【市況】今週の【早わかり株式市況】 1年半ぶり9連騰と“トランプ相場”続く、急速な円安と欧米株高が牽引
日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより
今週の株式市場は、急速な円安進行と欧米株高を追い風に、日経平均株価は1年半ぶりの9日続伸、7日連続の年初来高値更新と騰勢が続き、1万9400円台を回復した。
週初の12日は前週末の欧米株高と円安進行でリスク選好が強まり、日経平均は5日続伸。今年初めて終値ベースで1万9000円大台を回復した。
翌13日は朝方こそ円安が一服したことで利益確定売りに押されたが、下値への買い意欲が強く売り一巡後は切り返した。14日はFOMCの結果を控え積極買いが見送られる中、利益確定売りと押し目買いが交錯。前日終値を挟んでの攻防に終始したものの、わずかにプラス圏で着地。15日はFOMCによる来年の利上げ回数予測が年2回→3回に増えたことを受けてドル高・円安が進行、日経平均は朝方に大幅高となった。その後は売りに押されマイネス圏に沈む場面もあったものの、後場中盤からは買い直され前日比プラスを確保した。
週末の16日は欧米株高に加え、為替が1ドル=118円台前半まで急速に円安が進んだことを受け、買いが先行。日経平均は昨年6月1日に記録した12連騰以来、1年半ぶりに9日続伸となった。年初来高値も7日連続で更新した。
日経平均株価は、前週比404円(2.13%)高の1万9401円と大幅に6週続伸。1年半ぶりの9日続伸、7日連続の年初来高値更新と騰勢が続き、1万9400円台を回復して取引を終えた。活況の目安とされる東証1部売買代金の2兆円超の連続記録を27日間まで延ばした。週間の振れ幅は385円と、前週の815円から縮小した。
来週は、巨額の買いでトランプ相場を牽引してきた海外投資家がクリスマス休暇に入り始めるため、買いが細り上値が重い展開になりそうだ。年末に向けて、巨額の売り越しが続く個人投資家の動向で相場が左右されそうだ。
重要イベントとしては、国内では19日-20日に開催される日銀金融政策決定会合に注視が必要だろう。海外では23日に発表される米国11月新築住宅販売件数が注目される。
◆マーケット・トレンド(12月12日~16日)
【↑】 12月12日(月)―― 5連騰・1万9000円台回復、欧米株高や円安でリスク選好強まる
日経平均 19155.03( +158.66) 売買高29億5550万株 売買代金 3兆3314億円
【↑】 12月13日(火)―― 6日続伸、朝安も買い意欲強く切り返す
日経平均 19250.52( +95.49) 売買高23億1300万株 売買代金 2兆8389億円
【↑】 12月14日(水)―― 小幅に7日続伸、円安一服やFOMC控え売り買い交錯
日経平均 19253.61( +3.09) 売買高20億4511万株 売買代金 2兆5448億円
【↑】 12月15日(木)―― 8日続伸、売り買い交錯も円安で下値頑強
日経平均 19273.79( +20.18) 売買高23億2463万株 売買代金 2兆8103億円
【↑】 12月16日(金)―― 1年半ぶり9連騰、欧米株高や円安で買い先行
日経平均 19401.15( +127.36) 売買高23億1008万株 売買代金 2兆9082億円
◆セクター・トレンド(12月12日~16日)
(1)出遅れていたセブン&アイ <3382> など小売り、NTT <9432> など通信といった内需株が買われた
(2)低調だったアステラス <4503> など医薬、味の素 <2802> など食品といったディフェンシブ株も物色された
(3)トヨタ <7203> など自動車、日立 <6501> など電機といった輸出株は堅調続く
(4)先駆した三菱UFJ <8306> など銀行、野村 <8604> など証券といった金融株は上げ一服
(5)国際石開帝石 <1605> など鉱業、昭和シェル <5002> など石油といった資源関連株は反落
(6)郵船 <9101> など海運、新日鉄住金 <5401> など鉄鋼といった景気敏感株もさえない
株探ニュース