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【特集】2021年「ノーベル賞」発表目前、2年ぶり受賞なるか 有望株総点検 <株探トップ特集>

今年も恒例のノーベル賞の時期となってきた。昨年は日本人の受賞者はなかったが、今年は2年ぶりの返り咲きを狙う。新型コロナや環境に絡む研究に対する関心が高まっている。

―4日から発表始まる、新型コロナウイルスや環境関連の研究への注目度高まる―

 今年も来週からノーベル賞発表シーズンが始まる。14年以降、17年を除けば19年まで日本人の受賞者が毎年輩出され、株式市場では10月はノーベル賞関連株人気に沸くことが恒例となった。20年は日本人の受賞者は出なかったが、今年は2年ぶりの受賞に期待が膨らむ。受賞となれば株式市場が活気づくのは必至だ。21年のノーベル賞候補株を探った。

●米クラリベイト・アナリティクスは3人の候補を挙げる

 今年のノーベル賞は10月4日の医学生理学賞を皮切りに、5日に物理学賞、6日に化学賞、7日に文学賞、8日に平和賞、11日に経済学賞が発表される。米情報企業のクラリベイト・アナリティクスは今年のノーベル賞有力候補16人を挙げた。このうち、日本人は大阪大学の岸本忠三特任教授、平野俊夫・量子科学技術研究開発機構理事長、中部大学の澤本光男教授の3人が候補とされた。

●医学生理学賞は阪大・岸本教授など有力、mRNAワクチンにも注目

 4日に発表される医学生理学賞の有力候補とされるのが、前出の岸本忠三・大阪大学特任教授と平野俊夫・量子科学技術研究開発機構理事長だ。両氏は、体の免疫で重要な役割を担う「インターロイキン6(IL-6)」を発見。その発見は関節リウマチ治療薬「トシリズマブ(アクテムラ)」の開発につながった。同薬は、中外製薬 <4519> と大阪大学が共同開発しており、新型コロナ感染症治療薬としても関心を集めている。

 また、京都大学の森和俊教授は、がんや糖尿病、パーキンソン病とかかわりのある異常なたんぱく質の蓄積を防ぐ「小胞体ストレス応答(UPR)」の仕組みを解明。アステラス製薬 <4503> は、米国企業とUPRを調節する治療薬に関して提携契約している。大阪大学の坂口志文特任教授は、免疫が暴走しないように抑える「制御性T細胞」を発見した。医学生物学研究所を子会社に持つJSR <4185> が注目される。東京大学名誉教授の中村祐輔氏は遺伝子の多様性と病気とのかかわりを研究し、がん治療の個別化に関する「オーダーメイド医療(個別化医療)」を提唱している。同氏はオンコセラピー・サイエンス <4564> [東証M]の創業者の1人でもある。

 海外では新型コロナのワクチンとして実用化された「mRNAワクチン」を開発した独ビオンテック<BNTX>のカタリン・カリコ氏が注目されている。受賞となれば、新型コロナワクチンを共同開発する米ファイザー<PFE>のほか、米モデルナ<MRNA>などが関心を集めそうだ。

●物理学賞はカーボンナノチューブや高温超電導など

 5日に発表される物理学賞では、「カーボンナノチューブ」研究の飯島澄男・名城大学終身教授が有力候補。カーボンナノチューブは炭素で構成され、その強さはダイヤモンドの2倍とも鋼鉄の数十倍ともいわれる。クラレ <3405> やGSIクレオス <8101> などが関連銘柄だ。

 東京大学の香取秀俊教授は「光格子時計」を開発した。光格子時計は300億年に1秒しかずれないといわれる。島津製作所 <7701> やNTT <9432> が共同研究機関となっている。鉄化合物系の高温超電導物質を発見した東京工業大学栄誉教授の細野秀雄氏にも注目。関連銘柄はリニアモーターカーや高温超電導コイルに絡む住友電気工業 <5802> や古河電気工業 <5801> など。

 量子コンピューターに絡んで東京大学の古澤明教授や東京工業大学の西森秀稔特任教授なども候補とされている。フィックスターズ <3687> やエヌエフホールディングス <6864> [JQ]など。電気自動車(EV)ドローンなどに使われる「ネオジム磁石」を開発した大同特殊鋼 <5471> の佐川眞人顧問も候補となっている。

●化学賞は中部大・澤本教授、東大・藤田教授など

 6日に発表される化学賞では、中部大学の澤本光男教授が前出のクラリベイト・アナリティクスで有力候補に挙げられた。同氏は化学品の分子構造を制御する技術である「精密重合」で、「金属触媒を用いたリビングラジカル重合の発見と開発」が評価された。カネカ <4118> や大塚ホールディングス <4578> などが関連銘柄となる。

 また、東京大学卓越教授の藤田誠氏は、分子同士がひとりでに結びつく「自己組織化」と呼ばれる現象を活用。金属イオンと有機分子を混ぜることで複雑な構造の材料を作ることに成功した。自己組織化ペプチドを手掛けるスリー・ディー・マトリックス <7777> [JQG]などが関連銘柄に挙げられる。京都大学の北川進特別教授は微細な穴を持ち、内部に物質を貯蔵できる「多孔性配位高分子(PCP)」を開発。気体を効率的に吸着することができ、二酸化炭素の回収や 燃料電池の開発などに寄与することが期待されている。京都大学発PCPベンチャー「アトミス」には三井金属 <5706> が出資している。

 中部大学教授の山本尚氏は、医薬品などの材料として注目されるアミノ酸化合物「ペプチド」を効率的に合成する手法を開発した。同氏は東レ <3402> の研究員だった。

 桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授は、「ペロブスカイト型」と呼ばれる結晶構造物を用いて、板に塗るだけで発電が可能という薄くて軽い低コストでの次世代太陽電池を考案したことが評価されている。第一稀元素化学工業 <4082> や、燃料電池向けにペロブスカイト化合物を取り扱う堺商事 <9967> [東証2]などが注目される。

●文学賞は村上春樹氏、多和田葉子氏が候補に

 7日には文学賞が発表される。村上春樹氏が毎年候補に挙がるほか、ドイツ在住の日本人作家である多和田葉子氏も注目されている。丸善CHIホールディングス <3159> や文教堂グループホールディングス <9978> [JQ]、三洋堂ホールディングス <3058> [JQ]などに目を配っておきたい。

 更に11日に発表される経済学賞では、米プリンストン大学教授の清滝信宏氏が候補となっている。同氏は金融危機の理論を確立したことが評価されているが、旧・池田銀行の創業家の生まれであり、池田泉州ホールディングス <8714> が関連銘柄となる。

株探ニュース

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