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【市況】【植木靖男の相場展望】 ─当面は売り手、買い手ともに小競り合いか

株式評論家 植木靖男

「当面は売り手、買い手ともに小競り合いか」

●景気の波が株価を決める

 2026年の大発会は順調な滑り出しとなり、まずは幸先の良いスタートを切った。

 今回は年初ということもあり、1月相場の特徴について触れてみたい。ここ3年間、1月は月足陽線で引けている。このことは、「1年の計」を物語っているのか。これまで3年はいずれも年足が陽線をつけている。

 その前の2022年1月の相場は、残念ながら月末にかけて崩れて陰線となった。そして、この年の年足は陰線で終わっている。過去4年は、1月相場の陰陽が年足を決定づけたということだ。

 本年はどうか。まだ月初旬の段階ではあるが、月末まで気が抜けない展開となりそうだ。株価はしょせん、市場を取り巻く経済環境に左右される。

 では、景気動向はどうか。日中関係の緊張による影響は懸念されるものの、現状は大きな問題はなさそうだ。これまで長期にわたり続いてきたデフレを脱し、インフレへと転換する兆しがすでに表れている。金利が動き出したのだ。

 元旦恒例の日本経済新聞による各企業経営トップの見通しでも、高市新内閣が打ち出した17の重点成長分野への積極的な投資は評価をもって受け止められている。実際、これまでの新自由主義から大きな政府への転換期に入った今日、日本経済は政財官の緊密な意思疎通を図る新たな時代を迎えようとしている。

 株価は、景気の波に左右される。新年は間違いなくさらなる上昇に転じるとみてよいのではないか。

 ただし、懸念がないわけではない。景気の良さを実感するには、GDP(国内総生産)の約6割を占める個人消費が上向くことが必要だ。残念ながら現状、実質賃金は前年同月比で11カ月連続のマイナスであり、賃上げがどうなるのか。これが大きな注目点となる。

●新年はTOPIX型銘柄の出番とみるが……

 株価は、先行きが高いとみれば上昇が続くが、その軌跡は市場人気に大きく左右される。そして、市場人気が行き過ぎれば、ときにバブル化する。歴史的にマーケットはバブルの発生と崩壊を繰り返し経験しており、筆者は2026年相場をみる際のポイントとしても注視している。昨年末の世相に景気があまりよくないなか、筆者は漠然とではあるがバブル近しの匂いを感じた。

 ところで、2025年はソフトバンクグループ <9984> [東証P]、アドバンテスト <6857> [東証P]などAI(人工知能)・半導体株が乱舞した。このため、TOPIX型の銘柄の出遅れが指摘された。だとすると、新年は逆にTOPIX型の銘柄の出番となるのではないか。

 すでにその兆しは現れている。日経平均株価TOPIXともに水準を引き上げているが、物色動向をみるとTOPIX型銘柄の特徴ともいうべき業種がジリジリと水準を高めていることに気づく。

 さて、TOPIX型銘柄が主力になるとすれば、業種からいえば金融、建設、電力、不動産、鉄鋼、非鉄などが浮上するが、相場の柱となる銘柄がこれら業種から現れる可能性は大きいとみる。とはいえ、当面は売り手、買い手とも小さなジャブの小競り合いで、相手を牽制する程度だろう。決戦は1~2カ月後となろう。

 以上を踏まえると、足もとは出遅れの医薬品株から住友ファーマ <4506> [東証P]、塩野義製薬 <4507> [東証P]、建設セクターの五洋建設 <1893> [東証P]などで売り手の動きを牽制する程度か。

 ハイテク株では富士通 <6702> [東証P]、また 非鉄では大阪チタニウムテクノロジーズ <5726> [東証P]などを拾いたい。

2026年1月8日 記

株探ニュース

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