【特集】利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第3弾 22社選出 ＜成長株特集＞

　本特集では、10月下旬から11月中旬までの決算発表集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。第3弾となる今回は時価総額30億円以上300億円未満の銘柄を対象に、20年7-9月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。

　下表では、本決算月にかかわらず、20年7-9月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している22社を選び出し、7-9月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。

　上振れ率トップとなったのは、SUVを主軸に東海エリアで中古車販売店を展開するグッドスピード <7676> [東証Ｍ]。20年7-9月期(第4四半期)は愛知県、岐阜県、三重県で発出された独自の緊急事態宣言などの解除を受けて、中古車販売店の来店客数が急増し、経常利益は過去最高益だった前年同期を3.0倍も上回る3.7億円に急拡大して着地。21年9月期は大型店の新規出店を継続し、経常利益は前期比147倍の4.4億円とV字回復を見込む。

　2位は月極駐車場のポータルサイト運営と駐車場サブリースを主力とするアズーム <3496> [東証Ｍ]が入った。7-9月期(第4四半期)は、新型コロナウイルス感染拡大の影響でインターネット経由での駐車場問い合わせ件数が増加するなか、駐車場紹介件数やサブリースの稼働台数が伸び、経常利益は3四半期連続の最高益を達成した。併せて発表した21年9月期の同利益は前期比2.0倍の4.5億円と2期連続で過去最高益を更新する見通しだ。

　3位にリスト入りしたディーエムソリューションズ <6549> [ＪＱ]の7-9月期(第2四半期)経常利益は、過去最高だった直前の4-6月期を78.1％も上回る2.8億円に膨らんだ。バーティカルメディアサービスでSEO(検索エンジン最適化)施策が良好に推移したほか、巣ごもり需要の高まりを背景に比較サイトにおける送客数が増加し、利益率の高いインターネット事業の収益が大きく伸びた。上期(4-9月)の経常利益は4.4億円とすでに通期計画に到達しており、業績上振れは濃厚とみられる。

　4位のリスクモンスター <3768> [東証２]は与信管理サービスで利益率の高いASP・クラウドサービスの会員が増加したほか、教育関連の社員研修サービスなども伸び、定額の利用料が増加した。また、BPOサービス事業では反社チェックサービスの大型案件を受注し、7-9月期(第2四半期)は売上高、経常利益ともに過去最高を更新した。上期(4-9月)の経常利益(4.4億円)は通期計画5.5億円に対して進捗率が80.7％と高水準で、業績上方修正が期待される。

　5位ＣＲＩ・ミドルウェア <3698> [東証Ｍ]の7-9月期(第4四半期)は8四半期ぶりの最高益更新を果たした。巣ごもり需要が広がるなか、国内でスマートフォンゲーム向け映像・音声ミドルウェアのライセンス収入が伸びたほか、海外向けも旺盛なコンテンツ受託ニーズを取り込んだ。また、5月に買収したゲーム開発会社アールフォースで大型案件が進捗したことも収益を押し上げた。

　7位にリスト入りしたデイトナ <7228> [ＪＱ]の7-9月期(第3四半期)は、コロナ禍で「3密」を回避できる趣味や通勤手段としてバイク需要が高まるなか、ツーリング用品やメンテナンス用品などの販売が伸びた。また、イベントの中止や国内・海外出張の自粛で経費が大幅に減少したことも利益を押し上げた。足もとの好調な業績を踏まえ、20年12月期の期末一括配当を従来計画の24円から44円に大幅増額修正している。

　8位にリストアップされたセントケア・ホールディング <2374> の7-9月期(第2四半期)は、訪問入浴や訪問看護といった訪問系サービスのニーズが引き続き旺盛だったほか、前期開設した営業所の収益寄与も業績を押し上げた。また、WEB会議・リモートワークによる業務効率化や経費見直しなども寄与し、経常利益は前年同期比2.6倍の8.3億円と2四半期連続の最高益更新を果たした。

　同じく介護サービスを展開する10位のシダー <2435> [ＪＱ]は施設サービス事業で新設した有料老人ホームがフル稼働したうえ、既存施設でも稼働率が高水準を維持した。併せて、新型コロナウイルスの感染懸念によるデイサービスの利用控えが収束傾向にあることも踏まえ、未定としていた21年3月期通期の経常利益は前期比2.3倍の5.9億円に拡大し、9期ぶりに過去最高益を更新する見通しを示した。

●“青天井”シリーズ ─────
・利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第1弾　18社選出
・利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第2弾　24社選出
も併せてご覧ください。

　　　　　　　　　　 ┌─ 四半期 経常利益 ─┐　┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名　 　　 上振れ率 7-9月期 過去最高　上振れ率 今期予想 過去最高　 PER
<7676> グッドスピー　　　 201　　 376　　　125　　　38.4　　　440　　　318　14.6
<3496> アズーム　　　　　88.7　　 117　　　 62　　　 102　　　450　　　223　48.3
<6549> ＤＭソリュ　　　　78.1　　 285　　　160　　　54.0　　　445　　　289　32.9
<3768> リスモン　　　　　59.7　　 313　　　196　　　 0.5　　　550　　　547　26.0
<3698> ＣＲＩ　　　　　　56.9　　 262　　　167　　　18.2　　　540　　　457　29.4
<6096> レアジョブ　　　　55.4　　 258　　　166　　　44.6　　　600　　　415　51.9
<7228> デイトナ　　　　　51.4　　 445　　　294　　　51.1　　 1065　　　705　 6.7
<2374> セントケア　　　　39.7　　 830　　　594　　　33.8　　 2400　　 1794　15.0
<3604> 川本産業　　　　　28.0　　 466　　　364　　　50.6　　 1050　　　697　14.9
<2435> シダー　　　　　　27.8　　 239　　　187　　　39.3　　　599　　　430　 9.3

<7187> ジェイリース　　　26.7　　 171　　　135　　　 216　　　540　　　171　15.4
<9385> ショーエイ　　　　26.6　　 338　　　267　　　31.8　　　833　　　632　14.3
<2185> シイエムシイ　　　23.2　　1041　　　845　　　 3.2　　 2320　　 2248　10.6
<2221> 岩塚製菓　　　　　20.9　　2284　　 1889　　　 7.4　　 3100　　 2886　10.6
<7461> キムラ　　　　　　19.6　　 805　　　673　　　 0.2　　 1650　　 1647　 8.9
<3934> ベネフィＪ　　　　19.3　　 377　　　316　　　13.0　　 1263　　 1118　12.2
<7320> リビング保証　　　17.4　　 142　　　121　　　51.4　　　430　　　284　43.2
<4395> アクリート　　　　 8.6　　　88　　　 81　　　20.5　　　300　　　249　43.2
<3969> エイトレッド　　　 5.9　　 198　　　187　　　10.5　　　650　　　588　46.1
<7191> イントラスト　　　 2.5　　 288　　　281　　　14.0　　 1170　　 1026　25.1

<9057> 遠州トラック　　　 2.1　　 720　　　705　　　15.2　　 2690　　 2335　12.6
<3184> ＩＣＤＡ　　　　　 2.1　　 434　　　425　　　11.7　　 1280　　 1146　 5.0

※ 2019年12月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。

株探ニュース