【特集】「快進撃AbemaTV、マスメディア目指すその戦略とは?」サイバーエージェント・小池政秀常務に聞く!<直撃Q&A>(その1)
小池政秀氏(サイバーエージェント 常務取締役)
Q1 AbemaTVが、若者層を中心に大きな話題を集めています。サービス開始から半年が過ぎての手応えはいかがですか?
小池 アプリのダウンロード数は11月初旬に1000万を超えました。これは、早ければ来年の2~3月頃、遅くてもサービス開始から1年後の来年4~6月頃に達成できればいい、と考えていた数字です。それが半年程度で到達できました。それだけ世の中の反応は良かったのかな、と受け止めています。
実際サービスを開始してみて、予想を超えていたのはアニメに非常に多くのファンがついたことです。一方、意外だったのは、まず30代の男性が中心となりファン層がつき、続いて20代や女性層に広がっていったことです。もともとは20代ぐらいをターゲットにすれば30代など周辺の方々にも来ていただけると考えていましたが、最初に受け入られたのは新しいモノ好きの30代の男性でした。
Q2 AbemaTVの基本的なビジネスモデルを教えてください
小池 テレビの放送を参考に(番組表に沿ってコンテンツを流す)完全編成型で放送していることをテレビ的な要素として取り入れています。さらに、多チャンネルで有料放送としているCS放送の良さも参考にしました。それを、アプリ化しインターネットでスマートフォンを中心にパソコン、タブレットとマルチデバイスに対応して放送しています。収益は、広告収入に加えオンデマンド機能による課金も狙っています。
AbemaTVの準備は、構想を含めて2年半ほど前から始めました。このサービスを始めるに当たっては、番組制作のプロと組む必要があり、テレビ朝日に話を持ち掛けタッグパートナーとなっていただくことができました。
Q3 そもそも、なぜインターネットテレビ局を始めようと考えたのですか?
小池 インターネットは動画の時代となり、大きな転換点を迎えています。これは新しいサービスモデルを作り出せるチャンスであり、我々はそこにチャレンジしていかなければならない、と考えました。そこで、こういうサービスモデルが成立するのではないか、と考えたのがAbemaTVです。
インターネットは、スマホやタブレットといったデバイスとWi-Fiによる通信インフラが整備され、フル動画によるサービスを提供する環境が整いました。しかし、インターネット放送局のようなフル動画サービスは、まだありませんでした。AbemaTVは、暇な時にアプリを開いて見てもらったり、あるいは定期的に提供されるコンテンツを楽しみに待ってもらえたりする動画メディアを狙っています。新しい時代の新しいネットの使い方を追求して、それがみんなに浸透すればいいと考えています。特に(地上波やCSなどの)テレビが競合だとは思っていません。自分たちが理想とする受動型の動画メディアをサービスとして成立させたいと考えて取り組んでいます。
※「快進撃AbemaTV、マスメディア目指すその戦略とは?(その2)」へ続く