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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

メルカリ <日足> 「株探」多機能チャートより

■メルカリ <4385>  4,465円 (+225円、+5.3%)

 東証マザーズ指数は3日ぶり反発、今月7日に大陰線をつけ中長期波動の分水嶺である75日移動平均線を下回ったが、その後も同移動平均線を下回っての推移が続いており、市場関係者の間でもその動向が注目された。17日はメルカリ <4385> [東証M]やフリー <4478> [東証M]、AI inside <4488> [東証M]、マネーフォワード <3994> [東証M]などのマザーズ時価総額上位の銘柄が買われており、全体相場を支えた。今週以降はマザーズ市場を中心にIPOラッシュがあるため、IPO銘柄のセカンダリーに資金が吸収され、全体指数は換金売りで軟化するという見方もあるが、17日は個別株物色意欲が旺盛で市場のセンチメントも改善した。

■キーエンス <6861>  55,220円 (+2,780円、+5.3%)

 キーエンス <6861> が続急伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は16日、同社株のレーティングの「オーバーウエイト」を継続するとともに、目標株価を4万7000円から5万8000円に引き上げた。国内と海外での事業拡大による成長というストーリーは維持しており、21年3月期は新型コロナの影響で業績は踊り場となる見通しだが、22年3月期からは再び過去最高の営業利益更新局面に回帰するとみている。特に、同社の一人当たり売上高は第1四半期(4-6月)を底に回復に転じており、モメンタムも改善していると指摘している。

■Bガレージ <3180>  2,810円 (+142円、+5.3%)

 ビューティガレージ <3180> が大幅続伸。SMBC日興証券が16日付で同社の投資判断「1(強気)」を継続し、目標株価を3700円から4000円に引き上げたことが好材料視された。レポートでは、コロナ禍における美容卸業界のEC化加速などを踏まえ、中期経営計画を上回るペースでの業績拡大が可能であると報告。また、アジュバンコスメとの代理店契約や中小卸「和楽」の買収などの取り組みが、残る大手業務用化粧品メーカーとのNB(ナショナルブランド)契約の実現に寄与すると期待している。

■ピアラ <7044>  2,323円 (+109円、+4.9%)

 ピアラ <7044> が4日ぶりに急伸。株価は一時、前日16日に比べ6%超の上昇となった。同社は、美容・医療・食品業界向けのEC事業支援を行っているが、特に「D2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー)」関連での展開を評価する見方が出ている。D2Cとは、メーカーが企画・製造した商品を問屋や小売業者などを経由せず、自社の ECサイトを通じて消費者に直接販売するもの。この7月にはブロックチェーン事業の開発を行うSingulaNet(シンギュラネット、東京都港区)と資本業務提携を締結。ピアラのマーケティング支援とシンギュラネットと共同展開する新サービスを組み合わせることでD2C支援事業を強化することを明らかにしている。

■三菱マ <5711>  2,285円 (+89円、+4.1%)

 三菱マテリアル <5711> が大幅高で3日続伸。16日の取引終了後、21年3月期連結業績予想について、売上高を1兆4200億円から1兆4500億円(前期比4.4%減)へ、営業利益を収支均衡から80億円の黒字(同78.9%減)へ、最終損益を200億円の赤字から収支均衡(前期728億5000万円の赤字)へ上方修正しており、これが好感された。上期業績が計画を上回ったことに加えて、銅加工品、電子材料及び超硬製品の販売の増加、金属価格の上昇などによる増収が寄与するほか、鉱山からの受取配当金の増加が見込まれることなどが要因としている。また、政策保有株式の縮減を進めることから特別利益が増加し、最終損益段階で赤字が解消される見込みという。なお、同時に発表した第2四半期累計(4-9月)決算は、売上高7255億6800万円(前年同期比3.1%減)、営業利益68億9000万円(同59.4%減)、最終損益191億5000万円の赤字(前年同期45億1100万円の黒字)だった。

■アステリア <3853>  1,106円 (+44円、+4.1%)

 アステリア <3853> が大幅続伸。同社は16日、コロナ禍対応を強化した人工知能(AI)搭載IoT統合エッジウェアの新バージョン「Gravio4(グラヴィオ フォー)」の提供を来年1月7日から開始すると発表。これが買い手掛かりとなったようだ。「グラヴィオ フォー」では、AIカメラを使ったマスク着用有無の判定機能の搭載に加え、レーザー型高精度距離センサーLiDAR(ライダー)を用いた距離計測センサー、文字情報などの表示に適したドット型LEDによる電光掲示板などオリジナルデバイスのラインアップ追加などを強化。より一層の機能拡充を図ることで、21年度末には現在の倍となる2000ユーザーへの提供を計画している。

■ビープラッツ <4381>  2,727円 (+101円、+3.9%)

 ビープラッツ <4381> [東証M]が大幅続伸。16日の取引終了後、北九州システムインテグレータネットワークが開設する「Kitakyushu SIerNet DX Marketplace」のシステムプラットフォームとして、サブスクリプション統合プラットフォーム「Bplats」が採用されたと発表しており、これが材料視された。「Kitakyushu SIerNet DX Marketplace」は北九州システムインテグレータネットワークの会員企業の会社情報・商品・事例の紹介に加えて、各社のサービスをサブスクリプションモデルで提供するマーケットプレイス機能を持つWebサイトで、ロボットやAIツールなどDX関連のサービスを中心に提供を予定している。今回の案件は同社が推進する「地域DXプロジェクト」の第一弾となる。

■SBI <8473>  2,971円 (+106円、+3.7%)

 SBIホールディングス <8473> 、セレス <3696> 、マネックスグループ <8698> のほか、GMOフィナンシャルホールディングス <7177> [JQ]やフィスコ <3807> [JQG]、リミックスポイント <3825> [東証2]など仮想通貨関連に位置づけられる銘柄が買われた。足もとビットコイン価格は2万ドル大台に乗せ、仮想通貨バブルに沸いた2017年の水準を上回ってきた。世界的な過剰流動性を背景に株式をはじめとするリスク資産へ資金が向かうなか、ビットコインにもこうした流れが波及したようだ。また今年に入り、大手企業や機関投資家などがビットコインを保有していることが相次ぎ伝わっており、これも注目度の上昇につながったとみられる。

■ソニー <6758>  10,025円 (+260円、+2.7%)

 ソニー <6758> が続伸、一時290円高の1万55円とついに1万円大台乗せを果たし、年初来高値更新となった。時価は2001年5月以来、19年7ヵ月ぶりの高値圏に浮上した。イメージセンサーの将来性に期待が大きいほか、新型コロナウイルスの感染再拡大を背景に巣ごもり消費需要が高まりをみせるなか、PS5を中心とするゲーム関連事業の収益貢献が見込める。今年4月には子会社ソニーAIを設立しているが、直近16日にはソニーAIが既存事業領域の「ゲーム」と「イメージ&センシング」事業に加え、新規探索領域「ガストロノミー」を研究開発の旗艦テーマに設定し、「ガストロノミー・フラグシップ・プロジェクト」を始動させたことを発表している。

■塩野義製薬 <4507>  5,579円 (+140円、+2.6%)

 塩野義製薬 <4507> が反発。同社は感染症薬などを主力とし、米国をはじめ積極的な海外展開でも知られる。16日取引終了後、新型コロナウイルス感染症に対する予防ワクチンの第1/2相臨床試験を開始したことを発表した。これは国内ではアンジェス <4563> [東証M]に次ぐ2例目ということもあって、今後の展開に期待する買いが集中する格好となった。

■ローツェ <6323>  5,730円 (+120円、+2.1%)

 ローツェ <6323> が反発。東海東京調査センターは16日、同社株のレーティングを新規「アウトパフォーム」でカバレッジを開始した。目標株価は8500円とした。同社は、半導体やフラットパネルディスプレー(FPD)関連の搬送装置を手掛けている。主要顧客である台湾のTSMCの設備投資拡大や米アプライドマテリアルズの半導体製造装置の販売好調を背景として、大気用ウエハ搬送装置の引き合いが増加していると判断。21年2月期の連結営業利益は85億円(会社計画82億7300万円)、22年2月期は同105億円、23年2月期は同123億8300万円と拡大すると予想している。

■東京センチュ <8439>  7,650円 (+150円、+2.0%)

 東京センチュリー <8439> が続伸し新値追いとなった。同社及び京セラ <6971> グループの京セラコミュニケーションシステムは17日、川崎重工業 <7012> と脱炭素社会の実現に向けた産業用自家発電サポートサービスの契約を締結したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。産業用自家発電サポートサービスは、太陽光発電設備の導入に必要な初期投資及び維持管理のための手間やコストをサービス事業者が負担し、顧客は初期投資ゼロで太陽光発電システムを導入することができる第三者所有モデルのサービス。今回の契約により、2050年に二酸化炭素(CO2)フリーを目指す川重の西神工場の屋根に東京センチュリーが太陽光発電設備を設置し、京セラコミュニケーションシステムが運営・保守を担うという。

■郵船 <9101>  2,360円 (+43円、+1.9%)

 日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> など大手を中心に海運株に買いが集まった。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数は今月9日を境に上昇歩調を続け、16日時点で1296まで上昇、10月下旬以来の1300台乗せを目前としている。新型コロナワクチンの普及により世界景気が改善傾向を示せば、グローバル物流の影響を受ける海運セクターにも追い風となる。市場では「ばら積み船だけでなくコンテナ運賃も上昇傾向にあるほか、特に最近は中国から米国向けの荷動きが活発となっており、(海運セクターは)収益環境の改善が意識されている。また、17日は野村証券が海運大手3社についてレーティング据え置きながら目標株価の大幅引き上げを行っており、これもポジティブ視された」(準大手証券ストラテジスト)としている。

※17日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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