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【市況】国内株式市場見通し:日銀効果続く、4-6月期GDPは結果良くも悪くも17000円意識か

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

■後場に日銀のETF買い入れへの思惑高まる

先週の日経平均は上昇。週初は前週の予想を上回る雇用統計の結果を受けた米国株高の流れを受けて、買い優勢の展開で始まった。その後は佳境を迎える決算発表のなかで参加者が限られているものの、日銀のETF買い入れに対する思惑から底堅い値動きが続いており、日経平均は価格帯別出来高で商いが膨れている16600-16800円のレンジを捉えている。祝日前の10日は原油相場の下落や為替の円高基調が嫌気されたが、日銀のETF買い入れが需給を下支える格好となり、小幅な下落にとどまっていた。

売り込みづらい需給状況のなか、祝日明けの週末12日は買いが先行。オプションSQに絡んだ商いが買い越しだったことも指数を押し上げる一因となった。買い一巡後はこう着感が強まっていたが、午後に入ると日銀のETF買い入れへの思惑から一段高となり、幻になりつつあったSQ値を突破している。

■4-6月期GDPに注目

日経平均は後場に入りSQ値をクリアしてくるなど、日銀のETF買い入れに対する思惑が強い。国内勢は夏休みシーズンで商いが膨らみづらく、海外勢についても同様に夏休みシーズンであり、9月5日の米レイバーデーまでは本格的な資金流入は限られるとみられる。経済指標では15日に4-6月期の国内総生産(GDP)速報値が発表されるほか、17日発表の7月訪日外国人観光客数、米FOMC議事録(7月26-27日分)が公表される以外は、これといった材料もなく、こう着感の強い相場展開が続きそうだ。

4-6月期のGDPについては、前期比年率+0.7%程度が市場コンセンサス。今年1-3月期に続いてプラス成長になる見込みだが、成長率は鈍化する見通しである。個人消費の伸び期待できないほか、企業設備投資は低い伸びにとどまる可能性などが、減速要因とみられている。経済対策の効果を勘案しても今年度の経済成長率は1%を下回る低い伸びにとどまるとの見方が増えているようである。

■日経平均は節目の17000円を意識

4-6月期のGDPが予想を上回るようだと、市場はこれを好感し、日経平均は節目の17000円を捉えてくることになろう。もっとも、予想を下回ったとしても、9月の緩和期待が高まるほか、日銀のETF買い入れによる需給要因が引き続き相場を押し上げることになる。市場参加者は限られる中ではあるが、価格帯別出来高で抵抗だった16600-16800円のレンジをクリアしてきており、薄商いの中、ショートカバーを交えた上昇が意識される。

その他、経済スケジュールでは、15日に米ニューヨーク連銀製造業景況指数(8月)、米NAHB住宅市場指数(8月)、16日に首都圏マンション発売(7月)、米住宅着工件数(7月)、米消費者物価指数(7月)、米鉱工業生産指数(7月)、独ZEW景況感指数(8月)、18日に貿易統計(7月)、米新規失業保険申請件数、米景気先行指標総合指数(7月)、英小売売上高(7月)、中新築住宅価格(7月)、19日に英 財政収支(7月)が予定されている。

■インテルのフォーラムでAIやVR関連などに関心も

その他、16日にインテル、開発者向け会議「インテル・デベロッパー・フォーラム(IDF)」(18日まで、サンフランシスコ)が開催される。インテルは最近、ディープラーニング(深層学習)と呼ばれるAI技術を活用すべく、半導体やソフトウエア、およびサービスの開発に取り組むナーバナ・システムズを買収する計画を発表している。また、先日、先日、同社のエンジニアがツイッターにPC向けVRヘッドマウントディスプレー「HTC Vive」向けの新たな奥行きセンサーアタッチメントと思われる画像を投稿している。現在は削除されているが、VR体験中も現実を3D認識するセンサーを開発しているとみられており、フォーラムでの発表が期待されている。AI、ディープラーニング、VR関連などへの手掛かり材料になる可能性がありそうだ。

《FA》

 提供:フィスコ

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