【特集】高成長【始動】候補リスト〔第2弾〕 39社選出 <成長株特集>
木村化 <日足> 「株探」多機能チャートより
下表では、時価総額50億円以上300億円未満の銘柄の中から、直近四半期に前年同期比で【10%増収・20%経常増益】を2四半期もしくは3四半期連続で達成した39社を“高成長「始動」候補”として選び出し、直近四半期の増益率が大きい順に記した。連続で収益が拡大し始めた企業は、これから高成長が期待できる有力候補として注目していいだろう。
増益率トップの木村化工機 <6378> は化学機械装置の設計・製作・工事を手掛けるエンジニアリング事業の収益が急拡大したうえ、コスト削減も寄与し、7-9月期(第2四半期)経常利益は前年同期の200万円から4億2100万円に拡大した。あわせて18年3月期通期計画の上方修正も発表、株価は約4年4ヵ月ぶりの高値圏に急上昇したがその後は調整局面が続いている。ただ、受注残高は高水準でさらなる業績上振れの可能性があるうえ、指標面では予想PER13.4倍と割安感も出てきており、上昇トレンドへの復帰が期待される。
2位の東洋合成工業 <4970> [JQ]は主力の感光性材料が半導体や液晶・有機ELディスプレー向けに大きく伸びた。業績好調を踏まえ通期の経常利益予想を大幅に上方修正したが、中間期(4-9月)実績の修正した通期計画に対する進捗率は72.8%に達しており、再上方修正に期待がかかる。3位の明豊エンタープライズ <8927> [JQ]は主力の投資用賃貸アパート4棟、中古再生物件1棟を引き渡し、8-10月期(第1四半期)は売上高2.6倍、経常利益13.8倍と業績高変化をみせた。18年7月期の経常利益は前期比3.7倍の20億円と最高益を記録した07年7月期以来の水準に大復活する見通しだ。今期は10期ぶりに復配を計画するほか、4.2%の自社株買いも実施しており、株主還元面の評価も高い。
選出リストでは、投資指標面で割安感の強い銘柄が目立つ。以下、予想PER10倍前後、かつPBR1倍割れの銘柄をみていきたい。17位のヤマダコーポレーション <6392> [東証2]は主力の産業用ポンプや自動車整備に使う全自動フロンガス交換機の増勢が続いている。同社は海外展開に積極的で、海外売上比率は50%を超える。中間期業績好調に伴い通期予想を上方修正したが、想定為替レート1ドル=105円を据え置いた。現在の為替水準が続けばさらなる上振れの可能性が高まるだろう。
19位の通信機器メーカー、ユニデンホールディングス <6815> は北米など海外でドライブレコーダーや無線機器の販売が大きく伸びた。20位のCKサンエツ <5757> [東証2]は黄銅製品の国内トップメーカー。7-9月期(第2四半期)は高水準な銅相場を追い風に販売単価が上昇したうえ販売数量も伸びた。同社は時価総額や経常利益などが東証1部の条件を満たしており、東証2部上場から1年が経過する来年3月以降、1部昇格候補として注目されそうだ。
28位のトヨタグループの塗装設備大手、トリニティ工業 <6382> [東証2]と31位の自動車向け鋼材を主力とする金属専門商社、佐藤商事 <8065> は低PER・PBRに加え、配当利回り2%台後半と高水準で、3拍子が揃った高成長銘柄としてマークしておきたい。また、38位の日本電計 <9908> [JQ]は主力の電子計測器が半導体・電子部品メーカーや自動車業界向けに好調だ。同社は来年1月に開催される「第1回自動運転EXPO」に出展するなど自動運転関連としても注目度が高い。直近の株価上昇でPBRはわずかに1倍を超えたが予想PER9.0倍と割安であることに違いない。
┌─ 経常利益 ─┐ ┌─ 売上高 ─┐ 増収増益
コード 銘柄名 増益率 直近四半期 増収率 直近四半期 予想PER 連続期数
<6378> 木村化 20950 421 34.3 5229 13.4 2
<4970> 東洋合成 1572 418 27.3 5318 17.7 2
<8927> 明豊エンタ 1276 908 159 3813 5.6 2
<6092> エンバイオH 721 156 86.3 2385 28.1 3
<4312> サイバネット 546 155 11.1 3749 24.6 2
<8912> エリアクエス 370 282 115 1081 19.1 2
<6065> ライクKN 313 409 17.2 4148 15.5 2
<3434> アルファCo 276 752 27.7 14467 15.1 2
<9467> アルファP 269 155 50.7 993 33.2 2
<4644> イマジニア 195 274 31.5 1135 21.8 3
<5358> イソライト 179 998 22.8 4263 13.6 2
<1853> 森組 176 1202 26.5 9394 9.6 2
<3173> 大阪工機 147 193 15.5 5774 18.2 2
<3458> CRE 129 307 15.6 4755 19.1 3
<6164> 太陽工機 125 239 18.5 1869 14.9 2
<7715> 長野計器 121 897 21.4 12444 16.5 2
<6392> ヤマダコーポ 94.7 403 13.9 2488 9.6 2
<7472> 鳥羽洋行 88.7 517 37.8 7415 12.9 2
<6815> ユニデンHD 78.4 610 39.1 4272 8.0 2
<5757> CKサンエツ 68.5 1262 23.4 19394 9.2 3
<6291> エアーテック 68.4 192 54.6 2612 24.0 2
<6637> 寺崎電気 65.0 401 17.1 8829 12.1 2
<3851> 日本一ソフト 63.7 280 92.6 1622 33.1 2
<1782> 常磐開発 53.7 541 34.0 5031 6.2 2
<1967> ヤマト 48.0 1132 14.7 12118 9.7 2
<3245> ディアライフ 47.1 1180 86.5 9368 14.1 2
<7902> ソノコム 46.7 179 24.9 632 13.5 2
<6382> トリニ工 44.8 676 20.8 9373 9.8 3
<5289> ゼニス羽田 43.7 579 22.7 4035 11.0 3
<2714> プラマテルズ 42.8 267 14.8 14503 14.1 2
<8065> 佐藤商 38.2 1042 17.5 51418 10.2 2
<2477> 手間いらず 35.8 163 20.5 264 58.7 2
<7609> ダイトロン 34.4 668 18.2 12865 16.6 2
<7466> SPK 30.2 483 12.2 10422 12.7 2
<5807> 東特線 29.8 754 20.4 4706 13.1 2
<4973> 日本高純度 29.5 290 28.9 2671 20.6 3
<9057> 遠州トラック 25.5 345 10.9 6252 12.0 2
<9908> 日本電計 24.0 802 11.0 22797 9.0 2
<1716> 第一カッタ 20.2 393 27.5 3764 13.1 2
※売上高と経常利益の単位は百万円。2016年1月以降に上場した企業は除いた。
株探ニュース