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【特集】ゼロから始める「株探」の歩き方 ― (19) 材料銘柄は日々の情報収集の積み重ねがキモ!

得意な市場やセクターを中心に情報を収集していこう
横山利香(ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリスト)

◆見逃せない「株価にインパクトがある開示情報」

 「株価注意報」の「ニュース」項目にある2つめのメニューが「【市場速報】株価にインパクトがある開示情報(○月○日○時以降)」です。このメニューをクリックすると、その日の株価の動きにインパクトを与えたとみられる開示情報を公表した銘柄を一覧で見ることができます(図6参照)。気になる企業があった場合には、「ヘッドライン」欄の見出しをクリックすれば、個別銘柄の「ニュース」ページの「開示情報」で企業側が発表した開示資料そのものにアクセスできますから、確認しておきましょう。

 ただし、決算発表の集中期間などでは「【市場速報】株価にインパクトがある開示情報…」の一覧で表示される銘柄数は大変多くなることがあります。こうした場合には、先に述べた「市場別」と「時価総額別」のフィルターを活用して絞り込みを行いましょう。


図6 【市場速報】株価にインパクトがある開示情報
「株探」の歩き方

◆【朝刊】ニュース銘柄の株価動向

 材料にある程度目星がつく場合はよいのですが、どのニュースが投資家から注目を集めるニュースであるのか判断が難しい場合もあります。こうした時には、3つめのメニュー「○月○日の【朝刊】ニュース銘柄の株価動向」を参考にするとよいかもしれません。

 「○月○日の【朝刊】ニュース銘柄の株価動向」をクリックすると、前日の大引け以降に流れたニュースを材料にして株価が動く可能性が高いとみられる銘柄の一覧が表示されます(図7参照)。それなりの銘柄数が表示されるため、正直、注目を集めるニュースなのかを即座に見分けることは困難と言わざるを得ません。やはり「市場別」と「時価総額別」のフィルターを用いて、銘柄をある程度選別した方がよいでしょう。


図7 【朝刊】ニュース銘柄の株価動向
【タイトル】

 例えば「市場別」の「1部」をクリックすることで、東証一部の銘柄に絞り込むことができます。次に、決算発表に関わる銘柄と、それ以外の材料に関係する銘柄の二つに分けて材料を吟味していきます。「2部」と「新興」についても同様です。傾向としては小型株や2部・新興市場の銘柄の方が材料に敏感に反応しやすいと言えます。

 なお、本連載の第4回から3回にわたって決算発表の確認の仕方について解説しました。決算を発表した銘柄について大引け後に毎日確認を行うことは、投資家にとって欠かせない作業の一つです。連載の第4回第5回第6回の記事を参考にして、決算の確認作業を毎日行ってください。

◆地合いの悪い時こそ、大切となる情報の見極め

 では、ニュース記事をどうやって選別するのかを、もう少し具体的な例でみていきましょう。私は新興市場銘柄が好みなので「市場別」から「新興」を選びますが、読者の皆さんは好きな市場で検索してみてください。「新興」を選択すると新興市場の銘柄が絞り込まれます。

 ここでは決算以外の材料のニュースを見ていきます。すると、「4557 医学生物」の「朝刊ニュース」欄には、「新型コロナ抗体測定試薬の取扱開始」と記載されています。最近はコロナウイルス関連が人気のテーマですから、実際にインパクトのある材料であるのかを見出しをクリックして確認しておきましょう。

 連載の第13回で解説しましたが、材料銘柄はいち早く確認しなければなりません。日頃から「株探」のトップページの中ほどにある「人気ニュース【ベスト10】(アクセスランキング 直近8時間)」や「人気テーマ(3日間のランキング)」などを確認して、投資家が注目しているテーマについて調べておきましょう。

 株式市場の地合いが悪いと、当初は物色のテーマとしては最適だった銘柄も、売買の中心が限られた投資家に狭まり、仕手株のような動きとなって手掛けにくくなってしまうことも多々あります。そうした銘柄は買い上げられた分だけ売り圧力も圧倒的ですので、無理に手掛ける必要はありません。地合いが悪い時こそ、さまざまな情報をしっかりと見極めて、ぶれない売買戦略を組み立てなければなりません。日々の努力の積み重ねが大切です。

 次回以降も引き続き、銘柄選びの参考に使いたい各種情報やテクニカル指標などについて解説していきます。

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