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【特集】「CO2回収・貯留」が10位にランク、究極の温暖化対策として関心高まる<注目テーマ>

東芝 <日足> 「株探」多機能チャートより
★人気テーマ・ベスト10
1 デジタルトランスフォーメーション
2 半導体
3 脱炭素
4 2021年のIPO
5 サイバーセキュリティ
6 半導体製造装置
7 再生可能エネルギー
8 水素
9 旅行
10 CO2回収・貯留(CCS)

 みんかぶと株探が集計する「人気テーマランキング」で、「CO2回収・貯留(CCS)」が10位となっている。

 気候変動問題への対応が世界的に喫緊の重要課題となっているなか、二酸化炭素(CO2)を回収して埋める「CCS(Carbon dioxide Capture and Storage:CO2の回収・貯留)」への関心が高まっている。

 CCSとは、火力発電所や工場などで発生するCO2を大気放散前に回収して、枯渇した油ガス田や地中深くにある石炭層、帯水層など貯留に適した地層に封じ込め(圧入)、長期間にわたって安定的に貯留することで大気中へのCO2放出を抑制する技術のこと。石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の資料によると、2020年時点で米国や欧州、豪州を中心に世界で26のCCS施設が稼働しており、累計約4000万トン/年のCO2圧入を実施している。

 国内では経済産業省や新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、日本CCS調査(東京都千代田区)が中心となって北海道・苫小牧で行った大規模CCS実証試験で、16年からCO2を貯留する作業を開始し、19年には目標としていたCO2の30万トン圧入を達成。今後はCCSの実用化に向けた取り組みを進め、30年までの商用化を視野にCCSを導入することを検討しているという。日本の沿岸域には約1500億~2400億トンのCO2貯留ポテンシャルがあるとされ、地球温暖化への対応や脱炭素化が求められるなか、CCSはCO2削減に必要な革新的技術として期待されている。

 関連銘柄としては、グループ会社が昨年10月からCO2を分離回収する大規模な実証設備の運転を開始している東芝<6502>、カナダ企業とセメントプラント向けのCCSシステムについて案件形成調査を行うことで合意している三菱重工業<7011>、CCS事業を手掛ける英ストレッガ・ジオテクノロジー(SG社)に出資している三井物産<8031>など。

 また、昨年11月に二酸化炭素地中貯留技術研究組合(京都府木津川市)に加入したJパワー<9513>も見逃せない。同組合はCCSの実用化を目指して、国内の貯留層に適した実用化規模(100万トン/年)でのCO2地中貯留技術の開発などを手掛けている。同組合の会員には、INPEX<1605>、石油資源開発<1662>、大成建設<1801>、ENEOSホールディングス<5020>子会社のJX石油開発、応用地質<9755>なども名を連ねている。

出所:MINKABU PRESS

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