【市況】今週の【早わかり株式市況】3万円大台奪還・30年半ぶり、経済正常化期待で外国人買い
日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより
■今週の相場ポイント
1.日経平均は3週連続上昇、週後半は軟化するも週前半の大幅高の貯金が生きる
2.米ファイザー製のワクチンが国内で特例承認され、経済正常化への期待高まる
3.週明けはリスク選好ムード高まり、日経平均は30年半ぶりの3万円大台乗せ
4.利益確定売りで週後半3営業日続落、ファストリの株価が全体指数を左右する
5.週末は半導体関連の主力どころに投資資金が還流し、かろうじて3万円台維持
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比497円(1.69%)高の3万0017円と3週連続で上昇となった。
今週は米ファイザー製の新型コロナワクチンが国内で特例承認されたことを受け、週前半はリスク選好ムードが強まり、日経平均は一気に水準を切り上げ3万円大台を大きく回復。しかし、週央からは利食い圧力が顕在化して軟化した。ただ、週間では大幅高をキープ。
週明け15日(月)は朝方発表のGDP速報値が事前予想を上回ったことに加え、ワクチンの特例承認などを好感して主力株中心に買いが集まり、日経平均は560円強の大幅高。約30年半ぶりに3万円大台に歩を進めた。16日(火)も前日の流れを引き継ぎリスクオン。ワクチン普及による経済活動の正常化期待を拠りどころに外国人買いを呼び込み、一時600円を超える上昇をみせた。ただ、値下がり銘柄数の多さが目立ち終盤は伸び悩んだ。17日(水)は前日までの急騰の反動で日経平均は反落。3万円大台乗せで目先達成感も出ており、ハイテク株などグロース株への利食いが顕著だった。18日(木)は朝方こそ高い場面があったが、その後は値を消す展開に。東証1部全体の8割近い銘柄が下落する売り圧力の強い地合い。ただ、ファーストリテイリング <9983> が独歩高の展開となり日経平均を支え、下げ幅は限定的だった。とはいえ、ファストリの値運びは全体相場をかく乱する要素が強い。週末の19日(金)は一段と下値を試す展開に。一時ファストリが急反落したほか、日銀のETF買いが見送られたとの観測から下げ幅を広げる場面もあったが、半導体関連株などに高い銘柄が多く、大引けの日経平均はかろうじて3万円大台をキープした。
■来週のポイント
来週は3万円大台を巡る攻防となりそうだ。ただ、海外投資家の大規模な買い越しが続いているだけに、調整後は再び上値を追う展開が期待される。
重要イベントとしては、国内では26日朝に発表される1月鉱工業生産が注目される。海外ではパウエルFRB議長の23日上院と24日下院での証言や24日発表の米国1月新築住宅販売件数、26日に発表される米国1月の個人所得と個人消費支出に注視が必要だろう。
■日々の動き(2月15日~2月19日)
【↑】 2月15日(月)―― 急反発、主力株中心に買われ3万円大台を回復
日経平均 30084.15( +564.08) 売買高12億7591万株 売買代金 2兆6038億円
【↑】 2月16日(火)―― 続伸、欧州株高やコロナワクチンへの期待で買い優勢
日経平均 30467.75( +383.60) 売買高14億0970万株 売買代金 3兆0252億円
【↓】 2月17日(水)―― 3日ぶり反落、高値警戒感から利益確定売りが優勢
日経平均 30292.19( -175.56) 売買高13億7152万株 売買代金 2兆7670億円
【↓】 2月18日(木)―― 続落、朝高も利益確定売りでマイナス圏に沈む
日経平均 30236.09( -56.10) 売買高15億7991万株 売買代金 2兆8854億円
【↓】 2月19日(金)―― 3日続落、米株安受け売り先行も後半下げ渋る
日経平均 30017.92( -218.17) 売買高12億2374万株 売買代金 2兆4668億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、15業種が上昇
(2)郵船 <9101> など海運が値上がり率トップ、JAL <9201> など空運も高い
(3)国際石開帝石 <1605> など鉱業、ENEOS <5020> など石油株は大幅続伸
(4)輸出株はオリンパス <7733> など精密機器が上昇も
トヨタ <7203> など自動車、日製鋼 <5631> など機械、シャープ <6753> など電機はさえない
(5)内需株はソフトバンクG <9984> など情報・通信やファストリ <9983> など小売りは堅調も
JR東日本 <9020> など陸運、三井不 <8801> など不動産、鹿島 <1812> など建設は軟調
(6)金融株は三菱UFJ <8306> など銀行が高いが
SOMPO <8630> など保険、野村 <8604> など証券は安い
(7)ブリヂストン <5108> などゴム製品が値下がり率トップ
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(2) 半導体 ── 「景気敏感+半導体」、増額修正相次ぐ化学株に再評価の芽膨らむ
2(1) グローバルニッチ
3(18) 仮想通貨 ── 仮想通貨やキャッシュレス、デジタル通貨など切り口多彩
4(3) 旅行
5(17) ポストコロナ ── 景気回復期待で海外資金流入
※カッコは前週の順位
株探ニュース