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【特集】医療改革にも大きな一歩、「マイナ保険証」運用開始で妙味膨らむ関連株7選 <株探トップ特集>

有効活用余地の大きさが指摘されてきた「マイナンバーカード」だが、今秋からは健康保険証として使うことが可能となる。これに伴い、システム関連への需要が期待されている。

―10月20日から本格運用開始、システム関連企業など設備投資で恩恵享受も―

 「使い勝手がいまひとつ」との声もあり、発行枚数の伸び悩みが指摘されてきたマイナンバーカード 。2020年のコロナ禍で実施された「10万円一律給付」の際にも、「なぜマイナンバーカードを活用してスピーディーな給付ができないのか」が疑問視された。有効活用余地の大きさが指摘されてきた同カードだが、その実力が今秋から発揮されそうだ。健康保険証として使用する、「マイナ保険証」の本格運用が10月20日から始まるのだ。例えば、これまでなら転職などによって、新しい健康保険証の発行待ちの期間が生じてしまい、非常に不便だったものの、マイナンバーカードを活用することで、医療機関・薬局を継続して利用可能となる。

●効率化進展に向け医療領域のDX化は急務に

 医療の領域は、他の業界に比べて、デジタル化やデジタルトランスフォーメーション(DX)が遅れていることは周知の事実だ。医師の長時間労働是正、地域間の医療格差解消、遠隔医療の実現といった目標の実現にあたって、効率化の進展が大きな課題となっていることがさまざまな場面で指摘されてきた。医療改革の一翼を担うマイナ保険証の運用開始によって、目先的には(1)病院での受付時間の短縮(2)情報の確認や入力作業の削減(3)過去の処方箋情報の正確な把握――などができるようになるとみられる。将来的には、行政手続きの検索やオンライン申請がワンストップでできたり、行政機関からの通知を受け取れたりすることが可能となり、自分専用の「マイナポータル」で医療費の通知受領(=医療費控除の申告手続きの簡素化)、健診情報の確認などもできるようになる予定だ。

●医療機関の対応は実務面で依然として遅れ目立つ

 そんなマイナ保険証に関連して、9月22日に「第145回社会保障審議会医療保険部会」が開催された。同部会の資料の一部として示された「医療機関・薬局におけるオンライン資格確認システムの導入準備状況」に注目してみたい。

 オンライン資格確認システムの導入準備状況とは、「医療機関のマイナ保険証への対応状況」と読み替えることができるが、これによれば、顔認証 付きカードリーダー申込数を基準とした、オンライン資格確認の導入予定施設数は全22万8912施設中、12万8794施設と全体の約56%となっている。病院や薬局の申し込みは70~80%完了している一方、医科診療所や歯科診療所では50%以下と遅れが目立つ。とはいえ、23年3月末までに概ね全ての医療機関などでの導入を目指すとの目標が掲げられていることを考慮すれば、比較的順調な進捗にも思える。

 しかし、実務的な実態はそれほど甘くない。院内システムの改修など、準備が完了している「準備完了施設数」や実際に運用を始めている「プレ運用施設数」に視線を移せば、前者は1万2894施設(5.6%)、後者は3502施設(1.5%)にとどまっているのだ。主にこうした状況を招いている理由としては、(1)パソコン・ルーターなどのハードウェア不足(2)システム事業者の改修対応能力の限界――が挙げられる。加えて、マイナンバーカードの交付加速策も運用開始後に改めて検討する必要があるだろう。

●システム関連投資はこれから活発化も

 ただ、膨張する医療費を前に、医療改革にもつながるマイナ保険証に対する国の熱意は本物だ。(1)と(2)の課題解決のために、関係省庁が一体となり、供給元への働きかけを行っているほか、システム事業者からの要望も踏まえ作業工程短縮を支援するなど取り組みを加速している。足もとの改修状況を考慮すれば、システム関連企業の活躍余地は豊富と言えよう。更に、医療改革という観点から、改めて関連銘柄が脚光を浴びる可能性も意識される。そこで、今回はマイナ保険証関連を中心として、医療改革関連も含め、関心を集める可能性のある銘柄を探索した。

●Ubicom、USENHD、インフォコムなど注目

Ubicomホールディングス <3937> ~組み込みソフトウェアやアプリケーション開発などのグローバル事業と医療機関向け経営支援ソリューションを手掛けるメディカル事業が主力となる。メディカル事業では主力商品である医療機関向け経営支援ソリューション「Mightyシリーズ」を中心に、医療機関の業務効率の最適化やDXへの対応など先進的なニーズの開拓に取り組んでいる。また、独自の医療データベースを活用した保険業界のDX推進に向けた、メディカルプラットフォームの創出にも注力している。

USEN-NEXT HOLDINGS <9418> ~同社グループで自動精算機など業務用システムを手掛けているアルメックスでは、医療機関向けとして、受け付けから精算までの窓口業務を効率化する製品を手掛けており、オンライン資格確認に対応した顔認証付きカードリーダー「マイナタッチ」のほか、医療費後払いやデジタル診察券、デジタル面会許可証などを取り入れた病院外来アプリ「スマパ」などを提供している。

キヤノンマーケティングジャパン <8060> ~マイナンバーカードの保険証利用に対応したオンライン資格確認用の顔認証付きカードリーダー「Hi-CARA(ハイカラ)」を提供。資格確認端末または要件を満たした医事会計・調剤薬局システム端末を経由して連携する。また、小型ハンディータイプモデルで、メガネやマスクをつけたままでも顔認証が可能である。

日本システムウエア <9739> ~同社は13年からIoT専用クラウドプラットフォーム「Toami(トアミ)」を医療関連分野のほか、さまざまな業種に提供する。17年には医療関連企業のIoTビジネス推進を積極的にサポートすることを目的として、NTTデータ<9613>と協業。レセプトオンライン請求や地域医療連携ネットワーク、医療関係のクラウドサービスなどを展開するNTTデータに対し、IoTシステムの構築面で支援を行う。

インフォコム <4348> ~電子コミック配信などのネットビジネスと、ITサービスとして医療・企業・公共機関向けにシステム構築やパッケージ製品を提供する。医療機関向けITソリューションでは、DPCデータ分析による病院経営管理・分析を支援するシステム「DPC-Management」を手掛けている。

日本ユニシス <8056> ~個々の病院のニーズに合ったシステム構築を支援しており、医療機関における診療の支援、業務の効率化や医療機関の連携強化など、ICTを活用した医療ソリューションを提供している。蓄積された医療情報を、経営支援システムで活用することにより、病院経営をトータルに支援する。

大日本印刷 <7912> ~マイナンバーカードオンライン申請補助端末「マイナ・アシスト2」を21年8月にリリースしている。マイナンバーカードのオンライン申請に特化しており、個人番号カード交付申請書IDの読み取りから、顔写真の撮影、申請内容の確認、オンライン申請までワンストップでサポートする。また、透明なアクリル板越しの顔写真撮影にも対応している。

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