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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

アジア航 <日足> 「株探」多機能チャートより

■タカタ <7312>  75円 (+30円、+66.7%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。タカタ <7312> がストップ高。同社は6月26日に、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請し、東京証券取引所は7月27日付で同社株を上場廃止とすると発表している。これを受けて同社の株価は7月7日には一時15円まで下落したものの、その後は上昇に転じた。市場関係者からは「値動きの激しさだけに注目した一部の投機筋が短期間の売買で利益を獲得しようとする動きに出ているようだ。個人投資家の不用意な参入は慎むべき」との見方がでていた。

■アジア航 <9233>  1,643円 (+600円、+57.5%) ストップ高

 アジア航測 <9233> [東証2]が5日連続のストップ高。東証が11日、アジア航測株について12日から信用取引の日々公表銘柄指定と制限値幅の拡大(上限のみ600円)を実施すると発表したものの、買い意欲は旺盛のままだ。動意を見せる前の5日終値543円に比べて、5日間で約3倍の急騰をみせた。株価上昇の手掛かり材料とされたのは、同社がトヨタ自動車 <7203> と共同出願していた「ナビ情報提供システムおよびナビ情報提供装置」に関する特許について、6日に公開されたこととされている。また、同社は5日に、ドローンによる写真測量のためのクラウド型3Dモデリングサービスを今月上旬にも開始すると発表しており、これも買い手掛かりとなったようだ。また、今回の九州北部豪雨災害に関連して、今後のこうした自然災害対策や復旧工事に貢献する、同社の航空撮影やデータ解析、測量技術にも改めて注目が集まったようだ。

■エンシュウ <6218>  168円 (+50円、+42.4%) ストップ高

 東証1部の上昇率2位。エンシュウ <6218> がストップ高。同社は11日引け後、トヨタ自動車 <7203> と共同開発したレーザークラッドバルブシート加工機の納入および立ち上げが完了し、量産を開始したことを発表した。トヨタの新世代TNGAエンジン量産ラインに納入する。株価は11日終値時点で118円と低位株物色人気にも乗りやすく、これを材料視する格好で投機資金が一気に流入した。

■グッドコムA <3475>  1,411円 (+300円、+27.0%) ストップ高

 グッドコムアセット <3475> [JQ]がストップ高。11日、同社が9月30日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施すると発表したことが買い材料視された。最低投資金額が現在の2分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。併せて、株主優待制度を新設すると発表。毎年10月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、2000円分のクオカードを贈呈する。

■ラピーヌ <8143>  728円 (+100円、+15.9%) ストップ高

 婦人アパレル中堅のラピーヌ <8143> [東証2] がストップ高。同社は11日に決算を発表。18年2月期第1四半期(3-5月)の連結経常利益が前年同期比3.6倍の2億5600万円に急拡大して着地したことが買い材料視された。不採算取り引きの見直しが奏功し、卸売事業の利益率が急改善したことが寄与。出店拡大などで2ケタ増収を達成した小売事業の黒字化も大幅増益に貢献した。上期計画は9000万円の赤字を見込んでおり、業績上振れを期待する買いが殺到した。

■ディップ <2379>  2,604円 (+268円、+11.5%)

 東証1部の上昇率3位。ディップ <2379> が続急騰。11日の取引終了後に発表した第1四半期(3-5月)単独決算が、売上高98億1500万円(前年同期比19.9%増)、営業利益25億8500万円(同17.1%増)、純利益18億1000万円(同24.3%増)と2ケタ営業増益だったことが好感された。求人需要の高まりが継続したことを受けて、「バイトル」「はたらこねっと」などのメディア事業が好調に推移し業績を牽引した。積極的な人材投資や広告宣伝投資を行ったものの、売上高の増加や一部費用を第2四半期以降に繰り越したこともあり、2ケタ増益を確保した。なお、18年2月期通期業績予想は、売上高380億円(前期比14.5%増)、営業利益105億円(同15.1%増)、純利益70億2300万円(同13.9%増)の従来見通しを据え置いている。

■エヌピーシー <6255>  233円 (+23円、+11.0%)

 エヌ・ピー・シー <6255> [東証M]が急騰。11日、同社が17年8月期の連結経常利益を従来予想の3億4300万円→4億6400万円に35.3%上方修正。増益率が4.2倍→5.7倍に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。太陽電池関連装置の大型案件の売上計上が来期にずれ込み、売上は計画を下回るものの、原価低減の進展や利益率の高い案件などが寄与し、採算が大きく改善する。

■北興化 <4992>  578円 (+56円、+10.7%)

 東証1部の上昇率4位。北興化学工業 <4992> が4連騰。同社は11日に決算を発表。17年11月期上期(16年12月-17年5月)の連結経常利益が前年同期比52.6%増の33.8億円に拡大して着地したことが買い材料視された。製造原価の低減や販管費の減少で主力の農薬事業の採算が改善したことが寄与。受取配当金の増加に加え、為替損益が縮小したことも増益に大きく貢献した。通期計画の29億円をすでに16.7%も上回っており、業績上振れを期待する買いが向かった。併せて、発行済み株式数(自社株を除く)の2.3%にあたる62万5000株(金額で3億円)を上限に自社株買いを実施すると発表。買い付け期間は7月12日から18年7月11日まで。これを受け、株主還元の拡充を好感する買いも向かった。

■パルHD <2726>  3,170円 (+297円、+10.3%)

 東証1部の上昇率5位。パルグループホールディングス <2726> が続急騰。同社は11日に決算を発表。18年2月期第1四半期(3-5月)の連結経常利益が前年同期比58.3%増の25.7億円に拡大して着地したことが買い材料視された。衣料店10店舗、雑貨店15店舗を新規出店したほか、機動的な商品投入が奏功し、6.2%の増収を確保。生産と在庫管理の適正化を進めたことで採算が改善したことも大幅増益に貢献した。上期計画の33.9億円に対する進捗率は75.8%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。

■ダイト <4577>  2,712円 (+251円、+10.2%)

 東証1部の上昇率6位。ダイト <4577> が続急騰し、年初来高値を更新した。同社は11日に決算を発表。17年5月期の連結経常利益は前の期比4.4%増の38.7億円で着地。続く18年5月期も前期比7.0%増の41.5億円に伸び、5期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。今期は後発医薬品の販売拡大に加え、一部高薬理活性製剤の製造受託が増加する製剤分野の売上高が2ケタ伸びる見込みだ。高薬理研究開発センターの竣工に伴う減価償却費の増加や研究開発費の増加を吸収し、5期連続の増益を狙う。併せて、抗がん剤向けなどで市場拡大が見込まれる高薬理製剤の製造棟を新設すると発表した。投資予定額は35億円。

■ハニーズHD <2792>  1,306円 (+111円、+9.3%)

 東証1部の上昇率7位。婦人服製造小売り大手のハニーズホールディングス <2792> が3連騰。同社は11日に決算を発表。17年5月期の連結経常利益は前の期比64.8%増の18.9億円に伸びて着地。続く18年5月期も前期比58.4%増の30億円に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。今期は国内で引き続きアセアン生産を武器に低価格・高品質な商品を投入し、既存店ベースで2%増収を見込む。一方、中国では不採算店舗を徹底的に閉鎖し、95店舗の純減を計画する。

■北野建設 <1866>  353円 (+28円、+8.6%)

 東証1部の上昇率8位。北野建設 <1866> が急反発。11日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の5.6%にあたる350万株(金額で10億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は7月18日から12月29日まで。

■レナウン <3606>  171円 (+12円、+7.6%)

 東証1部の上昇率9位。レナウン <3606> が急反発。継続的な資金流入で売買高も増勢、テクニカル的にも6月16日に上ヒゲでつけた戻り高値167円を払拭して中期上昇トレンド入りを示唆している。18年2月期業績はネット通販の強化などにより経常利益段階で前期比3.3倍の5億円を見込んでいる。「最近は中国の対日投資が活発化し、インバウンド需要も復活傾向にあるなかで、中国企業(山東如意)の傘下企業である同社に思惑が高まっている面もあるようだ」(市場関係者)と指摘する声もあった。

■カナミックN <3939>  7,280円 (+500円、+7.4%)

 カナミックネットワーク <3939> [東証M]が3日続伸。11日、同社が7月31日現在の株主を対象に1→3の株式分割を実施すると発表したことが買い材料。最低投資金額が現在の3分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。

■ツガミ <6101>  872円 (+28円、+3.3%)

 ツガミ <6101> や牧野フライス製作所 <6135> 、DMG森精機 <6141> など工作機械株が値を上げた。日本工作機械工業会が11日に発表した6月の工作機械受注速報によると、受注総額は1430億1000万円と前年同月に比べ31.1%増と7ヵ月連続のプラスだった。昨年の年末以降、工作機械受注は回復基調を強めているが、このトレンドはなお続くとみられることから、同関連株には見直し買いが流入した。

■オンコセラピ <4564>  268円 (+8円、+3.1%)

 オンコセラピー・サイエンス <4564> [東証M]が続伸。12日、がん遺伝子の大規模解析検査ならびにがん免疫療法の研究開発を行う子会社を設立すると発表しており、これが好材料視された。新会社Cancer Precision Medicine(以下「CPM社」)は、次世代シークエンス解析サービスを行っている韓国テラゼン・イーテックス(TE)社と合弁で設立。同社の事業部門であり、オンコアンチゲンをはじめとしたがん免疫療法の研究開発や、最先端の取り組みとして次世代シークエンサーを用いてT細胞/B細胞受容体の解析サービスを行っている腫瘍免疫解析部について会社分割(簡易分割)をし、CPM社に事業を承継させるとしている。

■サイゼリヤ <7581>  3,405円 (+100円、+3.0%)

 サイゼリヤ <7581> が3日続伸。同社は11日に決算を発表。17年8月期第3四半期累計(16年9月-17年5月)の連結経常利益が前年同期比39.8%増の86.1億円に拡大して着地したことが買い材料視された。消費者の節約志向が続くなか、低価格戦略が奏功し国内既存店売上高が前年同期を2.9%上回ったことが寄与。円高による輸入コストの低下に加え、中国の税制変更による営業利益率の改善も大幅増益に貢献した。併せて、発行済み株式数(自社株を除く)の0.60%にあたる30万株(金額で10億円)を上限に自社株買いを実施すると発表。これを受け、株主還元の拡充を好感する買いも向かった。

■ハピネット <7552>  2,002円 (+44円、+2.3%)

 ハピネット <7552> が反発。12日、子会社マックスゲームズが「ニンテンドースイッチ」関連商品を7月21日から順次発売すると発表しており、これを好感した買いが入った。今回発売するのは、「ニンテンドースイッチ」専用のスプラトゥーン2仕様のゲームカードケースや、スタンド付きカバーなど。また、マックスゲームズでは7月13日より順次、「Newニンテンドー2DS LL」の関連商品を発売すると発表しており、あわせて業績への貢献が期待された。

■Vテク <7717>  19,690円 (+350円、+1.8%)

 ブイ・テクノロジー <7717> 、平田機工 <6258> がいずれも4連騰と上値追い基調を強めたほか、アルバック <6728> は6連騰で25日移動平均線を上抜くなど、有機EL関連株の戻り足が鮮明だ。有機ELは、ポスト液晶の最有力候補として次世代ディスプレーの地位を既に不動のものとしているが、米アップルが発売予定にある次世代iPhoneではディスプレーに有機ELを採用する方針が伝わっており、これを受けて世界的に有機EL関連株に投機資金が流入した。Vテクは有機EL蒸着プロセスで必須であるファイン・ハイブリッド・マスク(FHM)を手掛け、高水準の受注を確保している。また、平田機工は特定有機ELディスプレー製造装置メーカー向け真空チャンバーの受託製造を行う。有機EL向けフラットパネルディスプレー製造装置を手掛けるアルバックも注目度が高い。

■明光ネット <4668>  1,501円 (+21円、+1.4%)

 明光ネットワークジャパン <4668> が3日続伸、年初来高値に買われた。同社が11日取引終了後に発表した17年8月期第3四半期累計(16年9月-17年5月)の連結決算は、売上高が140億2800万円(前年同期比7.3%増)、営業利益は17億4300万円(同76.2%増)、最終利益は14億5800万円(同9.8倍)と高変化を示した。新規校の開校で生徒数の増加が収益に寄与しており、広告宣伝費などコスト削減努力も実った形だ。これを好感する買いが株価を押し上げた。

※12日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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