」をはじめとする「勇者である」シリーズの世界を包括した、シリーズ初のスマートフォンゲーム。7月7日から勇者ガチャに「風格ある振る舞い 三ノ輪銀」や「ためらう気持ち 秋原雪花」「思いやり 伊予島杏」を新たに登場させたことなどが奏功し、ランキングをアップさせたようだ。

■サムティ <3244>  1,500円 (+70円、+4.9%)

 サムティ <3244> が5連騰し、連日で年初来高値を更新した。同社は10日午前、今期業績予想と配当の上方修正を発表しており、これを好材料視する買いが続いた。不動産事業における物件売却価格が上振れたことなどを踏まえ、17年11月期の連結経常利益を従来予想の72億円→80億円に11.1%上方修正。増益率は6.1%増→17.9%増に拡大し、従来の2期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。業績上振れに伴い、期末一括配当を従来計画の36円→42円(前期は33円)に増額修正した。

■ハーモニック <6324>  4,295円 (+195円、+4.8%)

 ハーモニック・ドライブ・システムズ <6324> [JQ]が続伸、ここ高値圏で売り物をこなしていたが、25日移動平均線を足場に上値慕いの動きを強めており、6月5日につけた上場来高値4205円を更新した。同社が13日に発表した18年3月期1四半期(4-6月)単独売上高は前年同期比29%増の83億5200万円、受注高は同2.8倍の179億8500万円だった。どちらも四半期ベースで過去最高を記録、これを好感する買いを呼び込んだ。

■Ubicom <3937>  3,265円 (+145円、+4.7%)

 Ubicomホールディングス <3937> [東証M]が反発。14日、子会社エーアイエスが、医療機関向けデータ分析エンジン「Mighty Checker Data analysis」(マイティーチェッカー・データ・アナリシス)を発表しており、これを好材料視した買いが入った。7月12日から14日まで、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催中の「第44回国際モダンホスピタルショウ2017」で主力製品である医療機関向けレセプトチェックシステム「Mighty Checkerシリーズ」の新たなラインアップとして発表。レセプトや査定データを中心とした最新のデータ分析機能を有しており、医療機関の現状の課題をグラフや表を用いて表現することにより、経営支援に貢献するという。

■DMG森精機 <6141>  1,918円 (+70円、+3.8%)

 DMG森精機 <6141> やオークマ <6103> 、牧野フライス製作所 <6135> など工作機械株が高い。14日の為替は1ドル=113円半ばと円安水準にあり、特にユーロは1ユーロ=129円半ばと昨年2月以来、1年5ヵ月ぶりのユーロ高・円安水準となった。欧州向け比率が高いDMG森精機などにとって、対ユーロでの円安は業績面のプラス要因となる。日本工作機械工業会が発表した6月の工作機械受注速報は、受注総額が前年同月比31.1%増と7ヵ月連続のプラスと好調なことも評価されている。

■夢の街創造 <2484>  1,187円 (+37円、+3.2%)

 夢の街創造委員会 <2484> [JQ]が4日ぶり反発。13日、同社が株主優待制度を新設すると発表したことが買い材料視された。毎年8月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、保有期間に応じて、 出前仲介サイト「出前館」で利用できる金券を3000円~5000円分贈呈する。発表を受けて、株主還元の拡充を好感する買いが向かった。

■gumi <3903>  1,525円 (+46円、+3.1%)

 gumi <3903> が反発し年初来高値を更新。13日の取引終了後、連結子会社gumi VRが、米ゲーム開発会社のインザイル・エンターテインメント(カリフォルニア州)に総額450万ドルのエクイティ出資およびプロジェクト出資を実行したと発表しており、これを好材料視した買いが入ったようだ。今回の出資は、インザイル社との戦略的な提携を図ることで、gumiグループのVR領域における事業展開を加速させるのが狙い。インザイル社では、同出資金の活用により全プラットフォームにローンチ予定のオープンワールドサバイバルRPGVRゲーム(現在非公開)の開発を実施する予定だという。

■三井金属 <5706>  483円 (+14円、+3.0%)

 三井金属 <5706> が3日ぶりに反発し年初来高値を更新した。13日の取引終了後、フレキシブル基板用電解銅箔の生産能力を従来比で20%増強すると発表しており、業績への寄与を期待した買いが入ったようだ。同社のフレキシブル基板用電解銅箔は、スマートフォン市場の成長と高機能化を背景に販売量が大幅に増加している。この需要に対応するために主力工場であるマレーシア工場の遊休表面処理設備を2ライン刷新することで生産体制を従来比で20%増強し、8月から順次稼働を開始するとした。

■UT <2146>  2,028円 (+54円、+2.7%)

 UTグループ <2146> [JQ]が8連騰、未踏の2000円台乗せを果たし連日の上場来高値更新となった。同社は半導体業界向けなどを主力とする人材派遣会社で業績は大幅な増収増益トレンドを続けており、株価も上値追い態勢が継続している。13日、製品ライフサイクル管理(PLM)ソフトを提供するシーメンス社とパートナー契約を締結、製造業界の第4次産業革命に向けIoTやPLMソリューションの導入支援などを推進していくことを発表、これが株高を後押しした。

■リミックス <3825>  1,200円 (+25円、+2.1%)

 リミックスポイント <3825> [東証M]が3日ぶり反発。同社は14日、子会社のビットポイントジャパンが韓国のFXシステムトレード会社の「Sys&Tech(シスエンテク)」と業務提携したと発表。これが材料視されたようだ。ビットポイントジャパンとシスエンテクは、日本円で5000万円相当の合弁会社(出資比率はシスエンテク80%、ビットポイントジャパン20%)を設立し、9月末をメドに韓国で仮想通貨取引所を展開する予定。また、これにとどまらず、韓国の財閥系企業を提携先として巻き込み、韓国国内における商業施設などでの仮想通貨 決済の促進などを進めるとしている。

■明電舎 <6508>  396円 (+8円、+2.1%)

 明電舎 <6508> が3日ぶりに反発。13日の取引終了後、インド子会社を通じてインドのアンドラ・プラデーシュ州電力会社へ400キロボルト315メガボルトアンペアの変圧器を出荷したと発表しており、この実績を背景にした今後のインド電力市場への事業拡大を期待した買いが入ったようだ。同製品は、明電グループで製造する変圧器では最大電圧クラス。400キロボルト変圧器は、インド子会社から州電力会社への初出荷となるほか、今年3月に定格容量270メガボルトアンペアを発電会社に初納入したことに続いて2台目の実績となり、今後の超高圧大形変圧器の拡販が期待されている。

■TDK <6762>  7,610円 (+130円、+1.7%)

 TDK <6762> が続伸。為替の円安進行に加え、米アップルのiPhone向け受注拡大に対する期待も強まった。また、岩井コスモ証券は13日、同社株の目標株価を8000円から8500円に引き上げた。投資判断は「B+」を継続した。同社の今期想定為替レートは1ドル=108円、1ユーロ=118円と保守的な水準に置かれている。また、高採算だった高周波部品事業を前期に売却した影響で18年3月期の業績は減益見通しだが、この影響を考慮すれば、今期は実質的には増益基調と好調だ。同証券では、今3月期の連結営業利益は会社予想800億円に対し900億円(前期比57%減)と予想。2019年3月期は同1000億円への増益を見込んでいる。

■松竹 <9601>  1,425円 (+24円、+1.7%)

 松竹 <9601> が続伸。14日午後2時、18年2月期の第1四半期(3-5月)連結決算を発表。売上高は248億8700万円(前年同期比5.8%増)、営業利益は24億2600万円(同11.0%増)、最終利益は10億6600万円(同8.8%減)だった。映画配給は、「PとJK」などがティーンの女性を中心に支持を集めヒットした。5月には「家族はつらいよ2」が公開され好評を得た。興行は、当社配給作品の他、「美女と野獣」などのヒット作品を上映し収益に貢献した。一方、歌舞伎座は、「三月大歌舞伎」「團菊祭五月大歌舞伎」を中心に好成績を収めた。新橋演舞場「滝沢歌舞伎 2017」、大阪松竹座「関西ジャニーズJr.春のSHOW合戦」「五月花形歌舞伎」などが高稼働した。そのほか、4月の赤坂ACTシアター「赤坂大歌舞伎」や明治座「五月花形歌舞伎」を軸に収益に貢献した。業績予想は従来見通しを据え置いた。通期業績は売上高947億9000万円(前期比1.4%減)、営業利益54億5000万円(同27.7%減)、最終利益25億円(同32.6%減)を見込んでいる。

■ヤマハ <7951>  4,065円 (+55円、+1.4%)

 ヤマハ <7951> が上伸。同社は14日、東京医科歯科大学と生体センシング技術を活用した幅広い共同研究を開始すると発表した。両者は今年4月1日に締結した包括連携協定に基づき、研究テーマの検討を行ってきたが、このほどテーマが決定し、臨床(医学・歯学)を含めた共同プロジェクトを開始する。具体的には、ヤマハが持つ高感度センサーを用いて、血流や呼吸音などさまざまな生体音・生体振動を測定する検査装置を開発する目的で研究ファンドプログラムを設定し、両者の特色を生かした未来の医療機器および、それらを用いた診断方法の開発に向けた基礎・臨床研究を進めるとしている。

■フリュー <6238>  1,309円 (+17円、+1.3%)

 フリュー <6238> が反発。14日、新たなiOS/Android端末向けアプリとして、オタクガールズRPG「ぱすてるメモリーズ」を今秋に提供開始すると発表しており、新タイトルへの期待から買いが入ったようだ。「ぱすてるメモリーズ」は、今より少し未来の20XX年、かつては「オタクの聖地」と呼ばれていたが、なぜかオタク文化が衰退してしまった街「アキハバラ」を舞台にしたゲーム。プレイヤーは「アキハバラ」に残された数少ない「オタクショップ」の店長となり、店に集まるさまざまな「オタク」の才能を育む女の子たちとともに、何者かによって人々の心の中から奪われた「思い出」を取り戻すため、謎の敵との戦いを繰り広げるという。なお、14日からティザーサイトおよびティザームービーを公開し事前登録を開始している。

■ガイシ <5333>  2,267円 (+29円、+1.3%)

 日本ガイシ <5333> が3日ぶりに反発。13日の取引終了後、東京電力ホールディングス <9501> から東京電力福島第一原子力発電所向けに「増設雑固体廃棄物焼却設備」を受注したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回受注した増設雑固体廃棄物焼却設備は、福島第一原子力発電所構内で復旧作業に伴い発生した伐採木と、がれき類のうち紙やプラスチックなどの可燃性低レベル放射性廃棄物を焼却し、減容する設備。なお、2020年度の竣工を予定しているという。

■ミネベア <6479>  1,898円 (+24円、+1.3%)

 ミネベアミツミ <6479> が続伸。スマートフォン向けLEDバックライトは米国向け新モデル向けの生産が好調に推移している。中期的には有機ELディスプレーの採用に伴い需要減は免れないとみられるが、一方で、ミツミ事業として展開するスマホカメラ用アクチュエーター(手振れ補正部品)が好調。ゲーム機向けカメラモジュールも高水準の需要を捉えており、18年3月期営業利益は前期比14%増の560億円と2ケタ増益を見込むが、「35億円程度の上振れ余地がある」(国内中堅証券情報部)との指摘もある。

※14日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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