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【注目】前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

出光興産 <日足> 「株探」多機能チャートより

■出光興産 <5019>  2,766円 (-70円、-2.5%)

 出光興産 <5019> が後場下げ幅を拡大し年初来安値を更新。3日の取引終了後に国内外で約4800万株を発行し、最大で約1380億円を調達する公募増資を発表しており、12日から発行価格決定期間に入ったことから、神経質な値動きとなった。調達資金は、関連会社や海外子会社の投融資資金、有機EL材料関連製造装置などの設備投資などに充てるが、同時に現在約34%を保有する創業家の持ち株比率は約26%に低下することになる。昭和シェル石油 <5002> との合併に反対する創業家は増資に対して、新株発行差し止めの仮処分を申し立てている。この発行差し止めの訴訟の行方を含め、今回の増資の成否は昭和シェルとの合併に向けての大きな分岐点となるとみられており、市場はその動向を注視している。

■ビルファンド <8951>  552,000円 (-14,000円、-2.5%)

 東証REIT指数が4日続落で連日の年初来安値。年初からの下落率は10%を超え、下値を探る展開となった。個別では日本ビルファンド投資法人 <8951> [東証R]やジャパンリアルエステイト投資法人 <8952> [東証R]が新安値に売られた。毎月分配型投信が長期投資に適した複利の効果が得られないと問題視され同投信の設定が減るなか、REIT市場への資金流入が細っている。また、欧米市場で長期金利が上昇基調にあり、日本の金利も上値を探る動きにあるなか、高利回りを売り物とするREITへの投資の魅力は相対的に低下しているとの見方もある。

■三菱UFJ <8306>  738.4円 (-13円、-1.7%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> や三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> などメガバンクが値を下げた。11日の米10年債利回りは2.36%に下落。米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げ観測などを背景に足もとの米金利は上昇していたが、米トランプ政権の「ロシアゲート」懸念が再燃したことを受け、ニューヨーク市場ではリスクオフ姿勢から米長期金利が低下した。これに伴い、利ザヤ改善の期待が後退した米銀行株が下落しており、日本でもメガバンクへ売りが先行した。

※12日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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