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【市況】【兜町スクランブル】解散・総選挙報道で日経先物急伸、「観測気球」で失望リスクも

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより
 大阪取引所の夜間取引で日経平均先物ラージ3月限は前日清算値比で1510円高の5万3590円と急伸し、中心限月として最高値をつけた。読売新聞オンラインが9日深夜、「高市首相(自民党総裁)は9日、23日召集が予定される通常国会の冒頭で衆院を解散する検討に入った」と報道。解散・総選挙は株高というアノマリーが意識され、海外投資家を中心に買いが集まり、ショートカバーを誘発した。通常国会の冒頭で首相が解散に踏み切った際、年度末までの予算審議の時間が限られることとなる。仮に解散・総選挙シナリオが実現しなかった際には失望売りが膨らむことは必至だ。

 報道は米12月雇用統計の公表後に配信された。ドル円相場は一時1ドル=158円10銭台まで上昇。およそ1年ぶりの円安水準をつけた。積極財政を掲げる高市政権が総選挙を経て政権基盤を一段と強固なものとした場合、日本の財政不安が一段と高まるとの見方が円売りを後押しした。

 高市首相は5日の伊勢神宮参拝後の年頭記者会見で選択肢としての衆院解散の可能性についての質問に対し、「高市内閣の物価高対策、経済対策の効果を実感いただくということが大切」とし、「目の前の課題に懸命に取り組んでいるところ」と述べた。明確に可能性を否定することはなかったが、市場参加者の多くは早期の解散総選挙に慎重な姿勢を示したと受け止めた。それだけにサプライズが広がった格好だ。

 読売以外のメディアの政治記者は真偽の確認に動いている。官邸詰めの記者の1人にMINKABU PRESSがコンタクトを取ると「観測気球と思われる」との声が聞かれた。実際にメディアの記事において「検討に入った」という表現は、取材対象となる公的機関や企業の内部でまだ合意形成がなされておらず、一つの構想を進めるために世論(またはマーケット)の反応を見極めようとする際に用いられることが多い。

 実際に解散総選挙に踏み切るには、何を大義とするのかもポイントとなっていく。一段と円安が進んだ場合は、為替介入の可能性が高まることとなるだろう。三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは「まずは政権サイドからのコメントを待ちたい」としたうえで「総選挙となれば政権の安定化や財政出動の期待が出てくる」と指摘。連休明けまでに否定の動きがなかった場合、先物に連れる形で日経平均株価が5万3000円台に水準を切り上げると予想する。一方、連休明けの株価上昇後、仮に解散・総選挙の可能性がしぼんだ場合は、「5万1000円台まで戻す可能性がある」との見方を示している。

出所:MINKABU PRESS

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