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2016年09月07日20時00分

進化するヘアケア市場、再生医療や海外展開など積極化 <株探トップ特集>


―意外な企業の意外な取り組み、市場獲得競争熱く―

●高齢化進み需要は堅調

 中高年のお悩みのひとつ、 薄毛対策への関心は根強い。矢野経済研究所が発表した2016年度のヘアケア市場予測は4413億円で前年度比微増を見込んでいる。脱毛症に悩む人はもちろん、近年ではアンチエイジングに対する関心の高まりなどが背景にある。人口構成の高齢化で需要は今後も増加していくものとみられるが、昨今では異業種企業も従来の経験を生かして参入してきており、市場獲得の戦いは熱くなるばかりだ。今後の薄毛対策はどうなっていくのかに着目した。

●薄毛治療も再生医療で!?

 毛髪再生医療の事業化に取り組む資生堂 <4911> は、2013年にカナダのバイオベンチャーのレプリセルと技術提携を締結した。具体的には、脱毛患者の後頭部(有毛部)から約20個の毛包を含む頭皮(直径5ミリメートル前後の円形)を切除し、特定の細胞だけを取り出す。それをレプリセルが開発した細胞培養プロセスで培養した後、脱毛部位に注入し、毛髪の成長を促す。これが実用化されれば、植毛よりも身体的負担の少ない施術が可能となるほか、自身の細胞を移植するため、拒絶反応などのリスクが小さくなる。14年には神戸医療産業都市に「資生堂細胞加工培養センター」を開設。同社広報部では「実用化時期については未定」としながらも、同時に「今年度中にヒトへの臨床研究を開始する予定」(同社広報部)と話しており、再生医療による薄毛治療の道は着実に歩みを進めている印象だ。

 京セラ <6971> も理化学研究所と再生医療のノウハウを持つベンチャーのオーガンテクノロジーズ(東京都港区)と共同で、毛包器官を再生して脱毛症を治療する技術や製品の開発・研究を行う。患者から採取した健康な毛髪の細胞を加工、増殖した後に患者に移植する手法をとる。京セラは長年培ってきた微細加工技術や生産技術を応用し、細胞加工機器の開発などを手掛け、20年に細胞の受託製造事業への参入を目指す。

●女性もののかつらは増加傾向に

 毛髪業の市場規模はほぼ横ばいだが、13年以降は女性用の需要が増加している。一般社団法人日本かつら協会によると、「女性かつら市場は薄毛や髪の悩み意外に『ウィッグ』のようにファッションという意識で使用する方が増えている」と話す。近年では、通販のかつらも台頭し、かつら業界の競争は激化の一途だ。

 なかでもかつら最大手のアデランス <8170> は、百貨店やGMSに積極的な展開を行っている。「かつらのつけ方やアフタフォローなどを充実させて、購入者の満足度を高めていきたい。また、最近の傾向としては、色やスタイルが決まっているレディメイド(既製品)の商品がよく売れている。最初にレディメイドを使って、使い慣れるとオーダーメイドを購入される方もいる」とIR担当者は話す。

 アートネイチャー <7823> も初心者が気軽に使えることを意識した女性用の部分かつら「エアリーウィッグ・ベネール」を販売。従来のかつらよりも小さくすることで、初めて使用する抵抗感を減らす狙いがある。

●海外へも熱視線、訪日客にも対応

 見た目に対する意識が高まっているのは国内だけではなく、アジアでも広がりを見せている。「ここ最近、シンガポールや中国などで美容への意識が高まっている。それに伴って、ウィッグの市場も今後広がっていきそうだ」と前述のアデランスIR担当は話す。

 また、粉体製造装置大手のホソカワミクロン <6277> は、子会社のホソカワミクロン化粧品が育毛剤「ナノインパクト100」を海外でも販売。成分を直径約140ナノメートルの微粒子に閉じ込め、肌や頭皮に浸透し、徐々に成分を放出するもので、海外での需要の取り込みを図る。

 一方、カネカ <4118> は同社が生産する合成繊維「カネカロン」で作ったウィッグやエクステンションがアフリカで圧倒的なシェアを築いている。同社がアフリカに進出して30年以上経っているが、03年ごろからウィッグ市場が急激に拡大した。当時、ナイジェリアなどで地下資源が発掘されたことで経済が急速に発展、中間層が増加したことにより身だしなみに対する関心が高まったことが要因。「今後はサブサハラ(サハラ砂漠以南の地域)を中心に業績を拡大していきたい」と同社広報部は力強く語った。

株探ニュース

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