インデックスファンドとは?初心者におすすめの銘柄や選び方をわかりやすく解説
「これから投資を始めるのであれば、インデックスファンドへの投資がおすすめ!」とよく耳にしますが、なぜインデックスファンドがおすすめされるのでしょうか。
「そもそもインデックスファンドって何?」と思われているかもしれません。
そんな疑問を解消すべく、本記事ではインデックスファンドの特徴や投資すべき理由、選び方などインデックスファンドについて網羅的に分かりやすく解説していきます。
本記事を参考に、インデックスファンドの内容を理解し、自分に合ったインデックスファンドを見つけていただければ幸いです。
- インデックスファンドとは?
- インデックスファンドの種類
- インデックスファンドとアクティブファンドの違い
- 初心者こそインデックスファンドを活用すべき理由
- 手軽にリスク分散できる
- 値動きが分かりやすい
- 運用コストが低い
- インデックスファンドの選び方
- 投資対象を決める
- コストが低い商品を選ぶ
- 純資産総額を確認する
- 【指数別】おすすめのインデックスファンド
- 国内株式
- 米国株式
- 全世界・先進国・新興国株式
- インデックスファンドに関するよくある質問
- インデックスファンドを運用する際の注意点はありますか?
- インデックス投資に欠点はありますか?
- インデックスファンドとアクティブファンドどちらに投資すべきですか?
インデックスファンドとは?

インデックスファンドとは、特定の株価指数(インデックス)に連動するように設計された投資信託(ファンド)のことです。

編集者
この説明だけだとピンとこないという方もいらっしゃると思うので、”投資信託”と”株価指数”についても説明します。
投資信託とは、投資家から集めたお金を運用会社がまとめて管理・運用し、株式や債券などに分散投資する金融商品です。簡単に言えば、運用のプロが選んだ「株や債券の詰め合わせパック」と考えるとわかりやすいでしょう。
株価指数とは、株式市場全体の値動きを示す指標のことで、代表的な指数には「日経平均株価」や「ダウ平均株価」などが挙げられます。
日経平均株価は「東京証券取引所に上場している企業のうち、代表的な225社の株価の動き」を示し、ダウ平均株価は「アメリカの各業種の代表的な30社の株価の動き」を表します。
つまり、インデックスファンドは「特定の株価指数に採用されている企業全体」に分散投資できる商品であり、個別株を選ぶ手間をかけずに、幅広い銘柄に投資できるのが特徴です。
インデックスファンドの種類
インデックスファンドを投資対象ごとに分類し、代表的な指数を表にまとめました。
分類 | 主な指数 |
---|---|
国内株式 | 日経平均株価、TOPIX |
海外株式 | NYダウ、S&P500、NASDAQ、CRSP US Total Market Index MSCI Kokusai、MSCI Emerging |
国内債券 | NOMURA-BPI |
海外債券 | FTSE世界国債インデックス、シティ世界国債インデックス |
国内REIT | 東証REIT指数 |
海外REIT | S&P先進国REITインデックス |
表に記載した指数は一部です。他にも様々な指数がありますし、インデックスファンドを介して国内外の様々な指数に連動する投資成果が期待できます。

編集者
おすすめの指数・銘柄については記事の後半で詳しく解説します!
インデックスファンドとアクティブファンドの違い
インデックスファンドの対として比較されやすい商品に「アクティブファンド」があります。
インデックスファンドとアクティブファンドの違いは運用方針です。
種類 | 運用方針 | コスト |
---|---|---|
インデックスファンド | 市場平均に連動 | 低い |
アクティブファンド | 市場平均を上回ることを目指す | 高い |
インデックスファンドは市場平均(株価指数)に連動する運用を行い、低コストで分散投資が可能です。
一方、アクティブファンドはファンドマネージャーが独自の分析に基づいて銘柄を選定し、市場平均を上回るリターンを目指します。
そのため、アクティブファンドはコストが相対的に高くなりますし、運用成績が市場平均を下回ることもあります。
初心者こそインデックスファンドを活用すべき理由

インデックスファンドは手軽に分散投資ができ、長期的な資産形成に適した商品であるため、投資初心者の方におすすめです。
初心者こそインデックスファンドを活用すべき理由を3つ紹介します。
手軽にリスク分散できる
インデックスファンドは特定の株価指数に連動するように設計されているため、1つのファンドを購入するだけで数十〜数百の銘柄に分散投資できます。
例えば、S&P500に連動するインデックスファンドなら、アメリカの主要500社にまとめて投資できるため、特定の企業の業績に左右されにくく、リスクを抑えられます。

編集者
手軽に複数の有名企業に投資できるのは投資初心者にとって大きなメリットです!
値動きが分かりやすい
インデックスファンドの価格は指数に連動するので、値動きが分かりやすいです。
例えば、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」(*S&P500に連動するインデックスファンド)に投資をしている場合、S&P500の値動きを確認しておけば、おおよその動向をしっかり把握できます。

編集者
個別株だとその銘柄特有の事由により、大きく値動きすることもありますし、正確に動向を把握するのは難しいです。
まとめると、インデックスファンドは日々のニュースや市場の動きをチェックするだけでおおよその値動きを把握でき、個別株のように企業の業績や決算を細かくチェックする必要がないので、投資初心者の方におすすめできます。
運用コストが低い
インデックスファンドは運用コストが低い点も魅力です。
アクティブファンドと異なり、市場平均に連動するシンプルな運用を行うため、ファンドマネージャーが銘柄を頻繁に売買する必要がなく、運用コスト(信託報酬)が低く抑えられています。
インデックスファンドの信託報酬は年率0.1~0.3%程度が一般的ですが、アクティブファンドでは信託報酬が年率1%以上で設定されていることが多いです。
インデックスファンド | アクティブファンド | |
---|---|---|
運用コスト(目安) | 0.1~0.3% | 1~2% |
100万円運用した 場合にかかるコスト |
1,000~3,000円 | 1~2万円 |
仮に100万円運用する場合、インデックスファンドなら年間のコストが1,000円(信託報酬0.1%の場合)、アクティブファンドなら1万円(信託報酬1%の場合)かかります。

編集者
長期投資において、コスト差は運用成績にも影響を及ぼすので、できるだけコストを抑えて運用しましょう!
インデックスファンドの選び方

インデックスファンドと一口で括っても数百本以上の商品が販売されており、「どうやって選べばいいか分からない…」という方もいると思います。
インデックスファンドには選び方のポイントがあるので、3つ紹介させていただきます。

編集者
上記の手順を踏まえることで、最適なインデックスファンドが見つかります!
投資対象を決める
まずは投資対象を決めましょう。
以下の表に記載している通り、「資産クラス」×「投資地域」で期待できるリスク・リターンは異なります。
分類 | 特徴 | |
---|---|---|
資産クラス | 株式 | 企業の成長による値上がり益や配当収入が期待できる。リスクは高めだがリターンも大きい。 |
債券 | 国や企業にお金を貸して利息収入を得る。株式よりリスクは低めで、価格の変動も小さい傾向。 | |
REIT | 不動産から得られる賃料収入や値上がり益を分配。景気や金利の影響を受けやすいが高配当が魅力。 | |
投資地域 | 国内 | 為替リスクがなく、先進国や新興国と比べるとリスク・リターンは相対的に低い。 |
先進国 | 経済基盤が強く安定した成長が見込める。為替リスクや金利変動の影響を受ける。 | |
新興国 | 高い成長が期待できる一方で、政治・経済の不安定さからリスクも高い。 |
下図はあくまでイメージになりますが、資産クラスは「株式>REIT>債券」の順でリスク・リターンが高くなり、投資地域は「新興国>先進国>国内」の順でリスク・リターンが高くなります。

この点を考慮し、ご自身の投資の目的に応じて投資先を決定しましょう。
例えば、退職金を低リスクで運用したいのであれば、債券に投資できるインデックスファンドを活用すべきですし、多少リスクを取ってでも資産を増やしたいのであれば、株式に投資できるインデックスファンドを活用すべきです。

編集者
インデックスファンドは複数組み合わせることもできますし、全世界の地域や全アセットにバランスよく投資できる商品もあります!
コストが低い商品を選ぶ
投資対象が決まったら、対象のインデックスファンドの中からコストが低い商品を選びましょう。
同じ指数に連動するインデックスファンドであれば、中身は同じですし、コストは低ければ低いほど良いです。
特に着目すべきコストが「信託報酬」で、これはインデックスファンドを保有している間、ずっとかかるコストです。

編集者
信託報酬が高いファンドを選んでしまうと、長期的に見て運用成績に大きな差が出てしまうこともあります。
純資産総額を確認する
投資対象が決まって、その中からコストが低い商品を見つけたら、最後に純資産総額を確認しておきましょう。
純資産総額は大きくなるほど経費率が抑えられるため、将来的にコストが引き下がる可能性があります。
また、純資産総額が大きければ、繰上償還のリスクも低くなります。

編集者
純資産総額の目安として30億円以上のファンドを選んでおくと良いです!
【指数別】おすすめのインデックスファンド
上記で紹介したインデックスファンド選びのポイントも踏まえて、おすすめのインデックスファンドを指数別に紹介します。
国内株式
国内の主要株価指数に連動する投資成果を狙うのであれば、以下のインデックスファンドがおすすめです。
eMAXIS Slim国内株式(日経平均)
ファンド名 | eMAXIS Slim国内株式(日経平均) |
---|---|
連動指数 | 日経平均株価 |
純資産総額 | 1643億9200万円 |
信託報酬 | 0.143% |
※調査日:2025年3月28日
「eMAXIS Slim国内株式(日経平均)」は日経平均株価に連動する投資成果を目指したインデックスファンドです。
日本を代表する主要企業にまとめて投資できますし、指数の情報も把握しやすいので、投資の第一歩としても取り入れやすいです。
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)
ファンド名 | eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) |
---|---|
連動指数 | TOPIX |
純資産総額 | 2786億2500万円 |
信託報酬 | 0.143% |
※調査日:2025年3月28日
「eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)」はTOPIX(東証株価指数)への連動を目指したインデックスファンドです。
日経平均株価が225銘柄であるのに対し、TOPIXは2,000を超える銘柄で構成されているので、より日本国内全体の株式市場の動きを反映していると言えます。

編集者
日本の株式市場全体に幅広く分散投資がしたい方はTOPIXに投資を行いましょう!
米国株式
米国は世界を代表する企業が圧倒的に多く、株式市場も長期的に上昇トレンドが続いている人気の投資先です。
米国の主要株価指数に連動するおすすめのインデックスファンドを3つ紹介します。
【関連記事】米国株の投資信託(インデックスファンド)おすすめ8選!【指数ごとに紹介】
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
ファンド名 | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) |
---|---|
連動指数 | S&P500 |
純資産総額 | 6兆6685億円 |
信託報酬 | 0.0814% |
※調査日:2025年3月28日
「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」はS&P500への連動を目指したインデックスファンドです。
S&P500に投資することで、AppleやAmazon、Microsoft、NVIDIAといった世界を代表する企業に分散投資できます。
米国経済の成長に期待している人や長期にわたって高いリターンを目指したい人におすすめです。

編集者
S&P500は過去の実績を見ても長期的に安定した右肩上がりの成長を続けていますし、今後も良いパフォーマンスが期待できます!
楽天・全米株式インデックス・ファンド
ファンド名 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド |
---|---|
連動指数 | CRSP US Total Market Index |
純資産総額 | 1兆7280億円 |
信託報酬 | 0.132% |
※調査日:2025年3月28日
「楽天・全米株式インデックス・ファンド」はCRSP US Total Market Indexへの連動を目指したインデックスファンドです。
S&P500とは違い、小型株も含めて米国の株式市場全体に幅広く投資できる点が魅力です。

編集者
S&P500は米国株式市場の約80%をカバーしているのに対し、CRSP US Total Market Indexは約100%をカバーしています。
iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
ファンド名 | iFreeNEXT NASDAQ100インデックス |
---|---|
連動指数 | NASDAQ100 |
純資産総額 | 1622億5700万円 |
信託報酬 | 0.495% |
※調査日:2025年3月28日
「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」はNASDAQ100への連動を目指したインデックスファンドです。
情報技術系の企業が中心となっており、NASDAQ100の構成銘柄でNASDAQ市場の時価総額の約70%をカバーしています。

編集者
AppleやMicrosoft、Amazon、NVIDIAといったハイテク・グロース株に集中投資できますが、リスク・リターンは高くなります。
全世界・先進国・新興国株式
インデックスファンドを活用すれば、全世界や先進国、新興国といったように地域を分けて投資を行うことも可能です。
全世界、先進国、新興国の株式に投資できるおすすめのインデックスファンドをそれぞれ1つずつ紹介します。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
ファンド名 | eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) |
---|---|
連動指数 | MSCI ACWI |
純資産総額 | 5兆5517億円 |
信託報酬 | 0.05775% |
※調査日:2025年3月28日
「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」はMSCI All Country World Indexへの連動を目指したインデックスファンドです。
この1本のファンドで、日本や米国、欧州といった先進国だけではなく、中国やインドなどの新興国にも投資でき、世界の株式市場に幅広く投資できます。
「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」は国際分散投資の王道とも言えるインデックスファンドですし、何を選んだらいいか分からない投資初心者の方は特におすすめです。
【関連記事】全世界株式インデックスファンドに投資するならどれがおすすめ?この6本から選べばOK!
eMAXIS Slim先進国株式インデックス
ファンド名 | eMAXIS Slim先進国株式インデックス |
---|---|
連動指数 | MSCI Kokusai |
純資産総額 | 8591億1300万円 |
信託報酬 | 0.09889% |
※調査日:2025年3月28日
「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」はMSCI Kokusaiへの連動を目指したインデックスファンドです。
アメリカやイギリス、ドイツ、カナダなど日本を除いた先進国の株式に投資できるので、新興国のリスクを避けて海外投資をしたい人におすすめです。

編集者
ちなみに構成銘柄の約7割は米国株で占められています。
eMAXIS Slim新興国株式インデックス
ファンド名 | eMAXIS Slim新興国株式インデックス |
---|---|
連動指数 | MSCI Emerging |
純資産総額 | 1937億6400万円 |
信託報酬 | 0.1518% |
※調査日:2025年3月28日
「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」はMSCI Emerging Markets Indexへの連動を目指したインデックスファンドです。
中国やインド、ブラジル、台湾など、今後の経済成長が見込まれる国々に分散投資できます。

編集者
新興国は政治・経済の不安定さや為替リスクがありますが、リスク許容度が高く、積極的な運用を目指す人には魅力的な選択肢です。
インデックスファンドに関するよくある質問
-
Q
インデックスファンドを運用する際の注意点はありますか?
-
A
インデックスファンドは市場全体の動きに連動するため、相場が下がれば資産も減少するリスクがあります。
また、基本は長期運用が前提なので、短期間で大きな利益を期待するのには向いていません。
-
Q
インデックス投資に欠点はありますか?
-
A
インデックス投資は市場平均以上のリターンは狙えないことが最大の欠点です。
また、構成銘柄の見直しが自動で行われるため、業績が悪い企業が含まれ続けるケースもある点に注意が必要です。
-
Q
インデックスファンドとアクティブファンドどちらに投資すべきですか?
-
A
コストを抑えて堅実に資産形成したい人にはインデックスファンドがおすすめです。
一方、市場平均を超える成果を目指したい人やテーマ性のある投資を重視する人にはアクティブファンドも選択肢になります。
投資目的やスタイルに応じて選びましょう。
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