【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):DyDo、京成、中外薬
DyDo <日足> 「株探」多機能チャートより
ダイドーグループホールディングス<2590>が急反発。26日の取引終了後に発表した第3四半期累計(1月21日~10月20日)連結決算が、売上高1801億7200万円(前年同期比9.0%増)、営業利益64億1600万円(同10.8%増)、純利益72億5700万円(同73.7%増)と2ケタ営業増益となり、通期計画を上回って着地したことが好感された。主力の国内飲料事業は、昨年11月の自販機の価格改定による販売数量減から回復しておらず苦戦した。一方、海外飲料事業は主力のトルコで躍進が続いているほか、2月にポーランドのヴォサナ社を買収した効果もあって大幅な増収増益となり、業績を押し上げた。なお、25年1月期通期業績予想は、売上高2400億円(前期比12.5%増)、営業利益44億円(同17.9%増)、純利益49億円(同10.8%増)の従来見通しを据え置いている。
■京成電鉄 <9009> 4,641円 +222 円 (+5.0%) 本日終値 東証プライム 上昇率6位
京成電鉄<9009>の上値追い鮮烈、週明け25日に大陽線を引いて大幅高に買われた後も上げ足が止まらない状況にある。ここ株価の刺激材料発現が相次いでいる。週明けの急騰は旧村上ファンド系アクティビストの同社株買い増しの動きを材料視したものだが、前日引け後にはオリエンタルランド<4661>の自社株買いに応募する形で、保有するOLC株を1800万株売却することを発表し投資マネーを呼び込んでいる。売却額は最大618億円と伝えられており、これによる成長投資や有利子負債削減などへの原資としてポジティブ視されている。一方、今週に入ってからの同社株の上昇には株式需給面からの影響も大きそうだ。「直近、京成は米MSCIの構成銘柄から除外されたが、それに前後して貸株市場を経由した空売りが積み上がっており、今週はその買い戻しが作用している可能性が高い」(中堅証券ストラテジスト)という見方も出ている。
■中外製薬 <4519> 6,576円 +201 円 (+3.2%) 本日終値
中外製薬<4519>が逆行高。同社は米イーライ・リリー<LLY>に対し、肥満症向けの経口薬「オルフォルグリプロン」の権利を譲渡しており、肥満症関連株として位置づけられている。米国ではアムジェン<AMGN>が26日、開発中の肥満症治療薬「マリタイド」の治験結果を公表。最大で20%の減量効果があったとしたが、期待していたほどの効果は得られなかったと市場では受け止められ、同日のアムジェン株は急落。一方、イーライリリー株は大幅高となった。更に、バイデン米大統領が同日、肥満症治療薬に関して公的保険の適用拡大を提案したと伝わった。これらの好材料をもとに、直近でレンジ相場の下限近辺にあった中外薬に対する物色意欲が高まったようだ。
■ニトリホールディングス <9843> 19,110円 +560 円 (+3.0%) 本日終値
ニトリホールディングス<9843>や神戸物産<3038>が堅調推移。27日の東京外国為替市場で、ドル円相場は1ドル=152円台前半まで円高が進行している。トランプ次期米大統領の関税強化の方針や、日銀による追加利上げ観測もあって、ドル買い・円売りポジションの巻き戻しが続いているようだ。株式市場で日経平均株価は前日比で一時400円を超す下げとなったが、為替相場をにらんで円高が業績面でプラス効果をもたらすとみられている銘柄群を物色する動きも出ている。
■オリエンタルランド <4661> 3,538円 +103 円 (+3.0%) 本日終値
オリエンタルランド<4661>が大幅反発。26日の取引終了後、1800万株(発行済み株数の1.09%)、または752億6000万円を上限とする自社株を、27日朝の東証の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得すると発表。また、自社株1800万株を12月17日付で消却するとあわせて発表しており、これらを好感した買いが入った。なお、27日朝に上限である1800万株の自社株を取得している。
■SCSK <9719> 2,987.5円 +67.5 円 (+2.3%) 本日終値
SCSK<9719>は3日続伸。この日、マルチクラウドに対応したSRE(サイト信頼性エンジニアリング)コンサルティングを展開するスリーシェイク(東京都新宿区)と資本・業務提携することで基本合意した。今回の提携は、急速に広がるクラウドネイティブ化に対応したソリューションの拡充と高度なクラウドネイティブ人材の育成を目的としたもの。またSCSKはスリーシェイクの行う第三者割当増資を引き受け約5億円の出資を行うとしている。
■ULSグループ <3798> 5,150円 +110 円 (+2.2%) 本日終値
ULSグループ<3798>はしっかり。26日取引終了後、子会社のウルシステムズがauカブコム証券の開発環境を改善したと発表した。ビジネスニーズに合わせてシステムを俊敏に変更できる仕組みを構築したという。
■ispace <9348> 519円 +8 円 (+1.6%) 本日終値
ispace<9348>が反発。午後1時ごろ、ミッション2で打ち上げを予定しているRESILIENCEランダー(月着陸船)の、打ち上げ場のある米フロリダ州への輸送が完了したと発表しており、好材料視された。同ランダーには、TENACIOUS(テネシアス)ローバー(月面探査車)のほか商業ペイロードが搭載されており、早ければ25年1月の打ち上げが予定されている。今回の輸送完了により、打ち上げに向けた最終準備が開始されることになる。
■ソフトバンクグループ <9984> 8,981円 +137 円 (+1.6%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>は頑強。この日、米オープンAIが新たに約15億ドルの投資をソフトバンクGから受けることとなったと、米CNBCが報じた。ソフトバンクGに対しては報道に反応した買いが入り、株価は午後に入り9000円台に乗せる場面があった。オープンAIの従業員が株式をソフトバンクGに売却するとしている。ソフトバンクGを巡ってはこのほか、孫正義会長が27日にインドのモディ首相と会談するとロイター通信が報じている。議題は不明としながらも、ソフトバンクGはインドの人工知能(AI)や技術への投資拡大を視野に入れているという。
■フィナHD <4419> 960円 +14 円 (+1.5%) 本日終値
Finatextホールディングス<4419>は後場に強含みの展開。日本経済新聞電子版がこの日、「NECとフィンテックのFinatext(フィナテキスト、東京・千代田)は11月中に業務提携し、フィナテキストが保険会社に提供するネット販売システムにNECの生成AI(人工知能)を組み込む」と報じ、材料視した買いが入ったようだ。大手損害保険会社に提供する契約や管理、支払い業務に向けたシステム「Inspire(インスパイア)」の機能拡充に向け、NEC<6701>が自社開発した生成AI「cotomi(コトミ)」などを活用。フィナHDは一部の保険商品にとどまっている自社システムを拡販する狙いがあると伝えている。
株探ニュース