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4956 コニシ

東証P
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PTS
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20:43 04/26
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.8 1.10 2.46 13.07
時価総額 944億円
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コニシ Research Memo(8):グループ収益力強化のために思い切った組織変更、セグメント変更を断行


■今後の見通し

2. 組織変更及びセグメントの組み換え
コニシ<4956>では、関係会社との連携をより一層強化してグループとしての収益力を高めるために、2018年3月期から以下のような組織変更とセグメント変更を実施した。

(1) 組織変更について
関係会社の売上高及び営業利益の比率は4年前(2013年3月期)には、各々約25%、約35%であったが、2017年3月期はそれぞれ約30%及び約40%まで高まってきた。このため、今後はさらに関係会社を含めた「グループ経営」がより一層重要になるとの判断から、2018年3月期から、製品毎にグループ化し、さらに各グループに経営責任者(CEO)を設置して責任体制を明確にした。これによって関係会社との連携を強化してグループとして収益力を高めることで、コニシグループ全体の業績向上を推進する方針だ。

(2) セグメント変更について
また、上記の組織変更に伴い、セグメントについてもそれまで同社本体の中にあった土木建設用ボンド事業を、2018年3月期から土木建設セグメントに組み換えた。これによって、今まではどちらかと言えば、同社本体の土木建設用ボンドの営業部隊と土木建設工事関連の子会社群が必ずしもうまく連携していたとは言えなかったが、グループ及びセグメントとして一体化されたことで、より効率的な営業、さらには収益性の向上が期待できる。

3. セグメント別業績見込みと重要施策
各セグメントの計画(売上高、営業利益)及び重要施策は以下のようになっている。

(1) ボンド事業
ボンド事業の売上高は48,400百万円(前期比3.1%増)、営業利益は4,780百万円(同3.2%増)を計画している。原材料価格は横這いの前提で、どちらかと言えば価格は多少犠牲にしても数量を取りにいく営業を展開する計画で、主に以下のような施策を実行していく。

a) 地域密着型営業の推進
まず事業部制を廃止して、東西統括性を導入。これによって事業部間の壁を取り払い、より顧客密着型の営業を展開する。新規営業所として、既に4月に千葉営業所を開設済みで、さらに8月に姫路営業所を開設した。これにより、全国14拠点制が整う。

b) 関係会社との連携強化
サンライズMSIから同社本体への売上が増加中(2017年3月期実績で前期比16.3%増)なので、一段と連携強化を図り、更なる販売増を目指す。また、ウォールボンド工業においては、同社の販売ルートを使った西日本での販売(2017年3月期実績で約5%)が計画に対して伸びていないので、引き続き西日本での販売を強化する。また、既に共同での製品開発もスタートしており、同社の研究開発部門を活かした新製品が出てくる日も近いだろう。

(2) 化成品事業
化成品事業の売上高は54,200百万円(前期比5.8%増)、営業利益は600百万円(同40.5%増)を計画している。化成品事業の構造改革を継続していく。以下のような施策を実行していく。

a) 新規商材、新規顧客の開拓:以前からの継続施策
b) 自社製造・加工品の販売を検討(基礎研究所との連携):化成品事業の営業が、顧客から得たニーズを研究所へフィードバックし、顧客が求める新しい製品や加工品を開発し販売しようという計画
c) 加工業などへの進出やM&Aを視野に入れる:新たな分野への挑戦やM&Aによる拡大を目指す
d) 丸安産業との協業

(3) 土木建設事業
土木建設事業の売上高は27,300百万円(前期比18.9%増)、営業利益は1,960百万円(同13.5%増)を計画している。既述のように、新しいセグメントでの業績予想となっているが、営業利益のうち約800百万円は工事部門の計画になっている。市場環境としては、引き続き社会インフラ(道路・鉄道・橋梁)の維持補修工事の継続が見込まれ、建築物の耐震補強工事も加速すると予想される。このようななかで、同社では以下のような施策を実行していく予定だ。

a) 工事向け材料、工法の販売拡大:同社とボンドエンジニアリングの協業により新製品・工法の開発を強化する
b) 外壁はく落防止の新工法を市場投入:関係会社やべステム工業会※へ展開し、2018年3月期は5万平米の施工を目指す

※コニシべステム工業会連合会:都市整備からビッグプロジェクトまで独自の接着システムで的確なノウハウを提供する技術集団。


また、その他事業の売上高は100百万円(前期比56.7%減)、営業利益は50百万円(同11.1%増)と予想されている。

4. 海外事業の推進
もう1つの同社にとって重要な施策が海外展開だ。2017年3月期の実績では、海外売上高は約7,200百万円(比率5.9%)にとどまっているが、できるだけ早い時期にこの比率を10%に高める計画だ。この目標達成のために、以下のような施策を実行していく方針だ。

a) 中国
化成品:自動車業界への拡販を目指す。
ボンド:自動車用離型剤、建築用変成シリコーン、土木業界向けエポキシ系の販売増を目指す

b) ベトナム
木工家具業界向け接着剤が増加中なので、これをベトナム全土、カンボジア・ミャンマーへも販売を加速する。そのための増産に向け、製造釜を増設(約200百万円の投資)し、生産能力を倍増(220トン→400トン/月)させる。

5. 設備投資額と減価償却費
2018年3月期の設備投資額は2,567百万円(前期は2,451百万円)が予定されており、主な内容は、危険物倉庫(栃木、滋賀工場)へ700百万円、ベトナムの生産能力倍増へ200百万円、2液ウレタン系接着剤の生産能力増強へ100百万円、残りは通常の設備更新投資となっている。

減価償却費は1,923百万円(前期は1,873百万円)の見込みで、ほぼ横ばいとなっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《NB》

 提供:フィスコ

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