【特集】ゼロから始める「株探」の歩き方 ― (4) 有望銘柄の発掘は決算速報で!
(4)「株探の決算速報は株取引のマストアイテム 決算速報は有望銘柄の宝庫【1】」
◆株価を上昇させるための“力(チカラ)”
個人投資家のみなさん、こんにちは! 株が大好き、認定テクニカルアナリストの横山利香です。
一般的に、経済(景気)が好調な時は株式市場が堅調な時ですから、適当に銘柄を選んで、適当に売買しても、そこそこ儲かることが多いでしょう。経済が好調であることを忘れてしまい、「私ってもしかして天才!? 株って超カンターン!!」などと調子に乗ってしまっても仕方ありません。
しかし、経済は常によいわけではなく、いずれは低迷します。株式市場も同様で、上昇し続けるわけではなく、いずれは下落に転じます。経済が好調であれば、適当に銘柄を選び、適当に売買してもなんとか上手くいっていたものが、いったん経済に陰りが見え始めると、今までのようには儲けられなくなるのです。
しかし、株式市場を広く見渡せば、株価が値下がりする銘柄がある一方で、値上がりする銘柄も存在します。この違いは一体何にあるのでしょうか?
銘柄によって株価が値上がりしたり、値下がりするのは、個別銘柄が持つ力、ファンダメンタルズ(企業の業績・財務の状況)が異なるからです。
株式投資で儲けるための基本は、株価が安い時に買って、高くなったら売ることです。株を取引する方法には、一日で売り買いを完結させる「デイトレード」や、数日、数週間といった株価の動きのなかで売り買いを行う「スイングトレード」、割安な株を数年保有する「中長期投資」のほか、株主優待の権利取りや市場替えを狙う「イベント投資」など多くのやり方があります。しかし儲けるためには、どの取引方法であっても、株価を上昇させるためのファンダメンタルズを持った銘柄を選ばなければならないのです。
株価を上昇させるためのファンダメンタルズを持った銘柄は、投資家に選ばれる、業績が好調な銘柄になります。業績が良好か、そうでないかを分析するためには、企業が発表する決算の内容を確認しなければなりません。
企業が発表する決算は、会社の経営状況を表します。経営にかかった費用や得られた利益、その他損失など、会社の財務状況をまとめたもので、「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」などの財務諸表があります。1年に1回発表する「本決算」や、1年の中間時に発表される「中間決算」、1年を4期(3カ月ごと)に区切って発表される「四半期決算」があります。決算発表の時に公開される資料が「決算短信」です。株式投資で確度高く儲けようと思うのであれば、面倒でも企業が発表する決算書を確認しましょう。
図1 決算短信の一例/株価を押し上げる力はこの中に潜む
企業はこれらの決算の時に、直近の実績に加えて、今後の経営や財務状況の見通しを開示します。会社側が日々の企業活動から、「次の決算は予想よりもよくなりそう」と考えて従来の業績予想を見直す場合があります。これを「上方修正」といいます。例えば本決算の発表時に、今期について20%増益の見通しを発表した企業があったとしましょう。それから3カ月が過ぎて第1四半期決算を迎えた時に、想定以上に業績が好調だった場合にはこの先も好調が続くだろうと考えて、増益率をこれまでの20%から30%に引き上げるようなケースが上方修正にあたります。反対に、「次の決算は予想よりも悪くなりそう」と見直す場合もあり、これを「下方修正」といいます。
一般的に、発表された上方修正に対してサプライズ感(意外性)が強い場合には、その株を買いたいと考える投資家が増える傾向にあり、株価は上昇しやすくなります。反対に、下方修正が発表されてサプライズ感が強い場合には、その株を売りたいと考える投資家が増える傾向にあり、株価は下落しやすくなります。
なお、「上方修正」や「下方修正」は決算と同じタイミングで発表されるとは限りません。決算の前や後のタイミングで発表される場合もあります。その内容が良ければその後の決算に期待が高まり、株価が上昇する場合もあります。また、反対の場合もあります。日ごろから企業が発表するIR情報などに注意を払っておき、見落としをしないように注意をしましょう。
株探ニュース
横山利香(ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリスト)
◆株価を上昇させるための“力(チカラ)”
個人投資家のみなさん、こんにちは! 株が大好き、認定テクニカルアナリストの横山利香です。
一般的に、経済(景気)が好調な時は株式市場が堅調な時ですから、適当に銘柄を選んで、適当に売買しても、そこそこ儲かることが多いでしょう。経済が好調であることを忘れてしまい、「私ってもしかして天才!? 株って超カンターン!!」などと調子に乗ってしまっても仕方ありません。
しかし、経済は常によいわけではなく、いずれは低迷します。株式市場も同様で、上昇し続けるわけではなく、いずれは下落に転じます。経済が好調であれば、適当に銘柄を選び、適当に売買してもなんとか上手くいっていたものが、いったん経済に陰りが見え始めると、今までのようには儲けられなくなるのです。
しかし、株式市場を広く見渡せば、株価が値下がりする銘柄がある一方で、値上がりする銘柄も存在します。この違いは一体何にあるのでしょうか?
銘柄によって株価が値上がりしたり、値下がりするのは、個別銘柄が持つ力、ファンダメンタルズ(企業の業績・財務の状況)が異なるからです。
株式投資で儲けるための基本は、株価が安い時に買って、高くなったら売ることです。株を取引する方法には、一日で売り買いを完結させる「デイトレード」や、数日、数週間といった株価の動きのなかで売り買いを行う「スイングトレード」、割安な株を数年保有する「中長期投資」のほか、株主優待の権利取りや市場替えを狙う「イベント投資」など多くのやり方があります。しかし儲けるためには、どの取引方法であっても、株価を上昇させるためのファンダメンタルズを持った銘柄を選ばなければならないのです。
株価を上昇させるためのファンダメンタルズを持った銘柄は、投資家に選ばれる、業績が好調な銘柄になります。業績が良好か、そうでないかを分析するためには、企業が発表する決算の内容を確認しなければなりません。
企業が発表する決算は、会社の経営状況を表します。経営にかかった費用や得られた利益、その他損失など、会社の財務状況をまとめたもので、「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」などの財務諸表があります。1年に1回発表する「本決算」や、1年の中間時に発表される「中間決算」、1年を4期(3カ月ごと)に区切って発表される「四半期決算」があります。決算発表の時に公開される資料が「決算短信」です。株式投資で確度高く儲けようと思うのであれば、面倒でも企業が発表する決算書を確認しましょう。
図1 決算短信の一例/株価を押し上げる力はこの中に潜む
企業はこれらの決算の時に、直近の実績に加えて、今後の経営や財務状況の見通しを開示します。会社側が日々の企業活動から、「次の決算は予想よりもよくなりそう」と考えて従来の業績予想を見直す場合があります。これを「上方修正」といいます。例えば本決算の発表時に、今期について20%増益の見通しを発表した企業があったとしましょう。それから3カ月が過ぎて第1四半期決算を迎えた時に、想定以上に業績が好調だった場合にはこの先も好調が続くだろうと考えて、増益率をこれまでの20%から30%に引き上げるようなケースが上方修正にあたります。反対に、「次の決算は予想よりも悪くなりそう」と見直す場合もあり、これを「下方修正」といいます。
一般的に、発表された上方修正に対してサプライズ感(意外性)が強い場合には、その株を買いたいと考える投資家が増える傾向にあり、株価は上昇しやすくなります。反対に、下方修正が発表されてサプライズ感が強い場合には、その株を売りたいと考える投資家が増える傾向にあり、株価は下落しやすくなります。
なお、「上方修正」や「下方修正」は決算と同じタイミングで発表されるとは限りません。決算の前や後のタイミングで発表される場合もあります。その内容が良ければその後の決算に期待が高まり、株価が上昇する場合もあります。また、反対の場合もあります。日ごろから企業が発表するIR情報などに注意を払っておき、見落としをしないように注意をしましょう。
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