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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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5932 三協立山

東証P
806円
前日比
-2
-0.25%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
0.28 2.48 18.20
時価総額 254億円
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タカショー Research Memo(3):独自の付加価値商品によるプロユース向けが主力事業に成長


■会社概要

2. 事業内容
ガーデニング及びエクステリア商品の企画、製造、販売を主力事業としているタカショー<7590>は、ガーデニング用品の取扱いでは国内最大級の規模を誇る。「やすらぎのある空間づくり」を基本コンセプトに、人工・天然の竹木製フェンスやガーデンファニチャー、緑化資材のほか、照明器具や池・滝・噴水なども手掛けている。国内のガーデニング市場の拡大、環境や精神的豊かさを重視する意識の変化なども追い風としながら、庭での暮らし方を提案する「ガーデンライフスタイルメーカー」として業容を拡大してきた。また、国内のみならず、海外への販路拡大にも積極的であり、欧州、米国、アジア、オセアニアなどへ展開している。

事業セグメントは、ハウスメーカーやエクステリア施工業者向けの「プロユース事業」、ホームセンターなどへの卸売を中心とした一般消費者向けの「ホームユース事業」、海外子会社による「国際事業」の3つに分類される。事業別売上構成比では、「プロユース事業」が59%、「ホームユース事業」が33%、「国際事業」が8%となっており、注力する「プロユース事業」が伸びている(2017年1月期実績)。

事業別の概要は以下のとおりである。

(1) プロユース事業
エクステリア分野(住宅の門扉やフェンス、カーポートなど)向けに、主力商品であるアルミ製人工木「エバーアートウッドR」をガーデンエクステリアとして提供しているほか、「エバーアートウッドR」を部材とする「アートポート」シリーズや「エバーアートRフェンス」シリーズを展開している。また、最近では、木、石、塗り壁、和風など様々な天然素材を再現したアルミ複合板と「エバーアートウッドR」を組み合わせた景観建材「エバーアートボードR」の販売も開始し、市場の大きなコントラクト分野(非住宅市場向け建材、外装)向けに実績を積み上げている。「エバーアートウッドR」は、情緒性に優れたデザインや豊富なカラーバリエーション、耐久性、施工の容易さに加え、一部のアイテムにおいては変色やはがれに対する5年間の保証(「エバーアートボードR」においては10年間の保証)などが特長となっている。

また、同社独自の「ローボルトRライト」も手掛けている。電気工事資格を持たない者でも照明施工が安全かつ簡単にでき、ガーデンとエクステリアのあらゆるシーンを美しくライティングできる充実したラインアップ(アイテム数1,200 種)を取りそろえているところや、すべてのアイテムがLED化されているなど、環境負荷の抑制と美しく安全な夜の屋外空間の創出を両立できるところが強みとなっている。建築家などにより選定され、“ 優れた建築を生み出すことに貢献し得る、優れた建材・製品” に与えられる、一般社団法人HEAD研究会主催の「第4回HEADベストセレクション賞」(2014年度)を受賞している。

なお、プロユース向けについては、総合カタログ「PROEX(プロエクス)」を定期的に発刊し(毎年25万部)、造園業者や設計士、ハウスメーカー、エクステリア施工業者などにDMにて送付している。また、コントラクト分野の強化を目的として、設計士向けの施設・非住宅専用カタログ「景観・建築内外装材総合カタログ」や、屋外照明事業の一層の強化を目的としたガーデン&エクステリアライティング総合カタログ「LEDIUS(レディアス)」なども発刊しており、同社ならではのクオリティにこだわったカタログが効果的な販促ツールとなっている。

国内のハウスメーカーやエクステリア施工業者向けが中心であるが、最近ではオーストラリアや韓国、欧州など、海外からの引き合いも増えている。

(2) ホームユース事業
ホームセンターやガーデンセンターへの卸売りや、通販、ネット販売により、一般消費者向けの商品(ガーデン家具や日除け、ガーデニング用品、照明器具、池・滝・噴水など)を手掛けている。ホームセンター市場の縮小による影響に加えて、商品構成の見直し(自社製品への切り替えによる収益性や商品力の向上)等を推進していることから、足元では低調に推移している。

(3) 国際事業
欧州(ドイツ)、英国、米国、オーストラリア、中国の販売子会社を通じて、主にホームユース向けの商品をグローバルに展開している。特に、最近では、英国子会社ベジトラグUKによる「ベジトラグアイテム」が米国展開などにより大きく拡大してきた。中国における生産拠点も順調に稼働を高めていることから、ガーデニングの本場である英国で企画・ブランド化した定番商品をグローバルに展開する戦略が形になってきたと言える。

生産拠点は国内と中国に有する。国内は、プロユース向けの主力商品を生産しており、製造子会社のガーデンクリエイト(株)(和歌山県海南市)、徳島ガーデンクリエイト(株)(徳島県吉野川市)、(株)ガーデンクリエイト関東(栃木県鹿沼市)が担っている。また、中国では、ホームユース向けの商品を中心に生産し、日本を含む世界各地へ輸出している。

同社グループは、2017年7月末時点で連結子会社16社(国内6社、欧州2社、中国6社、オーストラリア1社、米国1社)と関連会社3社(国内1社、中国2社)で構成される。国内子会社は、プロユース向け商品を中心に、企画から製造、販売、サービスまで、グループ一体となって幅広いソリューションが提供できる体制を構築している。

3. 業界環境
ガーデニング用品に限定すれば、中小規模の同業者がひしめき合うなかで、唯一の上場会社である同社が国内で最大級の規模を誇っている。また、本格参入したエクステリア分野は、フェンス市場600億円、テラス・ガーデンルーム市場400億円、カーポート市場600億円、伸縮門扉市場600億円などによって構成される。全国エクステリア工業会の会員である5社(同社のほか、三協立山<5932>、四国化成工業<4099>、LIXILグループ<5938>、YKK APエクステリア(株))が上位を占めていると考えられる。

一方、コントラクト分野(非住宅市場向けの建材、外装)については、建築業界を中心に約13兆円と大きな市場を形成している。また、同様に注力している屋外照明市場は約1,200億円(同社推定)の規模となっている。

世界のガーデニング市場に目を向ければ、米国5兆円、英国4兆円、ドイツ1.2兆円、オーストラリア4,000億円、韓国2,000億円と推定されている(同社推定)。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ
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