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5261 リソルホールディングス

東証P
5,030円
前日比
-10
-0.20%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.6 1.85 1.59 11.55
時価総額 280億円

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リソル Research Memo(3):多世代が楽しめる、多彩な施設と多様なサービス(1)


■事業概要

1. 事業内容
リソルホールディングス<5261>の事業セグメントはゴルフ運営事業、ホテル運営事業、開発事業(投資再生ビジネス、再生可能エネルギー、地方創生推進)、福利厚生事業、リゾート関連事業(ゴルフ・リゾート会員権、別荘・保養所)の5事業である。売上高と営業利益の構成比を見ると、売上高はゴルフ運営事業が41.1%、ホテル運営事業が36.9%、開発事業が9.9%、3事業合計で87.9%、営業利益はゴルフ運営事業が19.1%、ホテル運営事業が39.0%、開発事業が40.7%、3事業合計で98.8%となり、この3事業が主力事業ということができる(季節性があるため直近の通期業績である2017年3月期の構成比で比較)。

しかし、こうした単純な説明では、同社を本体とするグループの事業全体像を捉えることはできない。後に詳細を説明するが、同社グループのビジネスが事業同士の重層的なシナジーで成立していることが理由である。もちろん各事業は単独で収益向上と成長を目指すわけだが、むしろ各事業が有機的に結びつくことで醸成されるシナジーや付加価値を背景に、顧客に高い利便性や大きな満足を提供することが同社グループの事業ということができる。その象徴が同社グループの基幹施設、多世代交流型リゾートコミュニティ「リソル生命の森」である。同社グループの事業構造は、「リソル生命の森」を幹とし、ホテル、ゴルフ、ライフサポート、リゾートライフを枝とする“ツリー型”構造となりつつある。それぞれの事業がノウハウや情報の共有を通じてグループシナジーを更に発揮することで、リソルツリーは多世代が交流するリゾートコミュニティとして大きく育っていくのである。

(1) ホテル運営事業
ホテル運営事業では、ビジネスホテルからリゾートホテルまで様々な業態に関する運営や経営、コンサルティング、施設業務管理などを行っている。事業の核となる運営施設は、立地や客層など諸条件を厳密に審査し、現在の競争力と将来のポテンシャルを的確に評価、さらに社内ポートフォリオを意識して、受託を中心に事業モデルを決定している。また、運営現場においては、きめ細かな価格設定、コスト管理、リソルカード制度による顧客の囲い込み、顧客志向、アンケートによる顧客フォローを徹底すること。これらがプラスに作用しリピーターの獲得を成功させ、事業の成長に繋げている。

実際のホテル運営は、1)競合に対しきめ細かな価格設定を実施することで稼働率の向上につなげていること、2)金沢と函館で新幹線開通後も引き続き好調を維持していること、3)需要が強いインバウンドと国内需要をバランスよく取り込んでいること、4)くつろぎサービスによる集客面での差別化を図っていることなどにより好調を維持している。他社との差別化を図るため、「リビングロビーR」、「ウェルカムアロマ」、客室の中で靴を脱いでくつろげる「シューズオフスタイル」、「オリジナル快眠ベッド」など独自のくつろぎスタイルを提案している。なかでも「リビングロビーR」は、2017年4月「ホテルリソル名古屋」のリニューアルに合わせて、「『もう1つの居場所』があるホテルへ」という新しいコンセプトで本格展開を開始した。「ホテルリソル名古屋」の「リビングロビーR」の写真を見ると、手前がリビングソファ、奥がPCなど作業スペースとなっており、シーンに合わせた過ごし方ができる居心地の良いロビーである。一方、客室はデスクを小さくベッドを大きくしてくつろぎ感を演出している。今後オープンが予定されるホテルリソルに積極的に導入していく予定だ。主力業態のホテルリソルのほかにも、マリンリゾート「プリシアリゾートヨロン」、ペットと泊まれる「ペット&スパホテル那須ワン」や保養所タイプのホテル「R&Sホテル」、フェアウェイフロントに佇む高級別荘「ゴルフヴィラ」、手軽に高級な別荘やリゾートマンションが楽しめる「スイートヴィラ」や長期滞在向けの別荘シェアリング「リソルステイ」などがある。

(2) ゴルフ運営事業
ゴルフ運営事業では、ゴルフ場の運営、経営、コンサルティング、ゴルフ場の施設業務管理、レジャー用品の販売などを行っている。事業の核となる運営施設は立地や客層などを厳密に審査して、取得または受託を決定している。また、運営現場では、コスト管理に加え、リソルカード制度による顧客の囲い込み、顧客志向と顧客フォローによってロイヤルティの向上とリピーターの獲得を目指している。

同社は、より幅広い利用者を取り込むため、運営スタッフ3人による究極の効率運営コースから高級接待コースまで、顧客のニーズに合わせオールラウンドな運営スタイル実現に向けて努力している。こうしたポジションのまったく異なるゴルフ場運営で得られるノウハウを相互活用して柔軟な変化対応力を備え業界内での差別化を図る構えである。

その営業施策の一環として、バンケット事業を強化、ゴルフプレーヤー以外の人でもゴルフ場を気軽に利用できるよう、ランチビュッフェやブライダル、法事、宴会といったレストランの利用などを促進し、クラブハウスのコミュニティ化を図っている。「瀬戸内ゴルフリゾート」では、謝恩会やコンサート、法事などバンケット事業を始めたことで、レストラン収入は30%も伸び、婚活イベントも成功を収めている。「大熱海国際ゴルフクラブ」では、食育を兼ねたバイキングマナー教室が開催され好評であった。リゾートも運営しているゴルフ運営会社だからこそのシナジーと言えるだろう。

新しい取り組みの中で特筆すべきは、「エンジョイゴルフR※」をコンセプトとする新しい運営スタイルでリ・スタイルオープンした「南栃木ゴルフ倶楽部」である。過剰なサービスをなくし圧倒的なコストパフォーマンスを追求している。バッグ積み下ろしのセルフ化、現金前金制や運営スタッフ平日3人体制(土日は7~8人)、タオル持参、月・火・水・木はアメリカンスタイル(ノンストッププレー・食事なし)、金・土・日・祝はジャパニーズスタイル(ハーフ後に昼食休憩あり)など、徹底したローコストオペレーションを取り入れた。当初は集客を懸念したが、低価格で気軽にプレーしたい初心者や、純粋にゴルフを楽しみたいヘビーゴルファーに好評で、利用頻度や稼働率が上昇し収益が改善、業界で今最も注目されるコースの1つとなっている。

※ 「エンジョイゴルフ」は、同社の登録商標

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)

《NB》

 提供:フィスコ

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