【特集】インフル流行シーズン、対策株を総チェック <株探トップ特集>
ダイワボウの日足チャート 「株探」多機能チャートより
―流行前倒し傾向、感染防止の取り組み活発化―
今年もインフルエンザの流行シーズンが到来している。流行は、例年12月から感染者が出始めて1月から2月にかけてピークを迎えると言われるが、今年の場合は、学級閉鎖に追い込まれる学校が早くも9月から発生するなど、例年以上に流行する不安が高まっている。感染防止や治療に貢献する関連銘柄をシーズンストックとして注目しておきたい。
●流行前倒し傾向で不安高まる
インフルエンザの感染者がジワリと増加している。厚生労働省が11月27日に発表した2015年第47週(11月16~22日)のインフルエンザ様疾患発生状況(学校休校情報)では、全国の保育所や幼稚園、小学校、中学校、高等学校において、9施設で学年閉鎖、16施設に学級閉鎖が発生、静岡県をはじめに神奈川県や、兵庫県、広島県でも学級閉鎖が発生している。
例年、12月から翌年2月にかけては1年でもっとも寒く、乾燥する季節といわれており、ウイルスが飛散し、感染しやすい状況となってくる。空気が湿っている場合は、6時間後に大半のウイルスが死滅するが、逆に空気が乾燥している場合には、6時間経過しても約6割が生存しているというデータもある。昨年も12月からインフルエンザ注意報が増えて今年の1月には警報になっている地域が増加している。
気温の低下とともに乾燥する時期が本格的に到来するなかで、感染防止へ向けた取り組みが今後、活発化することになりそうだ。
インフルエンザの感染防止対策には予防接種はもとより、うがいや手洗い、マスク着用などの重要性が高まってくる。このようななかで、関連製品の需要が拡大しそうだ。対策関連銘柄は以下の通り。
◆明治HD <2269>
殺菌・消毒効果を持つうがい薬「イソジン」は絶大なブランド力を誇る。
◆ダイワボウ <3107>
京都産業大学との共同研究で開発した銅イオンを担持(微量固定)した抗ウイルス不織布を使用のマスク「プロテクシールド」を発売。通気性を考慮しながらバクテリアろ過効率99%を確保したサージカルマスク。
◆シキボウ <3109>
繊維に付着したウイルスの働きを抑制する効果に優れる抗ウイルス加工繊維「フルテクト」を開発。「フルテクト」加工繊維ファブリックにウイルスを感作させたところ、ウイルスは検出限界以下に低下し、抗ウイルス効果を確認。また、洗濯50回後でも同様の効果があり、洗濯によって抗ウイルス効果が低下しないことを確認している。
◆フマキラ <4998> [東証2]
スプレーするだけで、陽イオンポリマー(プラスイオン)の静電界が顔全体をコート、空中を舞う微粒子(飛沫等)を反発したり吸着したりすることで鼻や口へのウイルスの侵入を防ぐ「アレルシャット」シリーズを展開。顔や髪に直接スプレーできる、ふんわりミストタイプのウイルス花粉対策スプレー「アレルシャット ウイルス花粉 イオンでブロック スプレータイプ 160回分」を新たに開発、11月中旬より順次、全国の店頭で発売している。より微細なふんわりエアミストで顔全体を包み込むタイプで、メイクや髪型が崩れてしまう心配がなく、女性層への拡販を狙う。
◆中外薬 <4519>
抗インフルエンザ薬タミフルを国内で販売。
◆塩野義 <4507>
インフルエンザを1日で治療できる世界初の新薬を2018年にも国内で実用化することが株式市場でも話題に。従来の薬はインフルエンザウイルスの増殖そのものを止める効果はないが、開発中の新薬はウイルスの増殖を抑えて死滅させる仕組み。
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