スワップポイントのサヤ取りとは – 利回りの高い組み合わせは?
目次
そもそもサヤ取りってなに?
レバレッジの存在によりハイリスク・ハイリターンの投資商品と言われるFX取引の中で現実的且つ、ローリスクな投資方法の一つが「サヤ取り(アービトラージ)」です。
サヤ取りとは同じタイミングで上がったり下がったりする事が多い(≒相関性が高い) 金融商品を一方で買い、一方で売る投資方法のことです。株式市場では「日経平均とTOPIX」や「日経平均とダウ」など、FXでは「豪ドル円とNZドル円」などが相関性が高い金融商品の組み合わせと言われます。
もし相場全体が一方向に推移した場合でも双方の利益と損失が相殺される点がメリットです。
FXのサヤ取りで利益を上げる具体的な方法として「為替差益で稼ぐ方法」と「スワップポイントで稼ぐ方法」の2つがありますので、それぞれ説明します。
為替差益のサヤ取り方法
最初に為替差益のサヤ取りで稼ぐ方法をオセアニア通貨で相関性が高いと言われるオーストラリアドル円(AUD/JPY)・NZドル円(NZD/JPY)を使って解説します。
GMOクリック証券のプラチナチャート+を使った豪ドル円とNZドル円の比較チャート(2016年8月~2019年2月)が上図です。赤色のチャートが豪ドル円、オレンジ色のチャートがNZドル円になります。
図の中央部分に黒色の矢印があると思いますが、こう言った乖離が大きくなったタイミングを見計らい注文を入れるのがサヤ取りです。
ちなみに、黒矢印のタイミング(2017年3月)で豪ドル円を売りNZドル円を買い、赤丸のタイミング(2018年3月)に決済したと仮定した場合、各々の通貨の価格はこのようになります。
為替差益のサヤ取り例 | |||
---|---|---|---|
通貨ペア | 2017年11月 レート |
2018年3月 レート |
価格差 |
豪ドル円 (AUD/JPY) |
84.9円 | 81.8円 | -3.1円 |
NZドル円 (NZD/JPY) |
76.7円 | 77.0円 | 0.3円 |
もしそれぞれ1万通貨づつ売買していた場合、豪ドル円が31,000円の利益でNZドル円が3,000円の利益となり、合計で34,000円の利益を得ることになります。
このように相関性が高い通貨ペアの価格差が乖離した際に新規取引を行い、価格差が減少した段階で決済する方法がサヤ取り例の一つになります。
【 追記 】
上記で豪ドルとNZドルの相関性の高さを説明しましたが、そのサヤを狙う自動売買プログラムを見つけました。それはインヴァスト証券のリピート系FXである「トライオートFX」の売買ロジックです。
※参考:リピート系FXとは?
「トライオートFX:おすすめの売買ロジック(コアレンジャー_豪ドル/NZドル)」で詳しく説明していますが、豪ドルとNZドルの相関性を狙ったさや取りにピッタリですので是非ご活用下さい。
FXのスワップポイント サヤ取り方法
続いてスワップポイントでのサヤ取り方法です。
為替差益のサヤ取りと違い、スワップポイントのサヤ取りは以下の2つ分類されます。
- 相関性が高い通貨ペアのスワップ差で稼ぐサヤ取り
- 同じ通貨ペアで業者のスワップ差で稼ぐサヤ取り
相関性が高い通貨ペアのスワップ差で稼ぐサヤ取り
こちらは相関性の高い別々の通貨ペアのスワップポイント差を利用してサヤ取りする方法です。
例えば豪ドル円を1万通貨買い, NZドル円を1万通貨売る場合の組み合わせでは, GMO外貨の豪ドル買いスワップ63円とみんなのFXのNZドル売りスワップ43円の組み合わせで1日20円のスワップを受け取ることが可能です。
※参考:高金利通貨を1年間運用した場合の業者別スワップポイント
上記のようなサヤ取りは比較的リスクの少ない投資手法ですが、為替差益の場合と違い金利が高い方の通貨ペア(先ほどの例ではNZドル円)を必ず買う必要があるため、売買のチャンスは決して多くはありません。
同じ通貨ペアで業者のスワップ差で稼ぐサヤ取り
ここがポイント!
先ほどの相関性が高い通貨ペアのサヤ取り狙いより、投資妙味があると感じるのが、こちらで説明する『同じ通貨ペアで業者のスワップ差で稼ぐサヤ取り方法』です。個人的な見解ですが、トレーダーが一度は夢を見るスワップポイント生活を実現する方法の一つとしてぜひオススメしたい投資手法です。
「スワップポイントおすすめ比較ランキング」でもご紹介しましたが、FX会社によるスワップには大きな差があります。価格差が大きいメキシコペソ/円などは1日34円(LIGHT FXの買いスワップ160円と GMOクリック証券の売りスワップ▲126円の差)もあります。同じメキシコペソですので, どのFX会社でも同じ動きをします。
⇒ メキシコペソとは?|メキシコペソ取引にオススメの業者
LIGHT FXで「メキシコペソ/円を買う」、GMOクリック証券で「メキシコペソ/円を売る」、これだけで1日34円の利益がほぼノーリスクで貰える計算になります。 1年間でのスワップ差は12,410円(34円×365日)、これは10万通貨の場合ですので100万通貨でやったらなんて考えると...夢が広がりますね♪
業者別のスワップ格差一覧
最後に高金利通貨のスワップポイント格差を掲載しますので取引の参考にしてもらえればと思います。
【FX業者別】高金利通貨のスワップ格差一覧 | |||
---|---|---|---|
通貨ペア | スワップ差益 | 業者名 組合わせ |
スワップ ポイント |
米ドル円 (USD/JPY) |
5円/日 (1,825円/年) |
GMO外貨 | (買い) 84円/日 |
みんなのFX | (売り) ▲79円/日 |
||
ポンド円 (GBP/JPY) |
15円/日 (5,475円/年) |
GMO外貨 | (買い) 73円/日 |
ライトFX | (売り) ▲58円/日 |
||
豪ドル円 (AUD/JPY) |
21円/日 (7,665円/年) |
GMO外貨 | (買い) 63円/日 |
GMOクリック証券 | (売り) ▲42円/日 |
||
南アフリカ ランド円 (ZAR/JPY) |
25円/日 (9,125円/年) |
みんなのFX | (買い) 160円/日 |
GMOクリック証券 | (売り) ▲135円/日 |
||
メキシコ ペソ円 (MXN/JPY) |
34円/日 (12,410円/年) |
ライトFX | (買い) 160円/日 |
GMOクリック証券 | (売り) ▲126円/日 |
||
中国人民元円 (MXN/JPY) |
20円/日 (12,410円/年) |
GMO外貨 | (買い) 40円/日 |
ライトFX | (売り) ▲20円/日 |
※10,000通貨売買時のスワップを表示
(ランド円、ペソ円、元円は10万通貨)
※調査日:2022年8月15日
※調査方法:公式サイトのスワップ一覧を調査し14日間平均を算出
サヤ取り(アービトラージ)に関するQ&A(よくある質問)
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Q
サヤ取りを禁止しているFX会社はありますか?
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A
海外のFX会社ではサヤ取り(アービトラージ)を禁止している業者がいくつかあるようですが、国内FX会社では見たことありません。少なくても当メディアでご紹介しているFX会社で禁止している業者は無いようです。
そもそも今回ご紹介したサヤ取りの方法は他の理由がない限り、通常取引の一貫なので禁止はできないと思います。
ただしシステムトレードなどを使って超短期売買でサヤ取りをする場合はスキャルピング禁止の規定に引っかかる可能性があるため、注意が必要です。
※関連:スキャルピングを禁止しているFX会社はありますか?また業者のスワップ差を利用したサヤ取りが乱立するとFX会社側の買いと売りのポジションが偏るため、それを良しとしないFX会社があることも事実です。(知っている限りサヤ取りについて1社は敬遠気味で1社は歓迎してました。)
⇒⇒ FXのポジションとは?
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Q
スワップ サヤ取りで失敗するケースを教えて下さい
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A
主な失敗例としては以下の2つがあると思います。
一つは「証拠金不足」
スワップ サヤ取りの場合、別々のFX会社で同一通貨を売買するので、片方は証拠金が増え、もう片方は証拠金が減っていきます。余裕資金が充分ある場合はしばらく放置していても問題ないのですが、証拠金をギリギリにしている場合は資金移動が間に合わず、強制ロスカットされてしまう可能性もあります。失敗するケースもう一つが「FX会社の選択ミス」です。
スワップ サヤ取りでは「買いスワップの高いFX会社で買い、売りスワップの安いFX会社で売る」ことで利益を得ますが、たまにスワップポイントが大きく上下するFX会社があります。そういった業者を利用すると想定通りのスワップ益を得られないことがありますので注意が必要です。
-
Q
FXのサヤ取りでオススメの口座はどこですか?
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A
為替差益のサヤ取りとスワップポイントのサヤ取りで選ぶべき口座が違いますので、ぞれぞれ説明しますね。
為替差益のサヤ取り手法でオススメの業者
為替差益で稼ぐ場合に押さえておく口座は「比較チャートが使いやすいFX口座」です。比較チャートが無いと相関性が高い通貨ペアを探すのにも苦労しますし、売買のタイミングの見極めが難しくなります。
なお私は当サイトでご紹介している比較チャートで唯一、価格・騰落率の両方が使え、且つ重ねて表示できるGMOクリック証券の「プラチナチャート+」を利用しています。個人的にはオススメです。
スワップのサヤ取り手法でオススメの業者
スワップのサヤ取りではなんと言っても「スワップが高い業者と安い業者」のセットが必須となります。
それぞれの通貨ペア別のスワップ差の組み合わせは「【FX会社別】高金利通貨のスワップ格差一覧」に記載していますので、そちらをご覧頂ければと思います。
なお、スワップが高い業者としては米ドル/円を始め、主要通貨のスワップが高いGMO外貨はサヤ取りには外せない1社です。 またスワップが安い業者としては最近 売りスワップがお得になってきたみんなのFXとGMOクリック証券の2社が一押しです!
【注意事項・補足】
■全般
※注_z1: 原則固定 ※例外あり
※注_z2: 原則固定の適用対象外
■GMOクリック証券
※注_a1: ※南アフリカランド/円とメキシコペソ/円は10,000通貨単位
■外為どっとコム
※注_b1: キャンペーンスプレッド含む。詳細は公式HPをご確認ください。
※注_b2: 【口座開設キャッシュバックキャンペーンの適用期間】口座開設申込月から翌月末まで
※注_b3: 【スプレッドの原則固定など】ロシアルーブル円のスプレッドは原則固定の対象外になっております。また、ロシアルーブルの取引単位のみ10,000通貨に設定されています。
※注_b4: 【集計期間】2021/5/10~2022/7/18 【収支プラス率】全通貨ペア:57.96%、米ドル円:82.6 %、中国人民元円:79.9%、メキシコペソ円:76.1% 【累計損益率】メキシコペソ円:20.6%、中国人民元円:17.6%、米ドル円:9.7% 【損益計算式】累計損益=スポット評価損益+スポット確定損益+スワップ評価損益+スワップ確定損益+スワップ振替金額、累計損益率=累計損益/累計購入円価、収支プラス率=累計損益が0より多い方の割合
※注_b5: キャンペーンスプレッド。詳細は公式HPをご確認ください。
■LINE FX(LINE証券)
※注_c1: 月次でFX口座数を提示しているGMOクリック証券、GMO外貨、ヒロセ通商、外為どっとコム、トレイダーズ証券との比較(2020年3月~9月/LINE証券調べ)
■マネーパートナーズFX
※注_d1: 1回あたり5万通貨までの取引であれば、24時間米ドル/円を0.0銭のスプレッドで取引できます(5月29日~7月31日)。また、豪ドル/円、ユーロ/円も1万通貨まで、ポンド/円は5,000通貨まで、メキシコペソ/円は3万通貨までスプレッド0.0銭で取引できます。
■松井証券のFX
※注_e1:取扱通貨ペア(スイス/円、トルコリラ/円、米ドル/スイス、ポンド/スイス、ポンド/豪ドルを除く)について、FXサービスの取扱い業者11社(SBI証券、auカブコム証券、外為どっとコム、GMOクリック証券、DMM.com証券、トレイダーズ証券、ヒロセ通商、マネックス証券、マネーパートナーズ、楽天証券、GMO外貨)の中央値と比較。2021年12月21日時点、松井証券調べ。広告掲載日:2022年1月4日時点、上記スプレッドは、市場の急変時(震災などの天変地異、その他外部要因)や、市場の流動性が低下している状況(週初や週末、年末年始、クリスマス時期など)、重要指標発表時間帯などにより、やむを得ず提示以外のスプレッドになることもあります。
■ヒロセ通商(LION FX)
※注_f1: 米ドル/円、ポンド/円、ユーロ/円は原則固定でAM9:00~翌AM3:00のスプレッドとなっております。
※注_g1:1~100万通貨注文までの基準値
当サイトでは「金融庁:登録等を受けている業者一覧」に掲載されている証券会社のみをご紹介しております。
- - 金融庁
- - 日本銀行(外国為替市場)
- - 金融先物取引業協会
- - 日本証券業協会
- - 日本貿易振興機構(JETRO)
- - 株式会社 東京金融取引所
- - くりっく365(取引所為替証拠金取引)
- - GMOクリック証券(FXネオ)
- - SBI FXトレード
- - DMM FX
- - 外為どっとコム
- - GMO外貨
- - ヒロセ通商(LION FX)
- - みんなのFX(トレイダーズ証券)
- - LINE FX
- - LIGHT FX
- - インヴァスト証券
- - 松井証券のFX