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【市況】20500円を挟んでの底堅さも、為替相場が気掛かりに【クロージング】

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

7日の日経平均は4営業日続落。68.75円安の20516.56円(出来高概算12億8000万株)で取引を終えた。6日の米国市場では、NYダウが311ドル高と反発。中国人民銀行が為替操作を否定し、人民元売買の基準値を元高に設定したことから米中貿易摩擦の懸念が後退。また、クドロー国家経済会議議長が中国側による9月の訪米を想定していると発言し、米中交渉の継続期待から買い戻しの流れとなった。

この流れから買いが先行するとみられていたが、昨日の段階で日経平均は2万円割れ寸前から一時20600円台を回復する局面をみせていたこともあり、反応は限られている。小幅に続落で始まった日経平均は、前場半ばに20570.19円まで下げ幅を縮めたが、その後前引け間際には一時20406.52円まで下げ幅を拡大させている。後場はこのレンジ内での推移となるなど、こう着感の強い相場展開が続いた。

東証1部の騰落銘柄は値上がり、値下がり数が拮抗。セクターでは、金属製品、水産農林、鉄鋼、繊維、非鉄金属、海運、石油石炭が冴えない。半面、陸運、空運、不動産、電力ガス、倉庫運輸、精密機器、その他金融がしっかりなど、やや内需系への資金シフトとなっている。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、アドバンテスト<6857>、ファナック<6954>、TDK<6762>が軟調。一方で、花王<4452>、アステラス製薬<4503>、オリンパス<7733>、ダイキン<6367>が堅調だった。

日経平均は20500円を挟んでの狭いレンジ取引となった。為替市場では米中貿易摩擦への懸念が根強いなかで、人民元の基準値の元安設定などが重しとなり円買いが優勢。また、ニュージーランド準備銀行(中央銀行)による市場予想以上の大幅利下げを受け、対円相場を通じてドル/円の重しともなっている。円相場は1ドル106円台前半で推移しているが、再び105円台への動きをみせてくるようだと、不安心理が強まることになりそうである。

また、決算ラッシュの中で個別では決算を手掛かりとした物色がみられており、センチメントはそれほど悪くないようにみられる。それでも、日替わり的な物色が中心になりやすく、需給状況が良好な銘柄でないと、資金の逃げ足は速いだろう。また、過熱感が警戒されている銘柄であっても、需給面で安心感のある銘柄へは継続的な物色が続きやすいとみておきたい。

《CN》

 提供:フィスコ

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