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【特集】笹木和弘氏【不透明感募る世界株市場、どう読む“FOMC後”】(2) <相場観特集>

笹木和弘氏(フィリップ証券 リサーチ部長)

―米株安でリスク回避の流れ継続、下値では押し目買いも―

 週明け24日の東京株式市場は、日経平均株価が朝安後急速に下げ渋りプラス圏に切り返した。前週末の米国株市場ではNYダウなど主要株価指数が大幅続落歩調にあり、投資家心理は冷え込んだ状態にあるが、きょうの東京市場は売り一辺倒とはならず、下値ではしたたかに押し目を拾う動きも観測された。今週25~26日の日程で行われる米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいとの思惑は根強いが、ここを通過した後の日米株式市場の見通しはどうか。第一線で活躍する市場関係者2人に話を聞いた。

●「NY市場に一段の下げ警戒感、底打ちには『恐怖指数』の急騰必要か」

笹木和弘氏(フィリップ証券 リサーチ部長)

 NY市場は楽観視できない状況にある。21日のネットフリックス<NFLX>の株価は20%を超える急落となった。新規契約者数の伸び悩みが警戒されたが、市場の期待値が上がり過ぎていることもあり、これから決算が発表されるアップル<AAPL>などGAFA銘柄に対する警告的な側面もありそうだ。米国では、巨大テック企業に対する規制強化の動きが出ていることも気になる。また、ロシアのウクライナに対する軍事行動の懸念が高まっている。ウクライナ情勢の緊迫化はエネルギーや穀物相場の上昇要因となり、インフレ懸念に拍車をかける。

 25~26日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されている。ここで今後の金融政策の方向性がみえれば、相場はいったん落ち着く可能性もある。しかし、足もとで景気指標に減速懸念が出ており、景気敏感株にもシフトしづらい。これまで相場の下落場面では米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和などで下値を支えたが、いまはインフレ抑制のため利上げを進めなければいけない状況にある。NY市場が底を打つには、恐怖指数と呼ばれるVIX指数が40か50かは分からないが、一度急騰することが必要なのかもしれない。

 こうしたなか3月末頃までのNYダウのレンジは下値が3万500ドル、上値は3万5000ドル前後を見込む。当面はなお軟調な展開が予想される。ナスダック指数は、今後3ヵ月程度で1万2000割れもあり得るだろう。

 個別では、ディフェンシブ銘柄のジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>やプロクター・アンド・ギャンブル<PG>、それに医療・ヘルスケア関連のユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、ボストン・サイエンティフィック<BSX>、防衛のロッキード・マーチン<LMT>、資源のフリーポート・マクモラン<FCX>、穀物商社のアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド<ADM>などに注目している。


(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(ささき・かずひろ)
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家の傍ら投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・香港・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。

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