市場ニュース

戻る
 

【市況】後場に注目すべき3つのポイント~ETF買入れのインパクトを見極め

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより

7日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・ETF買入れのインパクトを見極め
・ドル・円は101円40銭付近、ドル急落、日銀の総括検証に不透明感
・オリンパス、三菱UFJなど8社のレーティング格上げ


■ETF買入れのインパクトを見極め

日経平均は反落。111.74円安の16970.24円(出来高概算8億7000万株)で前場の取引を終えている。米ISM非製造業景況指数が予想を下振れ、早期利上げ観測が後退したことを背景に円相場が円高に振れて推移するなか、利益確定の流れが先行した。しかし、寄付き直後に16903.20円まで下げ幅を広げた後は、下げ幅を縮めており、前引け間際には16980円台まで下げ幅を縮めていた。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1100を超えており、全体の過半数を占めている。規模別指数は大型、中型、小型株指数いずれも下落。セクターでは、電力ガス、石油石炭、サービス、その他製品、建設、水産農林、倉庫運輸が小じっかり。半面、保険、銀行、証券、鉄鋼、非鉄金属、海運、輸送用機器、鉱業が冴えない。

円相場が1ドル101円半ばで推移するなか、日経平均は5日線を下回っての推移に。週足の一目均衡表では雲下限が16945円辺りに位置しており、同水準が支持線として意識されている。午後は日銀のETF買入れに対する需給期待が高まっているなか、買入れが行われるかが注目されるところ。もっとも、ETF買入れを織り込む形で積極的な買いが入っていたとは考えづらく、期待ほど反応が限られたとしても、嫌気売りが強まる展開にはなりづらいだろう。

物色としてはETF買入れへの思惑から品薄の値がさ株などにインパクトを狙った動きが出やすい。また、「iPhone7」「相棒ポケモン」「VR」などのテーマ株等に短期筋の資金が集中しやすいだろう。


(株式部長・アナリスト 村瀬智一)



■ドル・円は101円40銭付近、ドル急落、日銀の総括検証に不透明感

7日午前の東京外為市場では、ドル・円は101円前半まで急落した。日銀の総括検証に不透明感が広がり、日経平均株価の下落を手がかりにドル売りが強まった。ドル・円は、前日発表されたISM非製造業業況指数が低調となり、米国市場で大きく下げた流れを受け継ぎ、東京市場では102円付近で寄り付いた。また、日銀の総括検証について調整が難航しているとの報道で株価の下落をきっかけにドル・円は一時101円20銭まで下落。

一方で、ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁の「利上げの過度の先送りは不均衡のリスク」「より早期の利上げが合理的」との引き締めに積極的な見解で下げ止まったようだ。また、日経平均の下げ幅縮小もドル売りを弱める要因となった。

ランチタイムの日経平均先物は弱含みが続いており、ドル・円は目先も101円台での取引となろう。ただ、値ごろ感に伴う押し目買いの需要が高く、日本株の下げ幅が縮小されれば102円を目指す展開となるだろう。

ここまでドル・円は101円20銭から102円13銭、ユーロ・円は113円82銭から114円89銭、ユーロ・ドルは1.1233ドルから1.1258ドルで推移した。

12時20分時点のドル・円は101円40銭、ユーロ・円は114円14銭、ポンド・円は136円08銭、豪ドル・円は77円81銭で推移している。


(為替・債券アナリスト 吉池威)



■後場のチェック銘柄


・オリンパス<7733>、三菱UFJ<8306>など8社のレーティング格上げ

・安川情報<2354>、田中化研<4080>、アルファポリス<9467>がストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます

・ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁
「利上げの過度の先送りは不均衡のリスク」
「より早期の利上げが合理的」

・トルコ中銀総裁
「政策金利の引き下げは物価の安定が必要」



☆後場の注目スケジュール☆


<国内>
・14:00 7月景気動向指数・先行(予想:98.6、6月:99.2)


<海外>
・15:00 独・7月鉱工業生産(前月比予想:+0.1%、6月:+0.8%)
・ブラジル休場(独立記念日)

《WA》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均