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【特集】【FISCOソーシャルレポーター】個人投資家「兜町放浪記」氏:不祥事企業に対する投資姿勢

PCデポ <日足> 「株探」多機能チャートより

以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家兜町放浪記氏(ブログ「兜町放浪記」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2016年9月5日22時に執筆
先週末に公表された8月の米雇用統計値に円相場が反応している。ここで円高・円安のどちらに振れるかで市場参加者のその後1ヶ月の投資マインドが大きく影響されるから、昨日の104円台に突っかけてきた円相場は9月株高への支援材料となりそうだ。

NY株式市場は、金利上昇期にありながら常に雇用統計値を素直に評価し反応してきた。この素直さが米国市場のたくましさだと感心させられる。それゆえ「人の行く裏に道あり、花の山」は、きわめて日本的で慎ましくあるように思えてくる。花の山がいつまでも裏街道であっていいはずがない。

東証1部上場企業のPCデポ<7618>が急落過程にある。利用客の親族関係者が同社の主力事業であるサポ?トサ?ビス契約について、パソコン知識に疎い高齢者(親族)が不適切な高額料金請求を受けたことをインタ?ネットで公表したことが事の発端だった。一連の経緯を含め同社はその事実を認めている。

株価は8/10につけた高値1623円から9/2には657円まで売り込まれた。ネット上では同社に対する批判記事があふれ、株式投資関係の掲示板は、同社に対するネガティブな投稿によって袋叩き状況だ。

パソコン関連の使用上のトラブルは、使い慣れた若い年代でもやっかいなものである。今回の騒動には高齢者が絡んでおり企業倫理と金儲けの間で知識の乏しい消費者を「騙す、ごまかす」ことがどれほど企業イメ?ジを損なう重大事かを身をもって知ることになるだろう。

かつての東京電力<9501>やオリンパス<7733>、東芝<6502>、雪印食品といった不祥事を起こした企業の株価が、強烈な下げ相場に見舞われたことを覚えている投資家は、企業の社会的責任、反社会的・反道徳的不祥事に対しては非常に厳しい投資行動にでる。ときに市場からの退場を催促するかのような反応さえ示すことがある。

かつて飛ぶ鳥を落とす勢いで成長したワタミ<7522>が労務問題から「ブラック企業」のレッテルを貼られたことで無残な状況にまで凋落したように、ネット時代にあって企業に対する社会的制裁とは最も恐ろしい強権発動となり得る。今後、おかしな風評に悩まされることになるかどうかは、同社の業績のみならず存続をも左右するだろう。私たち個人投資家は、このような企業への投資は十分慎重になるべきではないだろうか。

なお、個別株では海外事業が実を結びつつあり、売上・営業益とも過去最高を予想するウエッジホールディングス<2388>、長らく相場の無い船株から往年の仕手株として低位株物色の尖兵となりそうな共栄タンカー<6198>などに注目している。

※個人投資家ブログ「兜町放浪記」は株式市況の解説と分析を中心に株式投資+αを目指す株式ブログです。単なる上がる株・下がる株の予想屋を標榜とせず、株式投資を通じて社会全般と経済と人生を学ぶ、個人投資家に支持されるブログとなるよう日々アクティブな情報発信に励んでおります。当ブログの監視銘柄は直接「兜町放浪記」にお立ち寄りいただくことをオススメします。

執筆者名:兜町放浪記
ブログ名:兜町放浪記

《MT》

 提供:フィスコ

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