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【市況】新興市場見通し:引き続きしっかりとした展開か、ラクスなどがIPO


先週の新興市場は、日経平均が約3ヶ月半ぶりに一時2万円台を回復するなか堅調に推移し、引き続きマザーズ銘柄が大きく上昇した。週後半に欧州中央銀行(ECB)理事会や米11月雇用統計発表といった重要イベントを控え、日経平均がこう着感を強めると、中小型株への資金シフトが加速した。週末にECBによる追加金融緩和策への失望感から日経平均は大きく下げたが、新興市場の下落率は相対的に低位にとどまった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-1.9%であったのに対して、マザーズ指数は+2.4%、日経ジャスダック平均は+0.5%だった。

個別では、マザーズ主力のミクシィ<2121>が週間で0.8%高、タカラバイオ<4974>が1.1%高としっかり。そーせいグループ<4565>が英子会社と米製薬大手の提携で人気化し、同26.9%高と急伸したほか、FFRI<3692>も同13.4%高となった。その他、マザーズではアプリックスIP HD<3727>、インフォテリア<3853>、中村超硬<6166>などが大きく上昇した。一方、直近で上昇の目立ったサイバーダイン<7779>は同7.2%安となった。ジャスダック主力では、クルーズ<2138>が同12.9%高と大きく上昇したほか、セプテーニ・HD<4293>が同1.5%高、ノジマ<7419>が同2.5%高と堅調だった。有機EL関連の一角が引き続き買われ、特に倉元製作所<5216>の上昇が目立った。その他、小型材料株に物色が向かい、リーバイ・ストラウス ジャパン<9836>、石井工作研究所<6314>などが大きく上昇した。IPOでは、11/27マザーズ上場のネオジャパン<3921>が上場2日目に公開価格の約5.0倍となる高初値を付けたほか、12/3マザーズ上場のインベスターズクラウド<1435>も公開価格の2倍近くまで初値を伸ばした。12/4マザーズ上場の鎌倉新書<6184>は初日値付かずとなっている。

今週の新興市場は、引き続きしっかりとした展開となることが想定される。堅調な米雇用を受けて日経平均は再び2万円を試す展開となることが見込まれ、いったんは主力大型株に関心が向かう場面もあるだろうが、相場の地合いに連れ新興市場も上昇基調が続くとみられる。ただ、12月IPOラッシュに備えた換金売りが徐々に上値を重くする可能性がある。

中小型株にも海外勢の資金が流入していると一部メディアで報じられている。前週末には英運用会社がクラウドワークス<3900>株式に係る大量保有報告書を提出しており、こうした動きにも注目していきたい。なお、今週は12/10にベステラ<1433>、アスカネット<2438>、菊池製作所<3444>、12/11にフルスピード<2159>、ファーマフーズ<2929>、モルフォ<3653>、フリービット<3843>、アイリッジ<3917>、イトクロ<6049>などが決算発表を予定している。

IPO関連では、12/9にラクス<3923>がマザーズへ、12/11にランドコンピュータ<3924>が東証2部へ新規上場する。ラクスは公開規模が小さく、人気化しやすいクラウド関連の切り口もあることから、強い初値形成が期待される。ランドコンピュータは注目度の高まりにくい東証2部上場案件ながら、ブックビルディングでは一定の関心を集めており、需給面の懸念も小さい。また、今週はソーシャルワイヤー<3929>など残る12月IPO案件5社のブックビルディングが開始される予定となっている。

《FA》

 提供:フィスコ

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