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【特集】大塚竜太氏【止まらない下げ相場、東京市場の上昇転換はいつか】 <相場観特集>

大塚竜太氏(東洋証券 ストラテジスト)

―米中リスクこなし、日経平均再浮上に向けたシナリオは―

 週明け4日の東京株式市場は日経平均株価が朝方は反発して始まったが、その後は売り圧力が強く急速に値を消す展開となった。前週に日経平均は5日続落となり、この間に1500円近い下落をみせていた。前週末の米国株市場が高かったこともあり、きょうは買い戻しが期待されるところだったが、予想に反しての下値模索にマーケットでも戸惑いがみられる。10月は果たしてどういう相場展開が待っているのか。ここからの東京市場の見通しについて、東洋証券の大塚竜太氏に意見を聞いた。

●「反転近し、月内3万円台回復へ」

大塚竜太氏(東洋証券 ストラテジスト)

 きょうは前週末の米国株市場が強い動きをみせたことで、反発が予想されるところだったが、想定以上に売り圧力が強い。日経平均はほぼ寄り付き天井となり、その後は次第安の展開で一時は400円を上回る下げとなった。

 引き続き恒大集団の経営不安など中国リスクが意識されるほか、米国の債務上限問題も重荷となっている。しかし結論から先に言えば、ここは押し目買い好機といえる。2万8000円ラインが当面の下限ラインとみており、強気に買い下がるところだ。恒大の負債総額が日本円にして33兆円規模とその大きさが話題となっているが、同社は売却案件も豊富に保有している。仮に破綻に近い形となっても中国政府が間に入る形でハードランディングは回避される公算が大きい。

 一方、米国のインフレ懸念についても足もとで長期金利の上昇は一服しており、今のところ過剰に警戒する必要はないだろう。債務上限問題については、紆余曲折はあっても必ず落としどころは見つかり、米国債のデフォルトなどということにはならない。日本企業の業績は足もと好調を維持しており、バリュエーションも割安で弱気になる局面ではない。日経平均は派手な下げに見舞われたが、そろそろ転換点は近いとみており、その後は戻り売りをこなしながらも下値を切り上げ、10月中に3万円大台ラインを突破する強力な上昇トレンドに復帰するだろう。米国株の上昇など条件が揃えば、日経平均は3万1000円台をうかがうケースもありそうだ。

 物色対象としては一部の小売関連電鉄株など、人流復活で恩恵を受ける内需株に注目しておきたい。また、足もと売り込まれている半導体関連などハイテク株セクターも狙い目で、押し目買い対象としてマークしてみたい。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(おおつか・りゅうた)
1986年岡三証券に入社(株式部)。88~98年日本投信で株式ファンドマネージャーを務める。2000年から東洋証券に入社し現在に至る。

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