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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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8093 極東貿易

東証P
1,946円
前日比
+2
+0.10%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
21.8 0.98 4.60 0.74
時価総額 253億円
比較される銘柄
ソーダニッカ, 
クレオス, 
グローセル
決算発表予定日

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極東貿易 Research Memo(3):経営危機をバネに、経営の舵取りと企業構造を大きく転換(2)


■会社概要

3. 特長と強み
(1) 理系出身の営業職・技術営業職は7割以上を占める
通常、商社の営業現場では文系出身者が多いとされているが、極東貿易<8093>では営業マンの7割以上は大学の理系出身者が占める。同社は人事政策上、理系出身者の採用を重視してきた。その背景には、技術営業を行うことのほか、導入・据付、運用・保守までエンジニアリング全般を、同社営業マンが仕入れ先の海外メーカーに頼らず、顧客に対して自主的に技術サポートできるようにしてきたためである。顧客へ納入した装置が原因不明の停止や故障になる度に海外メーカーに問い合わせるのでは時間がかかることから、同社の営業マンは顧客から絶大なる信頼を得ていると言う。さらに、同社では点検・保守メンテナンスを適時的確に対応すべく、保守・メンテナンスの専門子会社(日本システム工業(株))を設立して運用している。

同社には資源掘削関連部門があり、大学の地質工学や自然エネルギー資源の研究をしてきた学生を積極的に採用している。同関連部門の担当者は海外の採掘メーカーの技術者とともに海洋資源探査船に約3ヶ月間乗り込み、採掘装置の動作試験や立会試験まで関わっている。

(2) 顧客に大手企業が多く、信頼関係とロイヤリティを得ている
同社はこれまで日本の基幹産業(建設、鉱山、製鉄所、化学プラント、電力、繊維、エレクトロニクス、自動車部品等)に深く関わってきたため大手企業との取引が多い。同社創業以来の取引が継続している企業もあり、信頼関係とロイヤリティを得ている。一方、欧米、アジア等の海外市場でも米国自動車Big3や独自動車メーカーとも取引がある。これは同業技術商社と比較しても優良な顧客構造になっている。その根拠として、中堅商社の課題である「貸し倒れ」が、同社ではほとんど発生していないことが挙げられる。

また、国内主力製鉄所にはすべて出張所(室蘭、君津、千葉、知多、広畑、水島、小倉、大分)を配置して、細やかな営業サービスで差別化を図ってきた。製鋼の特定プロセス分野の装置を含めたプロセスソリューションの役割を同社が担っていると言える。

(3) 「誠実さ」と「粘り強さ」で取引先から高い評価
大手企業から厚い信頼を得ている背景には、誠実さと真面目さが挙げられる。顧客との交渉シーンでも顧客から「この価格でお宅は商売になるの」と言われることもあるようだ。また、粘り強い人が多いとも言われるようだ。そのため、新商材・新規事業において、困難があっても粘り強さを発揮するようだ。その好例が「軽量ケーブル」である。2007年ごろに航空電子営業部門が海外から持ち帰り、国内小型航空機向けに粘り強く提案とフォローを繰り返してきた。同時に2012年からラグジュアリーカー用軽量ケーブル向けに提案営業を繰り返し、2016年にやっと採用までこぎ着けた。そのような営業人材が多いことが技術商社にとって最大の強みである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)

《SI》

 提供:フィスコ

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