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【市況】新興市場見通し:決算発表が一巡し中小型の好業績株・テーマ株を見直す流れ

マザーズ指数 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の新興市場では、マザーズ指数、日経ジャスダック平均ともに上昇したが、日経平均に比べ上げ幅は低位にとどまった。市場予想を上回る内容だった米7月雇用統計や日本銀行の上場投資信託(ETF)買い入れによる需給期待を背景に、主力大型株優位の相場展開が続き、新興市場の売買は低調に推移した。ただ、マザーズ主力のそーせいグループ<4565>が決算発表前後に買われ、指数を押し上げた。なお、週間の騰落率は、日経平均が+4.1%であったのに対して、マザーズ指数は+2.5%、日経ジャスダック平均は+0.7%だった。

個別では、そーせいグループが週間で2.5%高、サイバーダイン<7779>が同変わらず、ミクシィ<2121>が同4.3%安とマザーズ主力は決算を受けて高安まちまちだった。そーせいグループの第1四半期決算は営業損益が129億円の黒字に転換した。想定線との見方も多いが、再評価する動きが優勢となった。サイバーダインの第1四半期は赤字拡大、ミクシィの第1四半期は市場予想を下回る内容だった。売買代金上位ではJIG-SAW<3914>が決算発表を受けて週末にストップ高まで買われた。また、KDDI<9433>と提携したエナリス<6079>、開発中のゲームが期待材料となっているモブキャスト<3664>などが急伸した。反面、業績予想を下方修正した中村超硬<6166>や第1四半期の利益が低水準だったエンカレッジ・テクノロジ<3682>などが売られた。ジャスダック主力はセプテーニ・HD<4293>が同6.7%高、セリア<2782>が同8.2%高と全般堅調。第1四半期の受注好調が評価されたハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>は同6.3%高、第1四半期が市場予想を上回る大幅増益だったエン・ジャパン<4849>は同18.2%高となった。ただ、上期が最終黒字に転じた日本マクドナルドHD<2702>は同変わらずだった。その他ジャスダック銘柄では、チャーム・ケア・コーポレーション<6062>や北川精機<6327>が大きく上昇する一方、カルナバイオサイエンス<4572>や新報国製鉄<5542>が下落した。

今週の新興市場は、好業績株やテーマ株を見直す流れとなることが期待される。日銀のETF買いにより主力大型株優位の地合いが続き、ここまでマザーズ指数はさえない展開となっていたが、4-6月期の決算発表が一巡して短期の値幅取り狙いの物色は中小型株に向かいやすくなるだろう。

従前に極楽湯<2340>やイー・ガーディアン<6050>が好決算を受けて人気化したが、業績好調で値動きの軽い小型株では同様に上値追いの展開となる銘柄も出てくるだろう。また、調整が続いていたテーマ株の一角では、決算発表でアク抜けとの見方も広がりつつある。なお、今週は8月8日にFRONTEO<2158>、クロス・マーケティンググループ<3675>、グリーンぺプタイド<4594>、LITALICO<6187>、17日に総医研HD<2385>、19日に北川精機などが決算発表を予定している。

IPO関連では、8月16日よりデファクトスタンダード<3545>とベイカレント・コンサルティング<6532>のブックビルディング期間となる。なお、先週はデジタルアイデンティティ<6533>(9月14日、マザーズ)、カナミックネットワーク<3939>(9月14日、マザーズ)、串カツ田中<3547>(9月14日、マザーズ)、ノムラシステムコーポレーション<3940>(9月16日、ジャスダック)の新規上場が発表されている。

《FA》

 提供:フィスコ

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