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キトー Research Memo(4):国内は堅調に推移したものの、為替等の影響で減収で着地


■業績動向

● 2017年3月期の業績概要
(1) 損益状況
キトー<6409>の2017年3月期は売上高で51,141百万円(前期比8.4%減)、営業利益で4,208百万円(同19.4%減)、経常利益で3,249百万円(同29.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,897百万円(同24.0%減)となった。売上高は、国内は堅調に推移したものの、海外は為替の影響もありすべての地域で減収となった。地域別売上高は日本の比率が25.7%、海外が74.3%となった。

営業利益の増減を要因分析すると、増益要因としては、値上効果503百万円、為替の影響による未実現利益の増加456百万円、販売管理費の削減965百万円などがあった。一方で減益要因としては、販売数量減の影響952百万円、為替(円高)による粗利の減少1,348百万円、M&A費用の発生637百万円などがあり、結果として営業利益は前期比で1,013百万円減少した。なおM&A費用は、主にシュタール入札のために要した費用で、第3四半期に計上された。

(2) セグメント(地域)別状況
セグメント別の状況は以下のようであった。平均為替レートは、USドルが108.4円(前期120.1円)、カナダドルが82.5円(同91.8円)、ユーロが118.8円(同132.6円)、人民元が16.4円(同19.2円)であった。

a) 日本
日本は売上高13,129百万円(前期比3.4%増)となった。電力、橋梁などのインフラ整備向けの需要が顕在化し建築土木関連は堅調であった。また民間設備投資関連は、ユーザーの慎重な姿勢が続いたが、受注は底堅く推移した。増収率は3.4%に止まっているが、前期にはジャパンディスプレイ向けの大型特需(約440百万円)が含まれているため、これを除けば伸び率はさらに高くなっていた。会社側も「国内については健闘した結果であった」と述べている。

b) 米州
米州は売上高24,742百万円(同11.3%減)となった。依然として石油・石炭・天然ガスなどの資源産業向けの投資需要は低迷したが、米国の西海岸に雪が多かったことなどからタイヤ用チェーンが好調に推移した。このため、円ベースでの売上高は2ケタの減収となったが、主に為替(円高)の影響によるもので、現地通貨ベースでは1.7%減に止まっている。「内容としては、まずまずの結果であった」と会社は述べている。

c) 中国
売上高は5,034百万円(同32.1%減)と大幅な減収となった。現地通貨ベースでも売上高は27.2%の減収となった。中国では同社製品に対する評価は高く市場シェアは高まっているが、経済減速による市場全体の落ち込みの影響を受けて同社製品への需要も低迷が続いている。しかしながら、傾向として底打ち感は出ており、これ以上の悪化はないようだ。その一方で、人件費を可能な限り変動費化するなどの経費削減策の効果は着実に出ている。

d) アジア
アジアは売上高4,925百万円(同7.4%減)となった。韓国においてフラットパネルディスプレイ向けクリーンルーム用クレーンの受注が好調だった。なお、この大手電子メーカー向けクリーンルーム用クレーンの受注は2018年前半まで見えており、今後も堅調な売上が続く見込みだ。タイにおいては、自動車産業を中心とした投資の低迷が、依然として続いているが、管理体制の強化策は終了しており、収益力は高まっている。アジアでは、各地域で利益管理の強化を継続しており、地域全体の収益力は着実に高まっている。

e) 欧州・その他
欧州の売上高は1,523百万円(同17.1%減)、その他地域の売上高は1,785百万円(同178.0%増)となった。欧州では全体的に投資への動きが鈍く、減収となった。その他が大幅増収となったのは、2016年に買収したPWB Anchorの分が第2四半期から連結に加算されたためで、本来のその他地域(アフリカや中東)は不振であった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《TN》

 提供:フィスコ

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