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【市況】今週の【早わかり株式市況】 加速する“トランプ相場”、一時1万9000円大台突破・今年最高値に

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

今週の株式市場は、欧米株高と円安基調で、日経平均株価は一時1万9000円大台を奪還し、今年最高値を付けた。

 週初の5日は国民投票の結果を受けてイタリア首相が辞意を表明したことから、リスク回避の売りが優勢となり日経平均は続落した。

 翌6日はイタリア首相の辞意表明で波乱が懸念された前日の欧米市場が総じて堅調だったことから投資家心理が改善。日経平均は買い戻しが入り3日ぶりに反発した。7日は欧米株高と為替の円安進行を追い風に続伸。ソフトバンク <9984> の孫正義社長がトランプ次期米大統領と会談。孫社長が米国ビジネスに500億円ドル(約5兆7000億円)を投資する方針を示したことを受け、ソフトバンク株に買いが殺到し相場全体を牽引した。8日は前日のNYダウが急伸し3日連続で最高値を更新するなど欧米株市場が軒並み大幅高となったことを受け、東京市場も買いが加速。日経平均は大幅に続伸し、終値ベースで1週間ぶりに年初来高値を更新した。

 週末の9日は欧米株高と円安基調を追い風として買いに拍車がかかり、日経平均は一時1万9000円を回復。ただ、引け間際に利益確定売りが膨らみ、終値は1万9000円をわずかに下回った。東証1部売買代金は3兆9249億円とSQ(特別清算指数)値算出による押し上げ要因を除いても高水準に膨らみ、米大統領選の結果判明で急落した11月9日以来の売買代金となった。

 日経平均株価は、前週比570円(3.10%)高の1万8996円と大幅に5週続伸。今年初めて一時1万9000円大台を奪還し、ザラバベースも含めて今年の最高値で取引を終えた。東証1部売買代金も活況の目安とされる2兆円をトランプ相場の起点となった11月9日から22日連続で上回っている。週間の振れ幅は815円と、前週の523円から拡大した。


 日経平均が一時1万9000円大台を突破した達成感もあって、来週は調整する場面も想定される。ただ、4週間で約1兆6000億円を買い越した海外投資家の買い意欲が依然強いうえ、出遅れ気味だった国内機関投資家や個人投資家も買い姿勢に転じており、年末に向けて上昇基調が続きそうだ。
 重要イベントとしては、国内では12日朝に発表される10月機械受注統計や14日朝に発表される日銀短観が注目される。海外では13日-14日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)が最大のイベントだ。そのほか、13日発表の中国11月鉱工業生産指数や15日-16日に開催されるEU首脳会議に注視が必要だろう。

◆マーケット・トレンド(12月5日~9日)

【↓】 12月 5日(月)―― 続落、伊首相の辞意表明でリスク回避の売りが先行
 日経平均 18274.99( -151.09)  売買高20億6800万株 売買代金 2兆2937億円

【↑】 12月 6日(火)―― 3日ぶり反発、再びリスク選好に転じ市況関連株に買い
 日経平均 18360.54( +85.55)  売買高23億9136万株 売買代金 2兆6935億円

【↑】 12月 7日(水)―― 続伸、欧米株高や円安を追い風にほぼ高値引け
 日経平均 18496.69( +136.15)  売買高24億0066万株 売買代金 2兆6919億円

【↑】 12月 8日(木)―― 年初来高値更新、欧米株高で投資家層が広がり買い加速
 日経平均 18765.47( +268.78)  売買高28億1860万株 売買代金 3兆3930億円

【↑】 12月 9日(金)―― 一時1万9000円回復・今年最高値、欧米株高と円安で買い拍車
 日経平均 18996.37( +230.90)  売買高31億3196万株 売買代金 3兆9249億円

◆セクター・トレンド(12月5日~9日)

(1)東証33業種中、30業種が上昇
(2)三菱UFJ <8306> など銀行、野村 <8604> など証券といった金融株への買い強く上値追い
(3)出光興産 <5019> など石油、国際石開帝石 <1605> など鉱業といった資源関連株も買い継続
(4)郵船 <9101> 、商船三井 <9104> など海運、新日鉄住金 <5401> など鉄鋼といった景気敏感株も賑わう
(5)トヨタ <7203> など自動車、ソニー <6758> など電機といった輸出株も堅調
(6)アステラス <4503> など医薬、JT <2914> など食品といったディフェンシブ株はさえない


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