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【特集】見えた「レベル4実現」の未来図、夢の成長ロード「自動運転」関連株を追え <株探トップ特集>

ホンダが3月にレベル3の自動運転機能を備えた新型車を発売したことで、自動運転は新時代の幕が開いた。次の注目はレベル4の実現時期で、関連銘柄への関心が再び高まっている。

―ドライバー前提から無人前提へ、政府は22年度メドに限定エリアでのサービス想定―

 19日の東京株式市場で、日経平均株価の下げ幅は一時500円を超えた。足もとで冴えない相場展開が続いている背景には、前週末に発表された米4月小売売上高や前日発表の米4月住宅着工件数が市場予想を下回り、米景気に対する楽観的な見方が後退していることがある。また、国内に目を向けても1-3月期の国内総生産(GDP)速報値が年率換算で5.1%減となったほか、21年3月期決算発表がピークを越え手掛かり材料が乏しくなっていることもあり、積極的には買い向かいにくい。ただ、こうした時こそ今後の成長が期待できる銘柄群の仕込み好機といえ、注目のテクノロジーである「自動運転」関連株を狙ってみるのも一手だ。

●国交省と経産省が工程表

 国土交通省と経済産業省は4月30日、クルマの自動運転に関する実証プロジェクトの取り組みをまとめた自動走行ビジネス検討会の報告書「自動走行の実現及び普及に向けた取組報告と方針Version5.0」を公表した。次期プロジェクトとして「2022年度をメドに限定エリア・車両での遠隔監視のみ(レベル4)で自動運転サービスを実現」や「25年度までに多様なエリアで、多様な車両を用いたレベル4での無人自動運転サービスを40ヵ所以上で実現」、「25年以降に高速道路でのレベル4の自動運転トラックや、それを活用した隊列走行を実現」、「25年頃までに協調型システムにより、さまざまな地域の混在交通下において、レベル4の自動運転サービスを展開」を挙げ、技術開発や実証実験を行う意向を示している。

 国内自動車メーカーでは本田技研工業 <7267> が3月に高速道路での渋滞時に人に代わってシステムが運転するレベル3の技術を搭載した新型「レジェンド」を発売したほか、トヨタ自動車 <7203> は4月にレクサス「LS」と燃料電池車「MIRAI」に高速道路や自動車専用道路の本線上の走行を支援するシステムの搭載車を設定するなど、業界の歩みは止まらない。ホンダは4月中旬に中国の自動運転開発スタートアップの「オートX」と提携し、トヨタは同月下旬にライドシェアを手掛ける米リフトの自動運転部門「レベル5」を買収すると発表した。

 レベル4の実用化を目指す動きは活発で、商用車では日野自動車 <7205> が昨年11月から1ヵ月半をかけて大林組 <1802> と大型ダンプトラックの実証実験を行ったほか、いすゞ自動車 <7202> の北米子会社は今年4月に自動運転技術を手掛ける米ガティックと提携。豊田通商 <8015> は今年2月に経産省及び国交省から受託した「トラックの隊列走行の社会実装に向けた実証」を行い、今後はレベル4の自動運転を搭載するトラックを実現するプロジェクトを検討する姿勢をみせている。

●アイサンテクなど関連企業に商機

 自動運転は、少子高齢化や都市部への人口集中をはじめとした社会構造の変化によって顕在化するさまざまな課題に対して、移動の自由の確保や地域活性化、交通事故の削減、人材不足の解消、環境問題の改善につながることが期待でき、また生活利便性の向上や産業競争力強化の観点からも今後の成長が見込まれる注目のテクノロジーだ。このことから関連銘柄もマークしておきたい。

 アイサンテクノロジー <4667> [JQ]は今月18日、ティアフォー(名古屋市中村区)及びSOMPOホールディングス <8630> 傘下の損害保険ジャパンと共同で、自動走行前の事故予防を支援する「自動運転向けデジタルリスクアセスメント」を提供すると発表した。これは損保ジャパンの事故データや事故対応ノウハウに、アイサンテクの高精度3次元地図技術、ティアフォーの自動運転システム開発力を融合したもので、全国各地の自動運転実証への提供を進める方針。アイサンテクの地図技術は、誤差センチメートル単位の高い精度を持ち、自動運転に必要とされる地物情報である車線、標識、信号などを地図上で立体的に再現できることから、今後のニーズ拡大が期待できそうだ。

 自動運転のレベル3以上では地図情報に加えて、道路状況や気象状況を統合し、リアルタイムでシステムに伝えることが安全運転のカギを握る。こうした情報を統合化した地図情報は「ダイナミックマップ」と呼ばれ、その基盤のひとつとなるのがゼンリン <9474> の高精度空間データだ。同社の3D高精度地図データは、ホンダのレベル3を備えた新型「レジェンド」に採用されている。

 このほか、東京都から「西新宿エリアにおける自動運転移動サービス実現に向けた検討調査業務」を受託している日本工営 <1954> 、トヨタの自動運転AIシステム構築を支援しているALBERT <3906> [東証M]、今年からインド工科大学ボンベイ校に所属する自動運転車開発チームのスポンサーに就任したKudan <4425> [東証M]、5月に発表した中期経営計画で自動運転分野の市場開拓を掲げている日本セラミック <6929> などにも注目したい。

●LiDAR関連にも注目

 自動運転には、レーザー光を照射して周囲の物体を検知する「LiDAR(ライダー)」の技術も欠かせない。

 デンソー <6902> は今年1月に自動車向けセンサーを手掛ける米エヴァと次世代ライダーを共同開発し実用化を目指すと発表したほか、ソニーグループ <6758> は2月に車載ライダー素子に参入。マクニカ・富士エレホールディングス <3132> 傘下のマクニカは4月、韓国のソウル・ロボティクスとパートナーシップを締結し、日本国内でライダーベースの認識機能構築ソリューションの提供を開始した。

 また、ガイアックス <3775> [名証C]はこのほど、ブロックチェーンを活用したライダーネットワーク基盤のシステムソフトウェアを開発し、4月から京都大学図書館などで社会実験を開始。複数の場所に設置されたイメージセンサーのデータを統合することで「死角ゼロ」を実現し、自動運転車や宅配ロボット、警備ドローンなどのさらなる性能向上や、イメージデータの新たな利用用途の創造を目的としている。

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