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3434 アルファ

東証S
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前日比
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PTS
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23:38 05/10
業績
単位
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時価総額 165億円
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アルファ Research Memo(7):中期経営計画達成に加え、100年企業を目指し新たな成長ステージ迎える


■中長期の成長戦略

1. 2018年度売上高60,000百万円、営業利益率5%以上の達成を目指すなかで利益は前倒し達成見通し
アルファ<3434>は2018年度の創業95周年に向け、2016年6月に2016年度から2018年度を対象期間とする中期経営計画を策定した。この中で、2018年度売上高60,000百万円、営業利益率5%以上の達成を目指している。基本方針として「収益基盤の強化」、「新事業・新商品開発」、「人材育成」の3つの方針を掲げ、100年企業を目指すワンステップとしている。

2. 各事業の展望
(1) 自動車部品事業の展望
自動車部品事業は、国内生産を集約化、合理化し、営業黒字化を目指す。現状、損益分岐点売上を3年前と比較し20億円引き下げに成功、2019年3月期には営業黒字化が実現できる見通しにある。なお群馬工場では余剰スペースを有効活用し太陽光発電事業を2016年12月より稼働させ、電力コスト引き下げの一助としている。中期的には、主要顧客である日産自動車が三菱自動車を傘下に収めたことから、今後、三菱系列の新車開発において、同社製品の採用の可能性も高まるとみられる。一方海外はASSA ABLOY ABのカーアクセス・セキュリティ事業が今期よりフルに寄与、年間売上高で80億円から90億円程度上乗せされる見通し。2018年3月期上期の欧州部門の収益が売上高で4,251百万円、営業利益で1百万円となっているが、初年度として諸経費増の中で営業黒字を確保できる見通しから、来期以降、着実に経常利益上乗せが見込まれる。中期的には日産グループ以外での拡販、とりわけVWグループへの拡販は、欧州をスタートに中国を含めた事業拡大となればグローバル化に弾みがつく可能性がある。欧州では日産、日産グループのルノーに加え、新たに欧州でのライバル企業の顧客獲得の可能性も有する。また同社はコア技術である認証技術/センサー技術/防盗技術を駆使し、世界初となるハンド式バックドアセンサーを2013年に市場投入以降、サイドドア/スライドドアを含めた開き物への応用製品の開発にも着手している。さらに今後、自動運転システムへの対応では、自動車部品の半分近くを占めるドアハンドルについて、インテリジェントキーと交信するアンテナ内蔵ドアハンドルをさらに高度化し、新たな市場拡大への期待もある。またASSA ABLOY ABは欧州で先行普及しているカーシェアリングに対するキー管理システムのノウハウを生かし、業務用シェアリングビジネスで新たなビジネス展開も期待される。

(2) セキュリティ機器事業の展望
セキュリティ機器事業については、住宅・産業用ロック部門ではメカ・シリンダーと、エレクトロニクスによる識別技術を組み込んだメカトロニクス商品をさらに高度化、edロックシリーズを核に電子化を推進する。ホームオートメーションシステムへの接続や、スマートフォンでの施解錠状態の確認等の機能などだけでなく、民泊施設拡大に伴いキー管理システムなどの新分野で展開も期待される。

ロッカーシステムについてはネット通販市場の急拡大に伴い、宅配物の再配達削減に貢献する取り組みとして、同社は鉄道駅に展開しているコインロッカーで受取りを可能とするシステムを京王線で開始、システム運用ビジネスを始めた。今後はスマートフォンで指紋認証、ドローン配送など、次々と新サービスが出現するなかで、受取業務となるセキュリティ分野での新たな取り組みも期待できる。

(3) 中期経営計画の前倒し達成だけでなく100年企業に向けて更なる事業拡大が期待される
2018年3月期会社予想業績が達成された場合、中期経営計画想定である2019年3月期売上高60,000百万円、営業利益3,000百万円以上に対して、進捗率として売上高で95%、営業利益で107%の超過達成、営業利益率も0.6ポイント超過達成となり、売上高を除き1年前倒しで達成の数字となり、スピード感ある企業変革が実行されていると判断できる。

このため、中期経営計画の最終年度である2019年3月期は、新商品上高比率で現状未達成となっている10%分をいかに実現するかがポイントであるが、既に成果も出始めている。既存事業の売上拡大もあり、新商品売上高比率25%の達成は多少ハードルが高いものの、絶対額での新商品売上高の達成は十分可能である。

既に同社は中期経営計画達成を超え、100年企業に向けて更なる事業拡大の新ステージに入ったものとみられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)

《MW》

 提供:フィスコ

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